こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

きっと来る良い便り「空の境界 未来福音」

 「空の境界 未来福音」は全7章+αで構成されたあのすばらしき映画「空の境界」の新作で2013年に公開した。今回も恐ろしく綺麗な絵ですばらしい作品に仕上がっている。

 

空の境界 未来福音 (星海社文庫)

 

 先のシリーズとはまた毛色が違ってそんなにバイオレンス感も無く話の構成も独特な群像劇となっていた。

 タイトルにもある「未来」が大きなテーマであり、未来視なる能力が登場する。

 

内容

 時に1998年8月、巷を横行する爆弾魔が世を賑わせていた。

 未来を見る能力を有する爆弾魔 倉蜜メルカとそれをとっちめるために立ち上がった我らがヒロイン両儀式による大捕り物を描く一方でひょんなことから黒桐幹也と知り合ったこれまた未来を見る能力を有する少女 瀬尾静音の一夏の恋的な青春の淡い思い出を描く。

 

感想

 重要人物である瀬尾静音は空の境界第6章にちょっとだけ登場していた。モブみたいなものか思っていたのであれから数年経ってメインのストーリーがあったとは意外に思った。私の好きな井口裕香が演じているので出番が回ってきて良かった。前作では式が入院していた看護師の役とかでも出ていたのを記憶している。

 瀬尾静音のストーリーは幹也と喫茶店でお茶するのがほとんどな感じで体のアクションの豊富なストーリーでは無いが、悩める少女の繊細な内面を行きずりの男に吐露するというちょっと変わった話はおもしろかった。幹也がしっかりカウンセリングしてあげていて頼もしく見えた。 

 

 倉蜜メルカと式が対峙する場面は緊張感があって見ごたえがあった。メルカが式に渡した携帯電話のタイプがかなり古いやつで懐かしい。

 この事件の後日談が一番印象的であった。なんと式と幹也に未那という娘が生まれていた。これが可愛い。パパ大好きっこである。

 

 もう一人の未来を見る能力を有する人物 観布子(みふね)の母が登場する。この婆さんもまた重要でちょっとおいしいキャラである。こういうけったいなババアを演じさせたら日本では5本指に入る声優くじらの芝居が魅力的であった。

 

 同時上映の「空の境界 未来福音 extra chorus」では本作のメインキャラ以外にスポットを当てたサイドストーリーが楽しめた。こちらでは先日声優活動復帰した種田梨沙演じる新キャラも登場した。

 式が黒猫を預かるエピソードでは「猫、なめるなよ!」の名言を残した。式がたまにデレるのにはやられる。

 

 「未来」を軸に登場人物が交錯するストーリーを未来と過去を交錯することで描いたすばらしい作品であった。

 

 

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