こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

砦の乙女達の戦い「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」

ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」は2010年1月~3月にかけて放送したテレビアニメ。

 テレビ放送12話+OVAが2話の全14話。

 原作無しのオリジナルアニメーション。

 

 この作品は当時の我が家では映らなくて、その代わりDVDのCMだけは見たことがあった。その際には一緒にそれを見ていた私の妹が「絵が『けいおん!』みたい」と言っていた。皆大好きな「けいおん!」とキャラ絵が似ていれば気にもなる。そんなことをつい最近思い出して、あれから9年も経った今年になって初視聴した。こいつがなかなか趣ある作品であった。

 

 ネットで検索をかけたら、タイトルが似ていて本作とは近しい時期に放送していた愉快なパンツアニメ「そらのおとしもの」も一緒に引っかかりがち。

 

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 独特の世界観を持つ不思議な作品だった。

 作中世界では戦争が絶えず、地球は砂漠化が進んで人の住める地域が少なくなり、遂には海がなくなっている。

 主人公カナタが配属された先の小隊は、戦争地域から遠く離れたかなり平和な地にある砦で軍務に当たっている。砦の隊員は美少女がたった5人。

 荒廃とした世界設定が敷かれていながら、ボロイ砦、洋風でいて田舎的風景広がる街を舞台に少女達の癒やしのストーリーが展開する。街の人々の交流や、女子隊員同士でわちゃわちゃするので、半分くらいは日常ものとしても見れる。そして時には涙ありの展開、戦争を扱うだけにハッとしてしまうシリアス展開も後に訪れることとなる。

 基本は癒やし系作品なのだが、隊員の美少女達のトラウマ的な重い過去が明かされたり、戦争の恐怖を描いた回もあるので、なかなかギャップのある作品だと想う。

 

 主人公達の勤める地はかなり田舎で、砦のホットラインが黒電話のみ、兵隊の基地なのに兵器は壊れて修理中の戦車一台だけ。隊員の中には電話を使ったことがないと言う者までいるくらいだから、文明的にあまり進んでない世界設定なのかと最初は想った。しかし、隊長のフィリシアが「遠足」と偽って隊員達にデスマーチをさせた回では、オーバーテクノロジーと言えよう代物の建築物が出てきたりもする。後半で修理が完成した戦車「タケミカヅチ」なんかは近未来的な兵器で、「攻殻機動隊」のタチコマのもっと強いバージョンみたいになっていた。タケミカヅチにはキャタピラでなく足が生えていて、壁を登ったりも出来る。歪にしてナイスなメカデザインだった。

 

 ヒロイン5人は各種属性 揃い踏みで皆美少女。可愛いので目の保養となる。

 主人公カナタは、幼い頃に会った女性兵士がトランペットを吹いていたことに憧れ、トランペットを吹きたいというぼや~とした動機で軍に入ってくる。不思議な設定と言えば、15歳でチビのカナタが軍務につけることだけど。同僚のクレハは最年少14歳の設定。残りも10代女子で最年長の隊長が18歳ということになっている。

 カナタ自身の成長と共に、トランペット奏者としての腕前が磨かれる過程も描かれる。最初は素人が聞いても明らかに下手くそな音を響かせ、街の婆さんやガキ、同僚のクレハにも「へたくそ」とディスられていた。そんなカナタだが、ラストでは停戦の合図として名曲「アメイジング・グレイス」を見事演奏してみせる。あのシーンは良かった。トランペットがキーアイテムとなるアニメである。

 

 個人的に泣きそうになったエピソードは山に暮らすジャコット婆さんのエピソード。戦争でいつ帰るかも分からぬ息子と旦那のために一人で家を建てようとする話にほろりと来る。たまに泣ける話を放り込んでくるから油断ならない。ジャコット婆さんは最後には雪山に消えてしまうが、生死はどうなったのか謎のままであった。どうなったんだろうか。

 

 主人公カナタは、旧芸名「相川寿里」から改名ほやほや時分の金元寿子が演じた。この時はブレイク前の新人も新人時代なので、縁起が何とも初々しい。カナタの声が可愛い。映像特典のイベント映像を見ると、カナタと同じく金元もトランペット演奏に挑戦している。失敗しながらも一生懸命吹く姿はつい応援したくなるものだった。新人でコレをやるとかド緊張だったろうなって想った。

 ノエルを演じた悠木碧もこの時分にはまだブレイク前で今程名が上がってなかったはず。せっかく悠木碧なのに、ノエルは無口キャラで、喋ってもボソボソ喋りなので、悠木ボイスの真髄を楽しみきれない。まぁ好きなキャラではあるけどね。そんな感じで、ここ二人に関してはかなりフレッシュな芝居が見れた。

 フィリシアを演じた遠藤綾の声、ホントエロいわ。この人の声は癒やし系だけど、しっかりエロいから何かお得。

 砦の乙女で一番好きなのがリオ。小林ゆうが演じている。小林ゆうって男の子か、変人女をやる印象がどうしても強いから、美少女にしっくりこない感じだったのだが、このリオはすごく良かった。強くて頼れるお姉さんキャラで良かった。個人的に、小林ゆう史上一番良い芝居で、一番良いキャラがリオかもしれない。

 クレハを演じた喜多村英梨は安定のツンデレ萌えボイスだった。

 小林と喜多村はイベントでは盛り上げ役でいい味出していた。お絵かき対決の小林ゆうの絵がキモ面白かった。この人の絵、はっきり言ってヤバイ。

 

 女性キャラが多い中で存在感を出していたオッサンのクラウスさんは昨年お亡くなりになった石塚運昇が演じていた。彼の声はやはり良い。

 

 

 

 

 神話的なバック映像と共に流れるKalafinaのOP曲。戸松遥のEDが曲も良かった。

 OPアニメのヒロイン5人が尻を向けている所が良い。

 

光の旋律

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  • provided courtesy of iTunes
Girls, Be Ambitious.

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 癒やしあり、笑いあり涙あり、シリアスもありで色々楽しめる良作だと想う。何でこれのBD-BOX出ないんだろう。

 

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