「鴉 -KARAS-」は2005年5月~2007年10月にかけて発売された全6話のOVA。
約30分が6話のみだがリリース期間が長い。
最初は1ヶ月に1巻ずつだして半年で完結っていう予定だったのだが、3話まで作ったらその続きが1年9ヶ月後まで飛んだ。
発売遅れまくりだが、それでも最後までちゃんと出したのは偉い。
テレビ放送ものはもちろん、稀にOVAでも打ち切り、お蔵入りなんかがあるから、長いこと待たせても世に出したのは偉い。
そんな本作は、タツノコプロ40周年記念作品として製作された。
「タツノコ」とか「サンライズ」なんかのアニメは人生の合間合間でよく世話になってるからな。この会社にも感謝だ。
このアニメはタツノコの本気と書いてマジが詰まった意欲作であった。
2005年当時としてはなかなか鮮明なCGアニメが使われている。
正義のヒーローである鴉とその敵が戦うバトルシーンの迫力はとにかくスゴイ。とにかくこの作品の印象はこの点にある。ストーリーとかはぶっちゃけどうでも良くて、それよりも注目すべきはこっちである。
バトルシーンでは技の手数が多くて、多彩な戦闘スタイルを取るので面白い。
物語は東京の街を舞台に展開される。街では人と、人成らざる妖怪連中が共存している。異なる種族の二つの世界は微妙なバランスで均衡が取られていた。しかしそれに揺らぎが生じ、化物共が人を襲っては殺し、最後には人間界を征服しにかかる。それを止める正義のヒーロー的存在が鴉である。そんな鴉の活躍を描くという話。
ストーリーの方はちょっとわかりづらい感もあった。「ゆりね」とか何とかいう専門用語もちらちらあってそこらヘンの詳しいことは分かりにくいかも。でも普通に楽しめるアニメだと思う。
鴉がああして格好良いビジュアルで、キャラ絵もああいう絵柄なのに和風な「妖怪」というワードが上がるのに最初は違和感があった。
河童や輪入道といったメジャーな妖怪が出てくるが、「鬼太郎」で慣れたあの感じではない。名前だけは妖怪だが、ボディは機械だしCGアニメなので妖怪なのに妖怪感がないなという印象を受けた。
鴉に変身する主人公が無口だが、妖怪の仲間の鵺(ぬえ)というおしゃれなお兄さんが結構喋ってくれるので安心する。随分都会的な感じがするのが鵺で、演じるのが藤原啓治ということもあって安心感がある。
最後らへんでは東京の街全体が巨大な触手で覆われ、この世の終わりみたいに規模のデカイ戦いになる。先日テレビ放送していた「東京喰種:re」でもコレと同じようなことが起きていたと思い出す。
40年頑張ったタツノコのの本気を見せてもらった作品であった。
スポンサードリンク