「機動戦士ガンダムUC RE:0096」は、2016年4月から9月まで放送された全22話のテレビアニメ。
全7話の名作OVA「機動戦士ガンダムUC」をテレビアニメ用に再構成したものである。
これを放送していたことは知っていたけど、私は放送当時に完結していたOVAの第3話を見た段階で止まっていた。OVAを見てないのにこっちを見るのも何だかなと想ってチャンネルを合わせないでいた。で、オリジナルであるOVAを最終話まで見たのが今から半年くらい前の話である。
今年に入ってUCのBD-BOXが発売され、それにはOVA版とTV版がセットで収録されていた。というわけで、今になって初めてTV版を見た。OVAのUCが2010年~2014年にかけて発売され、TV版が20016年放送でもう三年も前だ。時の流れは速い。
改めて楽しんだガンダムUCの感想をつらつらと書いて行こう。
テレビ用フォーマットで見たUC二周目だが、やっぱり良い。感動した。
また同じことを思うけど、ストーリー構成も良いし、キャラも良い。そしてなにより絵がすごい!作画が鬼がかっている。ガンダムや他の機体も線が多いし、色の明度や発色もすごい。昭和の淡い色のアニメで慣れていたら、これを見てひっくり返ると思う。
これだけの物だもの。7話を作るのに5年もかかるわけだ。
やっぱり良いのがヒロインね。
ミネバとマリーダのツインヒロインが最強すぎる。
マリーダの人気がすごくて、それは演じた甲斐田裕子の力も大きいとコメンタリーで言ってた。まじでその通りだと思う。完全にイケメン女の声なんだよなぁ。好きだわぁ。
今想うと、ミネバが着ている紫のローブはハマーン様のと似てるなぁ。ハマーンの背中だって見ているはずだから、ああして毅然とした強い女になったのかなとか考察してみた。
TV版を見て新たに好きになったのが浅黒いヒロインのロニ。ララァとかフォウ・ムラサメのポジションキャラだったかもしれない。
ロニの「バナージ、悲しいね」のセリフが忘れられない。
UCをはオッサンキャラが格好良いんだよなぁ~。ダグザさん、ギルボアさん、オットー艦長、そしてジンネマン。皆強面だったり、ダグザさんなんかは殺し屋臭もするんだけど、それでも誠実な大人で父性があるんだよな。特にジンネマンは父性の権化。ジンネマンとマリーダの親子愛にはまた泣かされた。
ダグザさんの歯車の意地論は改めて聞いても胸に刺さる。こういう上司がいれば良いと想う。怖いけど。
TV版を見てからはオットー艦長が好きになった。
いつもはうだつが上がらない感じのオットー艦長が、アンジェロに銃を突きつけられても「お前らテロリストには従わん」と啖呵を切るシーンは格好良かった。それを聞いた部下が小さくガッツポーズを取るのも良かった。
この世には、年齢、男女、種族を問わず卑怯な奴が腐る程いる。戦争という汚れた世界に生きながらも、精神を清潔に保っているこれらのキャラクターはマジで素敵。こういう良い大人達が若いバナージを育て導くプロセスも素敵。
この鬼がかったクオリティが日曜朝7時に見れたわけだ。そりゃテレビ版のキャッチコピー「君の中の可能性(ニュータイプ)が目を覚ます!」の通り眠い目も覚めるというもの。ちょっと前の日曜朝7時アニメといえば「かいけつゾロリ」とか「クラッシュギア」を流していたんだから、それらと比べるとUCはかなり贅沢。まぁ先に上げた2作も好きだけどね。
テレビ版の新しい要素は毎話アバンにナレーションが入ること。これを池田秀一が読み、キャッチコピーの「君の中の可能性(ニュータイプ)が目を覚ます」も次回予告の時に言ってくれる。しかも優しい声で。
OVAが超良かったんだから、何をどういじったところでこっちのTV版も良いにきまっている。面白いのはもちろんのことだが、TV版で良かったのは副音声がついていること。よゐこ濱口が司会となり、スタッフ・キャストコメンタリーが展開する。これが笑えて面白いし、ちゃんと作品説明もしていてためになる。
コメンタリーで特に笑えたのは、ファンからはちょっと嫌われがちなリディ少尉を演じた浪川大輔イジリ。リディは嫌いにはなれないのだが、美しきマリーダさんを殺ったという22世紀になっても許されない罪を犯したからな。その上闇落ちしたキャラでもあり、ミネバに大失恋したこともありで、演じた浪川ごといじられていた。それにしても、マリーダを殺す展開はなんとかして避けられなかったものかと悔やまれる。
原作者の話も面白かった。登場ヒロインのミヒロ・オイワッケンの名前の由来は、ミヒロは自分の嫁の名前、オイワッケンは嫁の故郷「追分」という地名から来ていると話していた。
そう言えばミヒロを演じているのは豊口めぐみで、ガンダムSEEDでもミリアリアというだいたい同じポジのキャラで出ていたなと想いだす。
主人公バナージ・リンクスは、シリーズとして「話が繋がる」ということで名付けたという。
こういう一見下らない設定話もファンの心をくすぐる。
バナージを演じた内山昂輝は、バナージを演じ始めた時にはまだ18の大学生だったとコメンタリーで言っていた。製作側からは、大学を卒業するまでに物語は完結すると聞いていたが、6話構成が7話構成に伸びたこととかがあって大学在学中にUCは終わらなかった。就活も考えていたけど、バナージ役を放り出す訳にもいかずで何も出来なかったという。考えようによっては、UCの製作遅延が内山を声優業界に繋げたとも言える。この話を聞いて、アニメだけでなく、役者の人生の方にもドラマを感じた。内山昂輝は会社員とかにならずにこっちに残って良かった。
TV版ではOP、EDがあり、新規撮りアニメが見れる。これだけでもお得だった。
第18話のみAimerの名曲「RE:I AM」が流れる特殊OPだった。「そばにいてと~」て歌うあの声、最高。
聞くところによると、これより更に先のお話を「ガンダムNT」で展開中だとか。こっちは見てないので、円盤になったらゆっくりチェックしよう。
とりあえすUCは神アニメだったので、22世紀にも残して行こう。
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私の中のニュータイプも目を覚ます!
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