こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

人それぞれの「日常」

 2011年4月、学校で進級を果たしたばかりの物憂いあの春にスタートしたのが「日常」という良質日常系ギャグアニメであった。

 京アニの新作というわけでどんな物だと思ったら、絵の感じからしてなんだか「あずまんが大王」ぽくて「クラナド」とか「けいおん」のような可愛い女子がホイホイ出てくる萌えアニメじゃないのかよ~と少し気分が下がったのが第一印象だった。しかし、原作などの前情報は何も無しで一話をみたらぶっ飛ぶおもしろさだった。

 ああ、空から 赤べこ が降ってこようがおいしそうな鮭の切り身が落っこちてこようが日常なのだ。

 エピソード場面の学校サイドでは澪ちゃん、ゆっこ、まいちゃんの三人、東雲研究所サイドでははかせ、ナノ、猫のさかもとの二人と一匹がそれぞれメインキャラとなる。

 2クール目からはナノが入学したことで両サイド陣営五人と一匹が入り乱れての更に一段階楽しいエピソード展開になった。

 

澪ちゃんという刺客

 この作品は一話放送のなかに短編を数本入れ込む構成になっている。登場人物は多く、まぁ変テコな奴が何人と出てくる。

 代表的なのが澪ちゃんの片想い相手の笹原先輩。こいつは山羊に乗って登校してくる。

 鹿とプロレスをするカツラの校長。

 シンカーを投げる幼稚園児の孫を持つ根暗な教頭。

 教え子にスタンガンを食らわすマッドサイエンティストの中村先生。

 澪ちゃんのショートケーキの苺を王将の駒と置き換える嫌がらせと剣道の天才の澪ちゃんの姉。

 役に立たない発明ばかりする幼女のはかせ。

 仏像を彫るミステリアスガールのまいちゃん。

 初めから終わりまでバカだったゆっこ。

 

などなどで他にも上げると切りがない。皆好きなキャラクターである。

 

 それだけ登場人物がいる中で私の中で一番光って見えるアニメ界のニューヒロイン、それが澪ちゃんである。ここに大好きなヒロイン澪ちゃんの記録をしておこう。

 謎の木の髪留めをしたツインテ女子で作品内ではおかしいことに適切に突っ込む良識人である。

 澪ちゃんは中学生にしてBL本を嗜み自ら描いて投稿することもあるほどのハイステータス女子。抜群の格闘センスの持ち主でとにかく強い。中学生にしてボクシングの高等技術であるコークスクリューの使い手である。私がこの技を見たのは「はじめの一歩」以来のことである。稀なるボクサーセンスを買われてボクシングジムの爺さんにプロへのスカウトを受けたこともある。身体能力が高いのにスポーツ音痴である。本人が言うにはルールが絡むと駄目になるらしい。体育の高飛びの授業で「魚雷飛び」という決してバーの上を越すことのない必殺技を披露した。学校の休み時間に中学生女子が新聞を読んでいるという、そう言えば見たことの無い景色を彼女には見せてもらった。

 澪ちゃんの日常がまぁぶっ飛んだことが多い。お姉ちゃんのほぼイジメみたいな悪戯にたまにあうのが面白い。姉によって苺を奪われたケーキをみて「苺のないショートケーキなんてただのパンじゃん!」と名言を叫んだ。私の妹もこの名言を真似て叫んでいたのは良い思い出。

 親友のゆっこに焼きそばの買出しを頼んだらバカなゆっこは焼き鯖を買ってきて(しかも単品で)これじゃないし米も無しで食えるかと澪ちゃんが切れて、学校の昼休みに女子のガチ喧嘩が勃発する。ゆっこがスーパー土下座を繰り出すなど苛烈極まる荒事だったが最後は両者和解で事は収まった。すばらしい取り組みに見物人が拍手する程であった。関係ないのに流れ弾にやられたクラスメイトの中之条君のみ傷を負うことになりその他は被害なく収まった。目の前でとんでもない喧嘩をしているのに二人の仲良しの友達のまいちゃんはガン無視であった。どこまでもクールビューティーな乙女だ。このエピソードは伝説である。私は腹を抱えて笑った。

 もう一つの澪ちゃんのお気に入りシーンがある。街では偽札使用の事件が広まっていて澪ちゃんは警官に荷物検査を受ける。澪ちゃんのバックには描いていることは誰にも内緒にしているBL本の原稿が入っている。秘密を死守するために澪ちゃんはその場にいる全ての者の口封じを行う。まずはチョップで警官を倒し、親友のゆっこ、山羊、通りがかりのじいさんとプロレス技を駆使して次々と倒していく。この流れ作業がすばらしすぎてすごい回だった。普通に公務執行妨害であった。

 後に川で溺れた子供を救いその時にチョップで倒した警官と再会する。あれは公務執行妨害だと注意されるが子供を救出した栄誉のために不問に付することになった。

 

本気が見られるアニメ

 原作からしておもしろいようで各話笑い所がたくさんだ。その上アニメ製作における職人の技と魂が見られる作品でバトルシーンでもないのに原画枚数が多く絵が動く動くの興奮シーンがあり、各話の所々には趣向を凝らしたアイキャッチ、本編と関係のない楽しいミニコーナーを挿入するなどしてとにかく作りが細かくバラエティに富んでいる。おいそれと放送を落としたり溶ける動画などを作る会社には爪の垢を煎じて喰らわせたいほどだ。声優好きに嬉しいのは毎回の次回予告は本編に出ない有名声優が週代わりで読み上げることだ。本編と関係したのかどうか謎の一枚絵をうつして次回の内容と何も関係ないことを喋って次回の内容は何も教えてくれない。しかし、ただここでお声を聞けるだけでありがたいと思って毎週楽しみしていた。

 放送後の反響であのNHKのお眼鏡に適い、こちらで再放送までした実績を持つ。NHKでは過去に「機動警察パトレイバー」や「うる星やつら」などを再放送した衛星アニメ劇場の枠が無くなり他局で放送した作品の再放送が見られなくなったな~と思っていた所へこの作品が持ち込まれたのでたまたまNHKを見てびっくりした。本作を新たな架け橋として今ではNHKでも「ラブライブ」「けいおん」「進撃の巨人」などよそのチャンネルの番組もちらほらと見られるようになった。「日常」に敬礼。

 

 

 ヒャダインという私的出会い頭衝突

 前期、後期のOP曲を担当しEDの佐咲紗花の曲も作詞作曲を担当している新世代ミュージックプロデューサー、それがヒャダインこと前山田健一であり前山田健一ことヒャダインであり・・とにかく彼の腕前を見せつけられたのが本作。

 このヒャダイン、当時からあちこちで話題になっていて新進気鋭と評価されていた。当時くらいから私はいわゆる老害めいた物の考え方をし、「いまどきの若い者は・・」のようにジジイの繰言めいたこと言うようになっていた。つまり新たなモノに対してまずは批判的に見てしまうクセが出てきていた。新しいもの、大衆に広くウケがいいものが真に良い物ではない。それはマジに真実の場合もあり私の勝手な偏見でそう判断した場合もあったわけだ。あの頃の私は新進気鋭=クソという奇抜なオリジナル方程式を一人で拵え信じていたのだ。なので、当然このヒャダインに対しても良い見方はしてなかった。

 しかし、彼の作る音楽は説得力がある。私の偏った見方も矯正され、これは良い音楽だと得心がいった。理由はいらない。ヒャダインのOP曲はおもしろくて心地よくてテンションあがって楽しい。本能で良いと判断した。

 前期OP曲「ヒャダインのカカカタ☆カタオモイ-C」、後期OP曲「ヒャダインのじょーじょーゆーじょー」前期ED曲佐咲紗花の「Zzz」どれも良い曲だ。

ヒャダインのカカカタ☆カタオモイ-Cヒャダインのじょーじょーゆーじょー

         Zzz