こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

こしのり漫遊記 その22「空しき逆行 リベンジ」

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 漫遊記その21の内容と似たことが先日起こった。

 

 私はこの怒りと悲しみをここに書かずにはいられない。他人から見ると小さい話かもしれないが、私には胸に穴が開くほど痛ましいことだったのである。

 

 つい先日の冬も終わってそろそろ春の足音がするぞ、ってくらいに穏やかな三月のある日のことである。

 私はとある食品販売店に入った。そこには食パン一斤五枚切りが半額で売られていたのでそれを二つカゴに入れたのみでレジに持って行った。合計84円の買い物である。

 その店で使える10%OFFクーポンを提示したら、半額シールを貼った商品にそれは使えないとか言われた。以前まではまず半額、次にそこからまた10%OFFしたものが合計金額になったのにどういうことだ。

 レジを抜けた先の台で買ったものを袋に入れていると、台のすぐ上の壁に張り紙がしているのに気づいた。張り紙には「レジでの会計方法の変更について」という題で内容が書かれていた。そこには既に割引シールの張っている商品とクーポンの併用は出来ない。割引率の高い方のみで計算すると書かれていた。

 

 情けない。私はこの変更が情けなくてたまらなかった。企業の改善がなされたとか、お客様の財布に嬉しい改革がなされたという気持ちの良い報告ならともかく、こんなサービスの質を落としたという報告を、それも印刷代をかけてこんなに大きな紙に記して我々に報告するなんて、一つも気持ちの良いことはない。

 組織の上の者が、こうして値引き率を落とすという後ろ向きな内容を会議で話し合っていると考えるだけで情けない。会社がケチになり、割引率を落としてわずかでも金を回収しようとする小さな腹でいるのは、それだけ会社経営が、または景気が悪くなったということなのであろう。向こうさんの苦しい事情は分かる。分かるけど、会社が、広い範囲で日本という国が金銭面でどんどんケチになっていくことが悔しくて情けない。バブルという、誰もが大らかだったうたかたの時代を知るからこそ情けなく思う。

 ということを深く考える私もきっとケチの仲間入りをしている。

 

 ああ、嫌になる。レンタルビデオ屋の会員証の年間更新料が上がった時と同じくらい胸糞が悪い。

 

 逆行、それは私の嫌いな言葉であり概念である。

 なぜ、光射す明るい前方に向かって進めないのだ。こういうことが人類の衰退、果ては絶滅への始まりの合図にでもなっているのであろうか。そう思うと心配だ。

 

 元気出せよ日本。

 日本が沈没を迎えるその瞬間が来るまでは、諸国漫遊の行程で世界のどこにいようとも私は日本を愛し応援しています。