こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

銀座に響く愛のメロディー「銀座の恋の物語」

 「銀座の恋の物語」は1962年公開の日本映画。

 古き良き時代の銀座を舞台に、売れない画家男とお針子娘のラブを描いた物語である。

 

 石原裕次郎と牧村旬子による同名のデュエット曲を発売した翌年に公開した映画である。通称「銀恋」という。

 私はその昔、高齢介護施設のカラオケ大会でレーザーカラオケのディスクを入れ替える仕事をしていた。その時に「銀恋」はお年寄りからたくさんリクエストが入る一曲であった。あとは芦屋雁之助の「娘よ」とかが多かったと記憶している。ちなみに私は裕次郎の曲なら「嵐を呼ぶ男」が好き。

 それにしてもレーザーのようなでかいディスクは扱いに不便であった。我が家には古いカセットカラオケがあるが、最新のカラオケでは楽曲は全部データ化してディスク取替えなんてしなくて良いんだろうな。カラオケ屋にも出入りしないから現在のカラオケがどうなっているのか気になった。この映画から発したことだが、映画と全然関係ないことを考えてしまった。

 

 銀座には一度も行ったことがないが大昔の「銀座屋」、ネオンの街、都電などを見ると、どうゆうわけか郷愁にかられる。あとはどうしようもなく古臭いたこ焼きと焼き芋の手押しの屋台店などもそうである。ああいう屋台で食ってみたいものだ。

 タイムスリップグリコをコレクションしていた過去があるので、昭和のレトロな風景がどうやら私の感覚として気持ちの良いものらしい。

 

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 主演は皆大好き石原裕次郎浅丘ルリ子

 ドラマ「西部警察」のせいでヤバイ奴のイメージが強い裕次郎が、この頃は小僧のような顔をしていて可愛いらしい。

 浅丘ルリ子は「男はつらいよ」のリリー役のイメージが強いため、この作品で可愛らしいウブなねんねの役であったのが意外すぎる。「男はつらいよ」では「あたし達根無し草は泡(あぶく)みたいなもんよ。あってもなくてもなくてもいいもの」みたいな擦れた感じのことを言ってたのに「銀恋」では、男に愛してるって言ってよと迫る女らしさを見せている。というか「男はつらいよ」の時と顔が違ってる。この時は随分若いな。一瞬誰かと想った。

 

 裕次郎演じる若い画家は、人に使われたくないと言って己の腕を磨き夢みる青年。ああいう青臭い感じは嫌いではない。夢破れる厳しさも描かれている。

 裕次郎が仕事で儲けたら、彼女にハンドバックを買う約束をしてるのだが、浅丘ルリ子演じる彼女は壊れて蓋がしまらないハンドバッグを使ってやり過ごしている。これがなんだか健気でちょっと泣ける。

 

 浅丘ルリ子がスタジオで強いライトを浴びた時に、戦争時代の空襲を思い出して怯えるシーンが感慨深い。60年代の青年なら戦争も経験している訳で、華やかな銀座で暮らす中でも痛ましい記憶に苦しめられているのだと分かる。

 

 おしゃれで良いと想ったシーンは、主人公次郎の友人の宮本とその彼女の会話。女がどこかの小説家が言ったという「全ての人間を愛することは誰も愛していないことだ」を口にするととジェリー藤尾演じる宮本は「俺はあいのこだから日本人の言うことは通用しない」と返すやり取りがウィットに富んでいて印象的だった。

 

 ヒロインが車にぶつかって記憶喪失になり姿をくらますのだが、ラブストーリーに記憶喪失症を持ち込むという、ありがちな要素はこんなに昔からあったのだと分かった。

 

 主人公の近所に住んでいるトランペット吹き男の演奏シーンが、序盤、中盤、ラストにまで見られたのが記憶に残った。

 

 銀座の街の景色も手伝ってメロウな雰囲気の素敵な一本となっていた。

 

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 行ったことない街だけど、何だか良い雰囲気に酔いしれた。