まず、なんてタイトルだろうかと思ったものだ。
1990年公開の50分の劇場公開アニメ。
タイトル頭に物騒な「殺人」のワードが目立ち、次に「ハート色」から乙女チックなストーリーを予感させるというなんだか両極端な要素が混入した変わったタイトルだと思った。まぁ、これはタイトルにのみ魅かれて視聴したわけである。長いアニメの歴史の中にも変わったタイトルがあるんですねぇ。
原作小説は「星子シリーズ」という括りでたくさん巻数があるらしい。今作はそのシリーズ一作目をアニメ化したものである。原作の方はノータッチ。
ライトな内容とはいえ人死が出るものをユーモアミステリーというジャンルに分けるとはどうなのよ。
本作はVHS、LDでしか発売していない。DVDにはならないだろうな。
それにしてもこの時代のVHSの価額はアホな程高額であった。
正義感の強い主人公の星子は学校で虐めを行っている不良共を、鍛えぬいた合気道の技も持ってしてぶっ飛ばす。それによって停学をくらい、そのクソ暇な停学期間を有効活用するために飼い猫を連れ、電車に揺られて長崎旅行をすることにした。寝台電車に食堂車と昨今ではお目にかかれない風景が見られた。
そして、旅行先の長崎で殺人事件に遭遇する。という流れである。停学中って基本的に自宅謹慎なはずなのをフラフラ長崎下だりまで遊びに来るからこういう面倒臭いことに巻き込まれるわけだ。
ミステリーが好きなのでまあまあ楽しめたが、50分ではやはり短い。後半はちょっと駆け足だったような気がする。物が古いので絵柄もやっぱり古い作品だ。
電車で猫が行方不明になった時に見つけて捕まえてくれた人が次の日の新聞に殺人事件で殺されたと出ていたので、幽霊が出るホラー系のお話なのかなと思ったが、死んだことにさせられていて普通に生きていた人であった。ホラー路線に入るのをちょっと期待して見てしまった。
行きの電車から御一緒していた謎の青年 宙太が警察署長の息子であるとか、自分も警察であるとか言ってたのが実は嘘で最後まで彼の正体が謎だった。彼は結局何者だったのかと疑問が残るが、本作はシリーズ化した長い原作の第一作に過ぎないのでそこら変の謎は原作シリーズを追って行けば明らかになるのだろう。
主題歌は「魔法の天使クリィミーマミ」で御馴染みの太田貴子が担当していた。
今後は電車に乗車する際、今握っている切符がはたして殺人切符でないかどうか、ハート色をしているのかどうかと疑り深くなってしまう。そんな一作でした。
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