こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

くんちゃんはお兄ちゃんになる「未来のミライ」

未来のミライ」は2018年7月に公開された劇場アニメ。

 

未来のミライ

 

 あの細田監督作品ということでとりあえず見るわな。

 細田作品はとりあえずヒロインが可愛いんだよね。

 先にAmazonで感想を見ると、まぁまぁ悪口を叩かれている。でも海外では良い評価を受けているとも聞く。前評判は色々あるようだが、私は大衆の美的感覚を信じない。作品が良いのかクソなのか、それは私自信が決める。私の尊敬する男【張五飛(チャンウーフェイ)】の口にした「正義は俺が決める!」の言葉を胸に、己で見て、そして感想をまとめようと思った。

 

 BDが出たので綺麗な映像で見た。

 

内容

 とある明るい家庭に第二子の女の子未来ちゃんが産まれる。まだガキの主人公の男の子くんちゃんは、ガキながらも親に可愛がられる妹に嫉妬する。どこの家庭でもこれってあるあるらしい。

 そんなくんちゃんが庭で遊んでいると突然謎空間に潜り込み、そこで色んな奴らと会う。人化したくんちゃんの家の犬、未来の妹、未来の自分、ガキの頃のお母さん、若かった頃のひいじいちゃんに会う。

 時の迷い子となったくんちゃんが、時を歩いてほんのちょっぴり成長するっていうハートフルなストーリーだった。

 

感想

 まず思うのが、建築家のくんちゃんパパプロデュースの家。なにこの変な家。移動が疲れそう。とりあえずくんちゃんは富裕層の子だと分かる。金かかってそうだもんなぁ。 

 くんちゃんのお母さんは編集のお仕事をしている。他にも産休を取る人がいて、現場が忙しくなるから自分の産休を早めに引き揚げて現場復帰する。たくましい女性だなと思う。くんちゃんのお母さんは美人で良い女。お母さんがたまにポニテにするのが萌えた。 

 お母さんが現場復帰した後、お父さんが家でイクメンをするのだが、結構ドジで不慣れ。これを見て映画「クレイマー・クレイマー」を思い出した。職業人の男でも、せめてフレト(フレンチトースト)くらいは出来なきゃダメと教わったのが「クレイマー・クレイマー」という名作である。

 お父さんが未来ちゃんに哺乳瓶でミルクを上げる時、ビビって「新生児怖い」と言うのが個人的に胸に響いたワードだった。確かに赤ん坊って抱いたらどこか壊れたり、まさか死んだりしないだろうなってビビっちゃうくらい弱々しいんだよな。

 最初は未来ちゃんを抱っこしても泣かれてしまうのだが、後半では未来ちゃんもお父さんに安心を覚えて抱っこしても泣かなくなる。これにちょっと感動しているお父さんが可愛い。結構ポンコツなお父さんと思ったがいいヤツ。

 

 くんちゃんを見てイライラする人は多かったと思う。私もちょっとイラっと来たが、子供を持つ妹の家庭にお邪魔してみると、ホントにこれ通りで子供が面倒臭かったので耐性がある。

 実際に二人目が出来ると一人目が母に甘えて、嫉妬して面倒なのを見たことがある。独り者の多い今の日本では共感を生むのが難しいかもしれないが、くんちゃんが「好きくない」を連発してダダをこねるあの感じは結構リアル。子供には道理とか行動の理屈なんてのがあってないようなもの。すぐに機嫌を損ね、またそこからの回復もすぐに行ったりする。はっきり言って訳わからん。男の子はだいたい新幹線が好きっていうあるあるも含んだ作品だった。お母さんの早めの現場復帰の流れとかも今ではあるあるかもしれない。ファンタジーを前面に出しておいて、その実意外と社会派アニメだったかもしれない。

 ただ、可愛い妹を新幹線で殴るというくんちゃんのパワープレイだけは許してはいけない。私なんかは妹を大変可愛がっていたので、こんなことをする兄には嫌悪感を抱かずにはいられない。

 

 キーパーソンである未来の未来ちゃんが可愛い。登場時は学校の制服ってのが良い。ちゃんと冬用、夏用両パターンで登場する。

 くんちゃんにさっさとお雛様をしまわすために未来ちゃんが取った策「はちゲーム」の最初の踊りが可愛かった。はちゲームってのは、要はコショコショなんだけど、ここでくんちゃんがくすぐられるのが気持ち良い男の子だと分かる。くんちゃんがはちゲームのおかわりを要求してくるのは、子供だからセーフだけど、もうちょと大きくなってからだと変態臭く思える。ちなみに私も全身感じやすく、くすぐられるとマジで耐えられない。けれど、くすぐりが気持ち良いと思ったことはない。

 未来ちゃんに新幹線で殴るなと言われて「違うもん。スーパーあずさだもん」って返すのはちょっと笑えた。くんちゃんも新幹線に詳しいな。

 

 くんちゃんのひいじいちゃんがひいばあちゃんとカケッコをして、ひいじいちゃんが勝ったら嫁にもらうっていう賭けをした恋バナがちょっと萌えだったな。ひいじいちゃんを福山雅治が演じていて良い声だった。ちなみに私、福山雅治のモノマネが出来ます。

 

 くんちゃんが子供の頃のお母さんと会った時、お母さんから散らかしの美学を学ぶ。おもちゃで遊ぶなら散らかした方が面白い、おやつは散らかして食べた方が美味しい。子供のお母さんは幼くしてそんな美学を心得ている。後には夫を尻に敷く強かな乙女になっている。このお母さんはやっぱり好きなキャラだった。現代の女はこれくらいガッツがあった方が良い。

 

 ちょいちょい挟まれる過去や未来の家族のエピソードが面白かった。

 

 後半の駅のシーンではSF的な世界観になる。「999」好きなのでこういう電車とか新幹線だらけなのも悪くない。

 

 今ある現実の家族関係ってのは、もしこうだったなら、もしこうでなかったら、という「もし」の連続で出来ている素晴らしき奇跡だということを伝えた作品だと思った。家族ってスバラ!(すばらしい)

 上記のようなことを未来の未来ちゃんが言った時はちょっとウルっと来た。小さな偶然が未来を生むんだよなぁ。

 

 最後には黄色いズボンでないとお出かけしないとわがままを言っていたくんちゃんが、青いズボンでも我慢することを覚える。くんちゃんが少しだけお兄ちゃんになって終わる。

 てか、くんちゃんの本名って何だったんだろう。

 

 絵は綺麗で、キャラ絵も可愛い。田舎の風景を描いたところは一番綺麗だった。個人的には退屈せずに見れて、あっという間に終わった感じだった。

 

 あとはヤマタツ山下達郎)の歌が良い。声が格好良い。

 

 賛否両論あったらしいが、面白い所もしっかりある良い作品だったと思う。

 

 

 今日があの時の未来ってね。

 

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