こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

それは、可能性の獣らしい「機動戦士ガンダムUC」

 「機動戦士ガンダムUC (ユニコーン)」は2010年から2014年にかけて発売されたOVA作品である。全7話と番外編となるエピソードが1話ある。

 本作はなんと言ってもOVAということで、ガチで気合を入れて作られている。そのためリリースがかなり遅かった。

 

 3話までは、2011年にアニマックスの無料放送で見た。それから後は確かに気にはなったが、発売が遅いので気持ちが離れたのと、あとは色々忙しかったため遂に今まで見ることがなかった。先日BSプレミアムで放送されたガンダム特番で、この「ガンダムUC」の話に触れていたので、「あっ、そういえば途中だ。ちゃんと見ねば!」と想い、1話から通して全話みたのだ。

 3日間かけて昨日の晩に見終わったのだが、全部見終わってから色んな意味で泣けたなぁ……

 完結して4年も経って、やっと見ることが出来た。

 

 正直そこまで期待してはいなかったのだが、この作品、ものすごく良い!

 

 第1話発売が2010年だが、当時でここまでの映像美はなかなか難しいと想える。映像美に関してはガチである。近しい時期にテレビでやっていた「ガンダムOO」だって当時としてはかなり絵が綺麗だったが、作画クオリティはそれよりもかなり上を行っている。

 

 ユニコーンガンダムは文句なしに格好良い。一本角から二本角に変わる二段変形は良い。角一本状態だと「ガンダムEz-8」ぽい。あれも好きだった。

 

 それから、ガンダムの主人公といえば、ちょっと色々アレな奴が多い気がするが、今回の主役のバナージは不良でもなければ、すれた感じもない好青年に描かれ、性格で不快な点はなかった。結構イケメンである。

 

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・内容 

 ストーリーは「逆襲のシャア」から3年後のお話となっている。まさか一年戦争をやっていたあの世界の続編を見ることが出来るとは想わなかった。

 世界を変革すると言われる謎の遺産「ラプラスの箱」を巡って再び連邦軍ネオ・ジオン軍がぶつかる。箱を開く鍵とされるユニコーンガンダムに偶然乗り込むことになった少年バナージ・リンクスは激しい戦いに巻き込まれて行く。

 大筋はこんなところだが、ストーリーは複雑化され、それだけではなく、連邦の中の方でも派閥争い的な黒い企みが展開し、政治的駆け引き面でもなかなか見せてくれるストーリー展開であった。後半に迫るまで「ラプラスの箱」ってのがすごい何かだということしか分からず、「箱」と言われても形も中身もなんだか不明な点には、謎過ぎるゆえに興味を引かれ画面に飲まれていった。

 

 冒頭では遂に西暦が終わり、宇宙世紀元年が到来する記念式典のシーンがある。関係ないけどこれを見て、アナログ放送が終わって地デジ放送に変わったあの瞬間を思い出した。

 

・ミネバにラブ

 ガンダムに乗る主人公は、シリーズでは完全な新顔の少年バナージだが、平和のために奔走するメインヒロインは過去作に出演していたあのミネバであった。ミネバといえば「ガンダムZZ」ではデカイ椅子の端にちょこんと座って「ハマ~ン、ハマ~ン」「シャア」くらいしか言わないてんで使えないただのお飾り党首のガキだったのに、本作では素晴らしいレディに成長している。唇がトゥルントゥルンである。

 先に本作を視聴済みであった私のお兄ちゃんに「UCどうだった?」と聞かれて一番に答えた感想が「とにかくミネバが可愛い」ということだった。大きくなって性格のイメージがかなり変わり、バナージにたまにきついことを言ったりもするが、毅然とし、凛とした感じもするあの設定は良い。

 本編では偽名としてオードリー・バーンと名乗っている。これは完全に映画スターのオードリー・ヘプバーンからとってきているはずだ。作中に「ローマの休日」のあのシーンの映画ポスターが張られていたので、多分あれを見てミネバが思いついた偽名だと想う。お姫様が身分を隠して下界に下りてくるという設定は「ローマの休日」と一緒だしね。ちなみに「ローマの休日」も好きだった。どっちのオードリーも可愛いです。

 

・懐かしの奴らが出ている

 本作はシナリオ的にかなり優れていてそれだけで十分に面白い新作なのだが、追加のお楽しみ要素は過去作のキャラが出てくることにある。過去作のキャラのその後を描き、オールドファンに受ける要素が盛りだくさんであった。

 

 まず「アレ、こいつは…?」となったのが、覆面の戦士フル・フロンタルの存在。声から見た目までシャアなんだけど!と驚いた。あの格好つけた感じがどうゆうわけか鼻にかけたように見えない言動はシャアそのものであった。別人であっても彼を通してシャアを味わえた。仮面は「ガンダムW」のゼクスに寄せていたような気がする。

 

 アムロカミーユジュドーとこれまで多くのガンダム乗りの面倒を見てきたあのブライトさんがここでも登場する。バナージの面倒も見てくれる。声優の鈴置さんはこの時には亡くなっていたので、成田剣に交代していた。違和感無く聞けた。ブライトさんの部屋に恋人みたいにしてアムロの写真が飾ってあった。

 

 憎まれ口がクセになるカイさんに、過去シリーズで作品に華を添える役を果たしたベルトーチカさんも出てくる。カイさんはモニター越しの出演なのだが、斜め45度くらいの格好良く見える角度で登場したのが印象的であった。

 

 ヒロインの一人のマリーダは「プルトゥエルブ」とも呼ばれ、「ガンダムZZ」で登場したエルピー・プルの12体目のクローンである。ここでプルと繋がるか、と本家プルファンとしては嬉しい設定のキャラであった。本家プルを演じた本多知恵子の声を思い出した。好きな声優だったな。

 この懐かしの要素を含んだ新キャラのマリーダは強く美しいまさに戦場の花でかなり好きなキャラだった。例えシステムに飲まれていたとはいえ、彼女を殺してしまったリディは許せん。

 

 最終回でバナージとフル・フロンタルがぶつかりあった時にニュータイプの世界が見えるのだが、そこでララァの思念が見える。ララァとかクソ懐かしい。アムロの声も少し聞こえる。ファンとしてはここには感動した。

 

 モビルスーツにしても懐かしいデザインの進化系が見られた。ザクはもちろんドムなども出てくる。リディが乗った青い百式は個人的に評価が高いメカであった。

 

・人間ドラマに見せられる

 主人公バナージは明確にどっちの勢力につくとかはなく、話しの流れで連邦とネオ・ジオンを行ったりきたりする。どっちにも顔を出したために両軍の人々と関係を結ぶことになる。

 全7話のOVAの割りには登場人物が多く、覚えるのが大変である。魅力的な登場キャラが多く、おじさんキャラに格好良いのや人間的深みがある人物が多い。

  

 バナージを支えてくれたおじさんのダグザさんが格好良すぎる。バナージの胸を指差して、そこが「自分で自分を決められるたった一つの部品だ」という教えを説いてくれた。あれは名セリフだった。シナンジュの攻撃で死ぬ前に敬礼をしていたあのシーンは泣けた。

 ネオ・ジオン側だが、バナージにやさしくしてくれたギルボアさんも良かった。計らずもユニコーンの攻撃によって殺してしまうのが悲しかった。

 この二人のおじさんは後にも思念となりバナージの背中を後押ししてくれる。こういう「気持ちで繋がっている」的な演出は泣ける。

 

 ジオン側の少女パイロットのロニが、でかいモビルスーツで暴れるのを止めるために、バナージはユニコーンで応戦するが、情が邪魔をして「打てません」と言って遂には攻撃できなかった。代わりにリディが倒すのだが、この時ロニが「悲しいね」と言ったところも可哀想で泣けた。

 

 一番良かったところはマリーダとジンネマンの絆の物語。マリーダがジンネマンを「マスター」でなく「お父さん」と呼ぶところは本当に泣けた。ジンネマンが人間臭くてすごい良い。おっさんだけど格好良い。

 この二人には幸せになってほしかったが、マリーダは死んでしまう。マリーダを殺すシナリオには反対だった。

 

 戦争の中で描かれる人間模様は見ごたえがあった。

 

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感想(1件)

 最後も綺麗にまとまっていて、最終回ラストは清々しい気分で見れた。

 これはすごい名作だと想う。死ぬまでにはもう一度見たい。