「夢戦士ウイングマン」は1984年~1985年にかけて放送した全47話のテレビアニメ。
桂正和原作漫画のアニメ化作品で、内容はヒーローものと学園ラブコメをあわせた楽しいものとなっている。これの漫画本を近所の古本屋でよく見かけたものである。
この度めでたくBD化したので見てみた。
内容
主人公広野健太はヒーローオタクの中学生。自作のヒーローコスを着て、学校でヒーローごっこをするかなり愉快な主人公である。
ある日、異次元人のヒロインアオイが空から落っこちてくる。
アオイが持っていた「ドリムノート」に、健太が考えたヒーローウイングマンを書き込むと、なんと健太は絵に描いたヒーローに変身できるようになる。ドリムノートには書いたことが現実になるという不思議な力が宿っていて、その後もウイングマンのサポートメカなどを健太が考えて描き込むことで現実化していく。
アオイが逃げ出して来た異次元都市ポドリムスは悪の王リメルに支配され、リメルは三次元の侵略とアオイのドリムノートの奪還を狙っている。
健太はウイングマンに変身してポドリムスからやってくる刺客と渡り合う。
ポドリムスを平和にするまでアオイと健太は同じ家で暮らす。アオイの使うディメンションパワーは人の記憶のコントロールも可能にするので、従姉妹という設定で健太の両親も納得させ、健太の学校にも転校してくる。
ヒーローウイングマンと学生、健太は二足の草鞋を履くことで忙しい青春の日々を過ごす。
感想
ドリムノートに描くことで後からでもウイングマンの能力が追加できるのシステムは夢がある。バイクや武器も登場する。ドリムノートは、夢ある明るい「デスノート」といった感じ。
特撮好きとして気になるのは健太の部屋。「仮面ライダーV3」「宇宙刑事シリーズ」「超電子バイオマン」のポスターが張ってある。劇中のセリフでもバイオマン、ゴーグルファイブなどの戦隊ヒーローの名前が登場する。
関係ないけど、バイオマンでは5人中2人がヒロインというおいしい設定がなされていて、男子的にはムフフな作品だったと思い出した。
ヒロインアオイとの出会いについては、ビキニのヒロインが急に空から降ってきてのボーイ・ミーツ・ガール展開ということで、男子ならだいたい好きなやつだと思った。
アオイの方が健太よりも背が高い。中盤で判明するが、アオイは16歳なのに対し、健太は14歳の中学生。お互い知らずに同じ年として同じクラスに日々通っている。
アオイがなかなかのお転婆で、健太のことは「健坊」と呼ぶし、健太がバカをすれば「パータレ」と言う。実際に年上なので、やはりお姉さん感が強い。お姉さん感のあるヒロイン、これは強い要素だった。
健太の家では二人同じ部屋で寝ているが、ポドリムス人は寝ると自然に浮くということで、同じ部屋で寝ているようで何か違う感じがする。
ツインヒロイン制を取る作品で、異次元人のアオイともう一人は健太の通う仲額中学の同級生の小川美紅。小柄ながらも新体操が出来るというスペック高き女子。
「~するの良くないと思う」というのが口癖。優しくて可愛いヒロイン。
可愛い美紅ちゃんの声を演じるのは渡辺菜生子。この人の声は可愛いのだけど、「ちびまる子ちゃん」のたまちゃんと「ドラゴンボール」のプーアルの声のイメージがあまりにも強すぎて正統派でメインのヒロインボイスをしているのが意外。
それにしても皆が通う学校の名前が「仲額中学」とは、音がかぶっていてコミカル。
印象的なのは、敵組織の方では広野健太がウイングマンだと早々に分かっていること。敵のキータクラーは北倉先生として健太の学校に潜り込むし、他にも生徒として乗り込んでくるものもいた。敵の方では情報を掴んで動いているのに、健太とアオイはずっと襲撃に気づかないが何とかやり過ごす。正義のヒーロの正体が早々に敵にバレ、こっちは一つも敵のことが分からないというパターンは珍しいと想った。そんな中で健太はよくやってると思う。
キータクラーが変身した姿の北倉先生に恋する女性教師の松岡先生が好きだった。健太がバカをすれば元気に叱る。落ち着いた女性役をするイメージの強い島本須美が気の強い元気な先生をするのは良かったと思う。
お色気とコメディ色が強く、主人公健太もかなりちゃらんぽらんで面白い。健太の声が「ドラゴンボール」でベジータをやった人と同じとは想えない。
途中で脇役だったヒロイン二人を準レギュに格上げし、変身能力も持たせ、アオイと美紅と合わせて4人で「ウイングガールズ」を結成させるという戦隊感を出した流れも好きだった。
それから山中のりまさの歌うED曲「WING LOVE」は昔からiPodで聞いていたが、改めて聞いてもやはり良い歌だと思う。
いつかはなりたい君だけのヒーロー。うん、良い心がけ。
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