こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

悪魔教が放つ動画経典「聖飢魔Ⅱ HUMANE SOCIETY 人類愛に満ちた社会」

 1992年に発売されたOVAで、へヴィメタルバンド「聖飢魔II」が登場するアニメである。

 「何が人類愛に満ちた社会じゃ」とか言いながらとりあえず視聴してみた。

 

 彼らの目的は悪魔教の布教にあるので、「アニメ」という広く一般に馴染んだ媒体を利用して信者を増やそうとした。バンドに興味の無いアニメオタク共をもこちら側に引き込もうとするこれまでと視点を変えた見事な戦略に出たと評価できよう。字がだめな奴でも動画の経典にすればイケるのである。

 彼らの音楽にさほど詳しくもない私もアニメ好き故、うっかり手にとって悪魔教信者の1人となってしまったのだ。

 

HUMANE SOCIETY ~人類愛に満ちた社会~ [DVD]

 

 本作に登場する聖飢魔Ⅱのメンバーのデーモン、、ルーク、ゼノン、ライデン、エースは皆本人が声を当てている。

 デーモンは、あのままの見た目で画に描いて違和感が無いし、悪魔声もしっくり来る。

 

 ストーリーは、悪魔である「聖飢魔II」と神とによる人類存亡をかけた聖戦を繰り広げるといったものである。

 デーモンは侵略の最終手段として大地を割りバベルの塔を出現させたり、神の方でもカインの塔を造ったり、最終的には地球を抜けて月や太陽の方にもお邪魔してバトルをするという壮大極まりない話となっている。しかも、最後は神を倒して「聖飢魔II」が勝利し、「芸術による支配を行う」とか息巻いて終わる。神ローザと悪魔デーモンの口論において神が人類に行き過ぎた愛を注ぐのはエゴであって本当に人類のためなのかという流れになり、昔何かのアニメであったような善悪が逆転するような要素もあった。考えさせられるぜ。

 

 普段デーモンは人気ラジオDJとして人の世に紛れている。聖飢魔IIの面々はエネルギー弾、口から火を吹く、巨大化、透視などの超人的パワーを持ち、めっちゃ強いので一般人では歯が立たない。対悪魔組織があるが、戦車やヘリで悪魔に応戦するも、デーモンらに車体を割られるなどして全く歯がたたない。ただただ国庫の金を塵と変えていくのみである。

 

 ネタものアニメと思いきや結構よく出来ている。普通に楽しく見ることが出来た。

 メインは聖飢魔IIの皆だけど、神ローザ役は土井美加、他に松本保典神谷明など有名な声優も出ている。アフレコを一緒にやったのなら声優本業陣はどんな気分で収録に臨んだのだろうか。何て言ったって悪魔共と仕事をしたわけだからな。

 

 世界は神に救われるか、それとも悪魔の手に落ちるかといったように世界の行方は暗雲の中にして見えなかったまさに世紀末への不安をそっくりそのまま画にしたようなアニメにバンド「聖飢魔II」をかけたコミカルな組み合わせで送る作品であった。

 今は無事新世紀が来てよかったね。

 

 信じなさい聖飢魔IIを、入りなさい悪魔教に・・