こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

かっ飛べミニ四駆「爆走兄弟レッツ&ゴー!!」

 「爆走兄弟レッツ&ゴー!!」は1996年1月~12月放送された全51話のテレビアニメ。

 

 本作は一世風靡を起こした玩具「ミニ四駆」のレースを題材にした熱きアニメである。

 それまではミニ四駆よりもRCカーが来ていた気がしたのだが、このアニメの到来によってミニ四駆人気が圧倒的なものとなった。と記憶している。

 

 その昔、私もこのアニメをちょいちょい見ていて、見た目が格好良いということでビクトリーマグナムを親に買ってもらったことがある。

 よく覚えていないけど、とりあえず早い段階で壊しちゃってそれっきり遊んでいなかった。私個人としてはミニ四駆の思い出はその程度なんだけど、それと打って変わって私のお兄ちゃんはどっぷりはまっていた。

 お兄ちゃんは銀色のマシン「レイスティンガー」のボディをを真緑に塗りたくって、えらい数のパーツを買っては取り付けてすごい改造をしていた。彼はそれまでハマっていた釣りの趣味を投げ、釣り道具箱の中を空にしたら次はミニ四駆本体とその他パーツを詰めていた。タミヤで発売したミニ四駆ボックスを買えないヤツは、親父に釣り道具箱をもらってミニ四駆入れがちだったとお兄ちゃんが言っている。今でもお兄ちゃんの部屋には「ビークスパイダー」の箱があって、中にあるマシンも現役で走る。

 

 そしてお兄ちゃんは「レッツ&ゴー!!」のスーファミソフトである「シャイニングスコーピオン」をめっちゃやりこんでいた。私もやっていたけど、リアルでもゲームでもミニ四駆のセッティングが面倒ということであまりハマらなかった。

 尚ミニ四駆用に購入したミニ四駆用ニッカド単三電池は、ミニ四駆に飽きた後にゲームボーイ用に使用し、その後何年も活躍した。この電池は確か500回くらい充電して使えると言われている。多分今でも充電すればいける。

 

 とまぁそんなワケで、色んな思い出があるミニ四駆を題材にしたこのアニメがBDで出ていると知った私は「そういうことなら見てみるか」と想い、クソ暑くて外出が叶わないこの夏を「レッツ&ゴー!!」を見て過ごすことにしたのだ。

 

 久しぶりに見たら思いの外面白かったので感想を書いていこうと想う。

 

          爆走兄弟レッツ&ゴー テーマソングコレクションPLUS!!

 

 

・内容

 ミニ四駆開発の権威土屋博士に「セイバー」というミニ四駆をもらった星馬烈、星馬豪の兄弟は、マシンを育てるために数々のレースに参加する。星馬兄弟以外にもセイバーをもらったライバルミニ四駆レーサーも登場し、バトルを繰り返しては各選手がミニ四駆レースの高みへと登ってゆく。速さを追い求める世界で、ライバル達が時にぶつかり、時には強力して友情を育むドラマティックな展開がなされた。

 ガキ向けアニメと想いきや、はっきり言ってすごい面白い。

 

・全体的な感想

 星馬兄弟を中心にして様々なミニ四駆レーサーが登場し、各人物それぞれが色んなマシンを持っている。まず作品の魅力はこのマシンのデザインにある。普通に格好いいので、これは見ている子供達が欲しくなるわけだ。どのマシンも外れがないデザインだと想う。模型屋の娘のジュンちゃんのワイルドホームランというマシンだけは何か規格外だったけど。  

 私はマグナムのデザインが好きで、進化したビクトリーマグナム、サイクロンマグナムも好きだった。そう言えば私のお兄ちゃんはソニック派だった。

  

 タイヤの種類やモーターの種類、それにローラーなどのパーツを上手いこと組み合わてレースを有利にさせることが重要だとされ、ただの玩具と思いきやセッティングするにも確かな根拠をもってなされることから意外にも深い世界だと想った。

 

 ミニ四駆には春夏秋冬4つのレースがあり、各レースの三位までの入賞者が最後のグレートジャパンカップに出場し、日本一を決定する流れとなる。何気に一番最初のレースで星馬兄弟は失格になって、まこと君というめっちゃ普通のメガネ少年が優勝しているのが面白かった。

 レースではミニ四駆を走らせたらレーサーもコース脇を走らないといけない。体力が無いとミニ四駆レーサーはきついと想った。

 

 大会レースは先の読めない意外な展開が成され、壁を走るマシンもいるし、車体を傾けての片輪走行なども見られた。

 マグナムが空中で回転しながら進む「マグナムトルネード」は衝撃的だった。

 一番印象的なレースは二郎丸のマシンにレイスティンガーの槍が刺さったまま抜けなくてそのまま二郎丸が優秀したレースだった。それにしても二郎丸が兄の鷹羽リョウ大好きなブラコンすぎるし、豪のことを「ウンコ野郎」と呼ぶのは口が悪すぎる。今のアニメなら友達をウンコ呼ばわりするのはNGだと想う。

 

 各レースを最高に盛り上げるファイターの実況も聴きごたえがあった。アニメ「キャプテン翼」でも試合実況が盛り上げ役を行っていたように「レッツ&ゴー」でも実況は作品の盛り上げ要素となっていた。

 

・キャラクターについて

 主人公の烈と豪の兄弟のキャラデザは印象に残る物で秀逸だと想う。かなり年月が立ってもこの二人の見た目はインパクトがあるので覚えていた。

 キャラクターでは三国藤吉が特にインパクトがあり、久しぶりに見て結構忘れていたがコイツだけはしっかり覚えていた。一人称が「ワテ」で、語尾が「~ゲス」、そして何かとコスプレしがちという設定ありすぎなキャラだった。

 

 少ない女性キャラのジュンとたまみ先生が可愛かった。

 ジュンと野球をした時に豪がマグナムトルネードを思いつくのだが、あの時のジュンの投げた球って「MAJOR」の吾郎くんと同じジャイロ回転のかかった球じゃないの?と想った。ミニ四駆戦績ではクソだったけど、野球ならスゴイ子らしい。

 ファイターが恋する豪の担任のたまみ先生は、可愛いし、なかなかおっぱいがある。たまみ先生は、ミニ四駆ばかりで勉強をしない豪からマグナムを取り上げるが、その後には子供の流行りを理解しようと想って自分もミニ四駆を用意して豪と勝負する。頭から否定せずに子供の心を理解しようとする良き教育者だった。

 後は藤吉の妹のチイコも何か可愛かった。大好きな烈様以外は兄も含めて基本無視の姿勢を取るのが面白かった。  

 

 

・黒沢という男

 黒沢は土屋博士にセイバーをもらったレーサーの中で星馬兄弟と最初に戦ったというポジションだったが、「親の都合で外国に行った」とファイターによって告げられ途中から出てこなくなった。「降板したのかよ」と思ったら中盤からまた出てきたので良かった。

 個人的に黒沢がかなり好きだった。マシンにノコギリを仕込んだり、トゲ付きタイヤで相手をパンクさせたりとかなりクソ野郎なことをしていたのだが、同じくミニ四駆の破壊を楽しむ沖田カイの「ビークスパイダー」を相手に星馬兄弟と共に戦う内に純粋なレースに目覚めて全うなヤツになる。乱暴なヤツと思えば、カイにマシンを壊された友達を想って仇討ちに出かけるという優しい一面も見せた。マシンの手入れは入念に行い、雪道用のスタッドレスタイヤを作る時には職人技の手付きを見せた。実はすごい手先が器用なキャラ。

 土屋博士にセイバーをもらった者は後にニューマシンを手にしているが、黒沢はずっと最初にもらったブラックセイバーで頑張っていたので格好良い。

 ブラックセイバーをちょっとカスタムしてきて「ブラックセイバーCBだ。カムバックの略だ」と言っていたあたり、やはり一時は外国にいので英語が身についている。

 

・破壊目的のバトルレース

 最初は純粋にミニ四駆の速さを競うレースが行われたが中盤で星馬兄弟は、アメリカから帰ってきた黒沢から「世界では相手のマシンを壊すことで勝利するバトルレースが主流」という情報を得る。それからはバトルレースの大会に出る流れになる。

 

 バトルレーサーの沖田カイの活躍もあり、やがて黒沢情報の通り日本でもバトルレースが流行るようになる。大神博士の研究所にいる三人のレーサーと三台のマシンがブームの後押しする中、星馬兄弟は純粋なスピードレースこそ真のレースであり、マシンの破壊を目的とするバトルレースは間違っていると言って大神博士に対抗する。中盤から最終回までは大神博士を打倒する戦いが展開される。

 黒沢の言う通り当時は世界でバトルレースなんてのが流行ったのかは定かではないが、かなり過激な展開になってきた。

 

 沖田カイのマシン「ビークスパイダー」は空気の刃を発生させて相手のマシンを切り裂くなんてことをするし、近藤ゲンの「ブロッケンG」はマシンの重さを利用して相手マシンにのしかかって潰す。そして土方レイの「レイスティンガー」はフロントに仕込んだ槍で相手のマシンを刺し壊す。三台ともかなり恐ろしい強敵となった。

 特に「ブロッケンG」のパワーがデタラメすぎた。コースを突き破ってショートカットしたり、地面を潜ったり、大神研究所の壁も突き破るというヤバイパフォーマンスを見せてくれた。

 レイスティンガーがビクトリーマグナムを破壊するシーンが凄惨なもので「ここまでやる?」という出来だった。

 

 三台のマシンの持ち主の三人もなかなか印象的な見た目をしていて、沖田カイは手がサイボーグになっているし、ゲンは常に飴を舐めている。レイは中性的な見た目で男か女か分からない。大神博士もスカウターをはめたハゲというキャラデザで、まるでフリーザ星のサイヤ人を見ているかのようだ。

 

 星馬兄弟や他のレーサーとの戦いを通じて、最後には悪のレーサー三人も純粋なスピードを競うクリーンなレースの素晴らしさに目覚める。良い話だったぜ。

 

 ・伝説のマシン「シャイニングスコーピオン」

 シャイニングスコーピオンはゲームではオリジナルキャラの主人公マシンとして登場する。このゲームをお兄ちゃんがやりまくっていたので、走行中に青→紫→ピンク→赤と色が変わるこのマシンがすごい好きだった。

 このマシンは、セイバーマシンよりも十年前に鉄心先生が開発したミニ四駆としてアニメにも出てくる。そして子供の頃のミニ四駆ファイターが鉄心先生からもらっていたということであった。ゲームだけのマシンと想っていたらアニメでも走っていたのが見れたので懐かしくて嬉しかったぜ。

 ちなみに私はゲームのシャイニングスコーピオンを最後までやっていないのだが、お兄ちゃんから言わせるとかなり面白いらしい。

 

 

 

 ミニ四駆を走らせる時は安全な場所でね!

 

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