こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

こしのり本

不思議でユーモラスな短編集「檸檬」

檸檬(れもん)、私の大好きな黄金の果実だ。何の話か全く知らない作品だったが「ただ檸檬が好きなので」という理由で手に取った。しかし、これは軽い気持ちで読める簡単な本ではなかった。難解な文体、独特な心理描写、不思議でオカルティックな要素も含む…

社会道徳を無視してでもマイライフ「或る女」

「或る女」。なんとも性を主張した深みがかったエロスを彷彿とさせるシンプルタイトルだが内容は決してそういうのでなく本当に或る女、つまりは主人公 早月葉子の一年間の人生記録を読んでいく本である。 表紙の女の絵をじっと見ているとなんだか変な感覚に…

中国古典を漁ろう「李陵・山月記」

中国古典作品を元に書かれた小説作品なので当然にして人物、地名その他もろもろのワードが小難しい漢字で書かれる。開いたページが漢字まみれだと活字に慣れない方は遠慮したいと思うかもしれないが集中して読めばいける。 読み進めるのに少々不自由をするか…

女に飢えた童貞男のイタイお話「お目出たき人」

人はきっと恋をすることだろうと私は信じている。 タイトルが面白いと思っての完全なるタイトル買いの本だったこの「お目出たき人」という一人の男の恋物語、いやいや考え方によってはまだ「恋」としても出来損ないのような感じなのだが、まぁそこのところが…

楽しい大冒険だけでない深い紀行文「ガリバー旅行記」

このガリバー氏による愉快な冒険紀行文は数多く映像作品化されているため原作本は読まないがお話は知っている、聞いたことがあるという人は世の中にいくらでもいることであろう。私も今回始めて手にとったが、本作のことを始めて知ったのは大昔の白黒アニメ…

おい、山根ぇえ!じゃないよ「山の音」

川端康成作の「山の音」です。山の音(おと)と読むらしい。 山の音(新潮文庫) 作者: 川端康成 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2013/06/14 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 主人公の老人 尾形信吾は、ある日の夜中に聞いた遠く吹く風の音…

巨匠宮崎駿もチェックした名作「風立ちぬ / 菜穂子」

風立ちぬ/菜穂子 (小学館文庫) 作者: 堀辰雄 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2013/11/06 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 「風立ちぬ」について 「風立ちぬ」は2013年に宮崎アニメとなった同名作品の元ネタの本である。関係無いがこのアニメ風…

嫉妬が生む悲劇の連鎖「オセロー」

いわずと知れたシェイクスピアの四大悲劇の一つに上げられる作品である。本作の読破を持って私は四第悲劇をコンプリートした。 オセロー―シェイクスピア全集〈13〉 (ちくま文庫) 作者: ウィリアムシェイクスピア,松岡和子 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日:…

人間性の美しさも醜さも描かれる芥川の名作「地獄変・偸盗」

芥川龍之介の文才光る人間味溢れる物語二本であった。 地獄変・偸盗 (新潮文庫) 作者: 芥川龍之介 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1968/11/19 メディア: 文庫 購入: 2人 クリック: 30回 この商品を含むブログ (53件) を見る まずは「偸盗」の感想 偸盗(ち…

歪な愛の形を物語る「痴人の愛」

痴人の愛 (新潮文庫) 作者: 谷崎潤一郎 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1947/11/12 メディア: 文庫 購入: 8人 クリック: 123回 この商品を含むブログ (226件) を見る ずばりタイトルの通りの痴人による不思議な愛のお話であった。 主人公の河合譲治がカフ…

甘美で鬱屈とした時を送る淫らな妻のお昼の顔 ー小説「昼顔」を読んでー

今「昼顔」とパソコンに入力してみると上戸あやが出ている日本のドラマ作品が多く引っかかるであろう。大変話題となっているが見たこと無いっす。 私が言ってる昼顔は大昔のフランスの小説でジョセフ・ケッセルが書いたものである。ちなみにこっちも映像化し…