こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

10年前にやっていたゲーム 雪山で起こる恐怖の殺人事件「かまいたちの夜」

 最近は落ち着いてコントローラーを握る時間も昔程は確保出来なくなった。10年前と比べるとゲームをする時間もプレイする本数も減ってきた。

 私は基本的に今も昔も最新のゲームを手に取るなんてことはしない。中古で安くなってからでないと購入しないからだ。小金持ちの両親の下でだらだらと生活してきた割には財布を開くのに慎重すぎるというか単にケチというべきか、とにかく昨日出た新作ソフトをするなんてことは無いのだ。よって、10年前によくやっていたゲームも当時発売したものでなく実は10年以上前に発売されたものであるのだ。

 金をケチる問題もあって図らずも私はレトロゲームプレイヤーの仲間入りをしているのだ。しかし温故知新こそ良き人生の歩み方と心得ているのでレトロも悪くないのである。

 10年前を思い出して当時プレイしていたゲームを振り返る。

 

かまいたちの夜

かまいたちの夜

かまいたちの夜

 

 スバリこれ!  

 タイトルロゴからもう怖い。

 

 「弟切草」に続きチュンソフトから発売されたサウンドノベルゲーム。今作のヒットによってサウンドノベルというジャンルが市民権を獲得するまでに世間に認められたと言っても過言でない・・と思う。それまでアクションゲームやRPGや恋愛シュミレーションを嗜んできた私にとって人生初のサウンドノベルゲームであった。

 私が自称文学青年を名乗る程に活字に慣れ親しんでいる上にシャーロキアン、乱歩オタクという楽しい要素を取り揃えたミステリー好きであったのでとても楽しめたゲームだった。

 ゲームで長い読み物を楽しむことができるというのがカルチャーショックであった。鮮やかなコントローラーさばきなんて必要ない。ただ文字を読んでボタンを押すだけのゲームである。

 

 2007年にプレイしたが本作は1994年に発売したスーパーファミコンソフト。10年前にプレイした段階で13年前の古いゲームである。後に他のハード用にも移植されたソフトだが私はオリジナルのスーファミ版をプレイした。

 

 ゲーム内容はカップルがスキー旅行へ行きペンション「シュプール」に泊まったところ、そこで大吹雪に合い電話も外に繋がらず脱出不可能な状態に追い込まれる。そんな閉塞されたペンション内でバラバラ殺人が起きる。表示される選択肢の中から正しい行動を選んで犯人を暴き雪山から脱出を目指すというもの。

 数ある殺人方法の中でバラバラにするなんてのは初めて知ったケースで発想の恐ろしさに衝撃を受けた。人生初バラバラであった。

 

 登場人物は青いシルエットで表示されどんな顔なのかはまるでわからない。この情報を与えすぎない演出がイマジネーションが膨らます効果をもたらして良い。モザイクがあるからこそモザイクの先の世界を我々は想像力を働かせて思い描くのであってモザイクがなければ何も考えずにぼう~と見るだけだ。この人物シルエット化が恐怖心も煽って非常によかった。皆美男美女に描いていたら怖さ半減だものね。皆まで見せない良さをゲーム上において始めて味わった。

 

 スーパーファミコンのスペックを今の若者は甘く見ているかもしれない。こんなカセットではフルボイスどころが短い音声を入れるのもきつい。今では当たり前のフルボイスだが声無しというのも想像が膨らんで良い楽しみ方かもしれない。 

 犯人に襲われた時の人物の叫び声だけは入ってるんだよな。女性、男性共に叫びは聞けるので夜に急に叫び声がしてびっくりしたのを思い出す。

 

 超怖くて超おもしろい。エンディングが複数用意され自分の行動によっては殺人事件が起きる前に早々に彼女に振られて山を降りるというショボイ落ちも用意されている。

 

 大筋は閉鎖されたペンション内で起きる殺人事件の解決するシナリオだが、こちらを無事解決すると同じ舞台同じ登場人物で設定から何から色々違う別シナリオを楽しむこともできる。別シナリオの内にはちょっとだけ、本当にちょっとだけエッチなシーンが拝めたりする物もあり怖いだけで終わるゲームでは無い。

 名作ダンジョンゲーム「風来のシレン」「トルネコの大冒険」を手掛けた会社でもあるのでそれ繋がりでダンジョンに潜るというシナリオも存在する。これは楽しかった。

 「かまい」という名の人物が複数集まって宴をする「そっちのかまいたちかよ。」と突っ込みたくなるダジャレシナリオには笑った。本当にくだらねぇ。

 このような作りこみようから作り手がマジだということが伝わる。

 

 恐ろしい内容のシナリオ担当者はあのクレイジーでサイコな殺人モノ「殺戮にいたる病」の作者 我孫子武丸である。怖さは折り紙つきである。本作をプレイした夜はまず内容の恐ろしさに恐怖し、そしてゲーム性のおもしろさに興奮して眠れなかった。

 本作を元にした新たなシナリオを一般から公募して本にした「あなただけのかまいたちの夜」も発売された。こちらも購入して楽しんだ。

 おもしろいシナリオは本にしようがゲームにしようがおもしろい。話筋がしっかりした物はどこに出しても通用するのだと納得させる説得力のあるゲームであった。

 

 本作でサウンドノベルという新ジャンルに会い私のゲームに対する価値観が変わった。ゲームのおもしろさは敵をぶっ飛ばしてスッキリするだけではないと気づかされた。

 おもしろさに感動して本作は大好きなゲームの一本と数得られるようになった。

 

 本作に刺激をうけて他にもいろんなサウンドノベルゲームに手を出すようになった。

 例を並べるとスーパーファミコンでは「学校であった怖い話」「晦 - つきこもり-」「夜光虫」「ざくろの味」、セガサターンでは「街」PSPでは「428~封鎖された渋谷で~」などをプレイした。

 

 「かまいたちの夜」は私のゲーム人生を大きく変えてくれた思い出の一本である。

 良い物なので布教したい衝動に駆られて実行したところ、私のお兄ちゃんも学友達も「文字読むのダメなんよな。」と一言。これだから教養のない奴は困る。

 

 

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