こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

ほのぼのアパート暮らし「まほらば〜Heartful days」

 「まほらば〜Heartful days」は2005年に放送した全26話のアニメ。

 先日BD-BOXが発売されたので見ることにした。再生してみると安定の4:3サイズでやはりこのサイズには落ち着くと思った。

 「まほらば」は理想の場所って言う意味の言葉らしい。確かに本作舞台のアパート鳴滝荘は理想的な住みかであると言えよう。

 

 そう言えば「まぶらほ」とか「マヴラブ」と言う似た名前の作品もあるのでややこしい。

 

まほらば~Heartful days Blu-ray BOX 【初回限定版】

 

 本作は絵本作家を目指す主人公白鳥隆士少年が、専門学校で絵の勉強をするために上京してアパート暮らしをするお話である。

 アパート鳴滝荘の大家は女子高生の蒼葉梢で隆士とはとこの関係である。たまに聞くけど「はとこ」って何だろうって思って調べたら自分の祖父母の兄弟姉妹の孫ということであった。ややこしいし遠い。はとことの結婚はアリと本編で語られている。

 アパートに住む個性的で賑やかな人々と共にわいわいやる中、主人公が大家さんにドキドキときめいてしまうというホームドラマ&ラブコメディである。

 

 いつからだろうか、とにかく下宿先で皆でわいわいしたりラブしたりっていう作品はだいたいはまる傾向にある。「めぞん一刻」「陽あたり良好」「ひだまり荘」「ラブひな」など下宿ものは楽しい。こういうのには憧れるが実際にアパートに暮らすと、隣の部屋のおじさんなんか得体が知れなくて気味が悪いからまず関わることはない。てか怖い。

 

 一話を見て主人公の隆士君が「ハヤテのごとく」のハヤテみたいだって思った。隆士役が白石涼子だから声も一緒だし、顔も女子寄りな男子顔である。白石の少年ボイスは良い。

 アニメ「めぞん一刻」の響子さんのごとく、アパートの表を箒で掃く素敵な大家さんの梢ちゃんを演じているのが新井里美なのが意外だった。パッケージを見てこの可憐な少女から新井ボイスはイメージ出来なかった。本放送を見ずにBDが初見だったので新井さんはこういう正統派ヒロインも出来るんだって思った。なんせ、彼女の芝居と言えば「とあるシシリーズ」の白井黒子のようなテンションの高い変態とかおばちゃんボイスのイメージが強いからだ。特典映像のキャストインタビューのやつとかではやっぱり新井のテンションがアレだった。面白い。

 

 原作も知らずに見ていたら、可憐なヒロインがまさかの多重人格の持ち主で、凶暴な人格に変身したのには意外すぎて驚いた。この流れは全く予想しなかった。人格が変わる設定を見れば「ドラゴンボール」のランチさんや「幽遊白書」の仙水忍を思い出す。

 ベースとなる大人しい少女のこずえちゃんの他に4つの人格が入れ替わり登場する。こうなると新井里美の色々できる声の芝居が輝く。実質一人で5役やっていることになる。梢の人格の一つ赤坂早紀は粗野な性格であるが、早紀変身後は髪型がポニテになるので、これには萌える。

 

 鳴滝荘の住人には犬のパペットを使っての腹話術でないと会話が出来ない変化球なコミュ症持ちや、家具が全部ダンボールで一日中内職詰めの極貧親子など楽しい人物が登場する。

 メインヒロインのこずえちゃんがすごい良い娘で可愛いのだが、鳴滝荘に暮らす都会的なお姉さんキャラの桃乃恵さんもかなり好きなキャラ。やはりピンク髪のキャラは強い。最近Yahooニュースで結婚が発表された浅野真澄が演じている。この人の透明感ある声は好きだ。

 こずえちゃんにべったりの珠実ちゃんは我等が堀江由衣ちゃんが演じていた。貧乏親子の母の方の黒崎沙夜子さんも可愛くて好きだった。伊藤静の演じたオカルト部のマゾな部長も可愛かった。

 騒がしい住人達が主人公の部屋に勝手に上がって酒を飲んで迷惑な宴会をする場面を見て「めぞん一刻」でもこれあったなと懐かしく思い出した。

 

 ドタバタとはしゃぎ過ぎず、視聴者に媚びた派手なお色気もない大人しめのコメディで、隆士と梢のやさしい若者二人にホッコリした。こずえちゃんが高校生なのに梅干が好きという古風で和風なセンスをお持ちであるのは好印象であった。

 

 そんなホッコリだらけで飽きないように時々シリアスなエピソードも放り込んでくる。恵さんの過去とか黒崎親子の過去には色々あったとわかる。これが調べてみるとアニメではいくつのかの設定をカットして大分優しくまとめているが、原作ではもっと重いキャラ設定やエピソードがあったとわかった。アニメはあの優しい作りで良かったと思う。 

 本編についての語りも含めたストーリーの合間に挿入される隆士の描いた絵本の物語も良い演出だった。

 最初はなよなよした感じだった隆士が後半に行くにつれてどんどん男前になっていった。

 

 可愛いらしい絵柄の個性的な人物が多く登場する楽しくほのぼのするアニメであった。

 

 

 私も私だけの「まほらば」を目指そう。 

スポンサードリンク