こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

妖しげで危険で美しい「妖獣都市」

「妖獣都市」は1987年公開の劇場版アニメ。

 小説を原作とし、実写化もしている作品である。

 

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内容

 人間界と魔界、異なる二つの世界の住人はそれまで争いもしたが、ひとまず休戦することとなる。

 そのためには両界で平和条約を結ぶ必要がある。

 

 主人公の滝蓮三郎は、表向きは電気関係の会社に務める会社員。25歳独身で月給は23万円。そんな彼の本業は、魔界からやってくる化け物から要人を警護をする「闇ガード」であった。

 

 滝は、平和条約調印のために日本にやって来た要人ジュゼッペ・マイヤートの護衛につく。そして闇ガードという職業は魔界にもあり、魔界側の闇ガード麻紀絵もまたジュセッペの護衛につく。

 

 魔界側には、人間との共存を望まず、あくまで人間を食い殺そうとする勢力もある。そいつらがジュセッペを襲って来るので、滝と麻紀絵は必死に護衛する。

 

 二つの種族の共存という大きな目標のために主人公達が奔走する姿が描かれる。

 

感想

 作品は面白い。約30年前の作品だが絵も綺麗。

 全編通して何とも怪しげなる空気感を醸し出している作品だと想う。暗い感じが漂う独特の世界観がまた良い。

 

 バイオレンス、エロス、ガンアクション、そして最後には男と女のラブ、といった具合にドラマティックな要素を詰め込んだ素敵な作品となっている。

 

 エロスシーンは過激。18禁的シーンもある。女性の乳首はちゃんと見える。

 ヒロインの麻紀絵が複数人によって陵辱されるシーンとかは特にそう。他にはエロとバイオレンスの定番である触手攻めシーンもある。そんなドキリとするシーンもたくさんあるが、作品性を現す上で邪魔はしないので、あって良い要素だったと思う。

 

 しょっぱなからアダルティなシーンが展開するのが衝撃的だった。

 滝がクラブの女の子を口説いて寝るのだが、そいつの正体が実は魔界の蜘蛛女。

 妖獣の中には女性もいるが、彼女らはいずれも美しく、そして淫靡。見れば分かる。

 ソープ嬢に化けておっぱいから人を体内に取り込むメス妖獣もいた。

 腹が裂けて、そこから人を飲もうとするメス妖獣もいた。その裂けた腹が女性器にも見えるので淫靡極まりなかった。

 

 妖獣のメスは、人間の男と性行為をして生気を吸い取ってしまう。そして妖獣のメスとの性行為では恐ろしい程の快楽を得ることが出来るらしい。ということがジュセッペ爺さんの口から語られる。

 

 敵の妖獣はいずれもデザインがグロテスク。敵のキモさやグロさから「強殖装甲ガイバー」や「戦え!!イクサー1」の敵キャラを思い出した。80年代後半から90年代初期くらいにはOVAとか映画でグロを描く作品が結構あったような気がする。妖獣都市の敵キャラのグロさは嫌いではない。

 

 滝、麻紀絵、ジュセッペの三人を中心にシリアスでバイオレンスな話が展開するが、そこでジュセッペ爺さんのスケベぶりが良く目立つ。この爺さんがかなり面白いキャラだった。 

 ホテルの部屋につけば、雑誌を見て日本のキャバクラやソープランドに行きたいとか言い始めるスケベっぷりで、麻紀絵のケツも触っていた。とても要人と思えぬスケベな言動が面白かった。最終的にはホテルを抜け出してソープランドに行ってた。

 ジュセッペは一応は魔道士、後半では唯のスケベジジイではない高い戦闘能力を見せた。

 

 最後のオチでは護衛されていたのはジュセッペではなく、滝と麻紀絵がジュセッペから護衛されていたのだと設定がひっくり返る。これは意外。

 

 クールな滝が意外にもロマンチストで女に優しいので安心した。

 最初は黒のスーツでビシッと決めていた麻紀絵が後半では白い衣装を着る。白と黒、両方着こなせるヒロインだった。

 

 戦いの中で苦楽を共にした滝と麻紀絵が、愛で結ばれることで二つの世界の平和を象徴するカギとなったラストは愛で溢れた素敵なものだった。

 

 永井一郎演じるジュセッペの顔は「スターウォーズ」のマスター・ヨーダとか「らんま1/2」の八宝斎に似ている。思えばどの役も全部永井一郎が演じている。そういえば「クレヨンしんちゃん」では、ヨーダ似の居酒屋マスター「マスターヨダ」もやってたな。数年前に亡くなってしまった永井一郎のスケベ声を久しぶりに聞いて懐かしくなった。

 麻紀絵を演じた藤田淑子も去年の12月に亡くなり、魔界側のボスの青野武もかなり前に亡くなっている。30年も前の作品となれば、出演者にはお亡くなりの方も多い。

 クールビューティーなヒロイン麻紀絵を演じた藤田淑子の低い声は好きだった。少年をやるイメージが強い方で、彼女が演じた役で一番良かったのは「ロミオの青い空」のアルフレドだった。女性だけどイケメン声をしてるんだよな。

 滝を演じた屋良有作は「キテレツ大百科」でキテレツのパパを演じていて、キテレツは藤田淑子が演じたから、主演二人には思わぬ繋がりがあるなと気づいた。親子役もやれば、カップル役も演じたわけだ。

 

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 昔見た「獣兵衛忍風帖」とも雰囲気の似通った作品だったので、好きな人はどっちも見ると良い。

 

 

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