こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

乙女心を描く無骨な男子高校生「月刊少女野崎くん」

 2014年7月~9月放送アニメ。

 男子高校生でありながら月刊少女コミック誌に連載を持つ若き天才 野崎梅太郎(ペンネーム夢野咲子)と、そんな野崎に愛の告白をするのに失敗した結果、なんやかんやでアシスタントとなってしまった佐倉千代を中心として、その周りをおかしな連中で取り囲んでドタバタした日常を描くマンガ家&ハイスクールコミカルストーリーである。かなり愉快でとても楽しいお話でした。

 メインキャラの佐倉千代を新人声優の小澤亜李が演じ、その他の周りのキャラは一人残らず人気有名声優が演じていることから声優好きにはたまらない作品となっている。

 

 基本的にずっとおもしろいアニメだった。キャラクターの愉快さが一番評価できる。

 タイトルにもなるその人、野崎のあくまでクールな変人っぷりがたまらなくおもしろい。最初はクールで無表情、無感情なキャラだと思ったが、少女マンガを書き上げることへの少々異常な熱意がおもしろい。日常生活においてネタとして取り込める物は何でも取り込もうと常にアンテナを張り巡らせているのは点は熱き作家魂を感じる。野崎がいかに漫画が好きかがよくわかる表現である。でも、資料用にセーラー服を購入して佐倉に着せようとしたり、自分で着てみたりとやっぱり変人な要素を含んでいる。

 おかしな人達にいれる佐倉の突っ込みぷりが良い。コメディばかりで野崎との進展が特にない。途中で佐倉の恋心のことを忘れて見ていた。表情豊かで可愛いヒロインであった。

 ときめく男女の学校の帰宅シーンといえば自転車の二人乗りだが、現在では例え漫画表現であっても道路交通法違反なので編集者からは書くのはNGが出る。そこで野崎が考えた法律に触れない自転車を用いての帰宅シーンが奇抜でおもしろかった。本編を見ればわかる。最近は漫画でもマナーのことが色々厳しいのだなと知った。

 クセのある変な人物が多く登場して飽きない。イケメン男子なのにその内面に乙女の要素を秘めているため、野崎のマンガのヒロインのモデルにされている御子柴は特に良い。コミュ障改善にギャルゲーをやるという無駄トレーニングをしたり、美少女フィギュアを漁ったりとイケメンにあるまじき意外な行動をするのがおもしろい。ある意味では男の身でありながら佐倉と並ぶもう一人のヒロインである。

 高校の演劇部のエース鹿島と部長の堀先輩とのかなりバイオレンスながらも心の通った掛け合いも毎度面白い。学校の暴君でありながら天使の歌声を持つ瀬尾とバスケ部の若松の付かず離れずな微妙な関係もおもしろい。

 オープニングにも登場する謎の狸の登場回が一番笑えた。少女マンガ家 都いずみはものすごくいい加減な担当 前野に唆されてストーリーに一切関係ない場面で狸を書かされまくる。この狸の脱力系のちょっと腹立つ顔がおもしろい。いずみと前野の愉快なやり取りがおもしろい。あと、前野のふざけたブログがかなりおもしろい。

 野崎が珍しく懐いている野崎の担当編集の剣さんのかなりクールに野崎をかわす冷たい塩対応ぶりもおもしろい。

 キャラクター単体でおもしろいけれど、他のキャラと掛け合わすと更におかしな展開を生んで笑えた。

 学校でのあれこれと漫画を書く要素が半々くらいでいいバランスだった。ちゃんと漫画を描いて視聴者にも作業説明となるシーンも少しはあった。漫画を書く時にも野崎があくまでクールに結構フザけている様もおもしろかった。テンションの低いコメディ要員という変わったポジションであった。

 

 

OP曲

君じゃなきゃダメみたい

君じゃなきゃダメみたい

  • provided courtesy of iTunes

 今年大変有名になった「けものフレンズ」OP曲を手がけた大石お兄さんが歌う楽曲である。この人の名前も曲も初めて知るきっかけになったのがこのアニメだ。歌詞にも少女漫画というワードが登場する。

 リアルタイム放送で一回聴いてもうお気に入りになってDLしました。

 イントロのギターからカッコイイし、曲構成もおもしろくてかなりハイセンスな楽曲。それっぽい言葉を書き連ねての評価だが、良さは聞けばわかる。そもそも音楽は感じるでのあって文字に起こしてダラダラ感想を述べるものでもない気がする。

 オープニングアニメもセンスが良い作りである。堀先輩が狸を爆破するシーンが好き。

 

ED曲 

ウラオモテ・フォーチュン

ウラオモテ・フォーチュン

  • provided courtesy of iTunes

 佐倉ちゃんが歌う可愛い曲です。

 嫌いの反対の反対の反対の~ と反対を重ねていって結果なんだったの?とやや混乱を誘う歌詞である。

 エンディングアニメーションは佐倉の可愛さをタップリ積めたものとなっていて、そういえばこの子ヒロインだったねと再認識させてくれる。本編はコメディ色が強くてヒロインとかっていう意識が無くなるからね。

 当時はまだ経験も浅いのに演技に歌にだいぶ頑張ってるな~、と新人声優小澤亜李を応援してしまった。

 

 

  

 私も少女漫画にはたくさん触れて、複雑な乙女心や人間心理を学ぶのに役立てた。でも本作はそういうのじゃないので軽い気持ちでポテチでもカジカジしながら楽しくどうぞ。

 

 スポンサードリンク