こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

ハードアクション物へ改変「イナズマンF」

 はい、東映の人気物「イナズマン」の続編、それが「イナズマンF」である。Fはフラッシュと読みます。1974年放送、全23話の特撮番組である。 

 渡五郎がサナギマンからイナズマンへの2段変身をして前作よりも強敵な悪の軍団と渡り合う内容である。

 

 前作の最後でイナズマンが悪のファントム軍団に勝利したその矢先に新しい悪者デスパー軍団が現れる。体力の回復を待たずにデスパーの幹部ウデスパーに挑まれたイナズマンは負けてしまう。しかし、次から次へと悪者が出てくるのを見ると、わかっていないだけで我が国にはたくさんの悪い組織が暗躍しているのかもしれないと勘ぐってしまう。

 とりあえず、デスパー軍団はファントム軍団よりずっと強いらしい。日本の征服をねらうガイゼル総統をボスにしてデスパーの戦闘ロボット達がイナズマンを苦しめる。

 

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 無印「イナズマン」を2クール放送して「イナズマンF」は3クール目になるわけである。改変期にタイトルを変えて番組の中身もごっそり変えている。

 前作では少年同盟なるものが出てきてイナズマンの助けとしてガキ共が活躍していた。そして固定したヒロインがいて、イナズマンに変身する渡五郎の大学の学友である暑苦しい男丸目剛作という男がサポートキャラで戦闘にもちょくちょく参加していた。この剛作という男は顔面から男性ホルモンをすごく感じた。そして、私が子供の頃に見た絵の「達磨大師」に顔がよく似ていた。キャラが濃くて好きだった。

 上記の前作のレギュラーは今作には一切出てこない。

 イナズマンF第一話で敵との闘いで深手を負った五郎を通りすがりの新婚さん夫婦が助けてくれるのだが、五郎に関わったためにその夫婦はデスパーに殺されてしまう。

 この導入からデスパーは五郎の身の回りの人物は誰でも容赦なく殺すヤバイ集団という設定を明らかにしている。五郎はそれまで大学の寮で暮らしていたが、街で暮らすと自分の周りの関係ない人まで殺されるかもしれないので今作では引越しをする。その引越し先が新キャラのインターポール捜査官荒井誠の基地である。

 この設定を生かしてばっさりと前作の人物を降板させ人物関係の整理を行った。思い切った改変だったね。

 

 新キャラの荒井さんはインターポールの人なので向こうの国の文化に慣れ親しんでいると思われる。そのため、本国では誰もしないようなアメリカ西部のガンマンみたいな格好をしている。「快傑ズバット」の早川健くらいしかこんな格好はしない。

 武器のショットガンをぶっ放し、実はサイボーグという設定を持っている。イナズマンとデスパーの闘いの筋と別に荒井にはデスパーに拉致された妻と娘を取り返すという目的があり、荒井のエピソードもお楽しみ要素であった。荒井は整った顔の渋くてイカすおじさんである。

 本作では五郎と荒井のみのメンバーで敵とやりあうことになる。前作に出て来たガキ共はまあ良いとして、ヒロインがいなくては華が無いではないかと視聴者が心配は当然のことである。制作陣は固定ヒロインを廃止した代わりの策としてゲストキャラとしてその回ごとにヒロインを登場させる策を取った。映画「男はつらいよ」のごとく毎回違うヒロインが画面に華を添えてくれるのが毎話の楽しみ要素ともなった。

 

 毎話登場する新しい怪人とは別に据え置き幹部怪人を置いたのも前作からの変更点である。前半ではウデスパー、後半ではサデスパーが幹部として活躍する。サデスパーが出てきて始めてガイゼルの右腕、左腕の役を務めるのがコイツらかと名前の由来に合点がいった。

  ウデスパーが一度はイナズマンに敗れて、修理をした結果ウデスパーαとβの二体に別れ、二体が合体して合体ウデスパーになるのは話を盛り上げた。αとβが仲が悪くてイナズマンを前にして仲間割れしたりするのおもしろかった。「キカイダー01」でハカイダーが4体に増え、4体のフォーメーションがいまいちだったこと、4体で合体することを思い出した。

 

 登場人物の整理、交代制のヒロインと前作と違う特徴を挙げたが一番の変更点は、そのストーリー展開にあり、はっきり言うと子供向け番組にしては重い話の回が多い。デスパー軍団の凶悪性がすさまじいために登場する人物、ヒロインが殺される率が高くなった。正直笑えない話も結構あった。特に私の記憶に残るのは第12話で、人間をサイボーグ化し強制収容するデスパーシティという謎の街に五郎と荒井が潜入する回である。この回では、已む無くヒロインが弟を殺す、その後ヒロインは自爆して死ぬなどとにかく暗い要素が多い回だった。とにかく全体的に暗い話が多かった。

 最終回でもデスパーシティに潜入する。最終回ではデスパー軍団のガイゼル総統の娘が登場する。この娘が人類に味方をして爆弾の起動を止めたためガイゼルは娘を殺してしまう。娘まで手にかけるとはかなり悪い奴だ。

 重いストーリーで攻めたかった制作の方では、最終回は五郎が人間を助けられず、荒井も死んで主人公以外皆殺しの方向で持っていくシナリオも考えられていたらしい。最終回で皆殺しは記憶にも記録にも残るが、気分が良いものではない。さすがに子供向けなので最後は荒井の妻子も救出されてハッピーエンドで終わった。