こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

母を訪ねて世直し「忍空」

忍空」は1995年1月~1996年2月まで放送された全55話のテレビアニメ。

 

決定盤「NINKU-忍空-」アニメ主題歌&キャラソン大全集(+BGM集)

 

 この作品があったことは覚えているのだが、ちょいちょい見ていたくらいでしっかり見ていないため内容をほぼ覚えていない。ただ、主人公がチビで幽遊白書の鈴駒みたいだな~って想ったことと、 フンドシ姿で戦う男が出てくることだけは覚えていた。

 

 懐かしくなり、この度は2015年に発売したBD-BOXで全話しっかり見ることにした。

 

内容

 内容は一旦終わった大きな戦争の後の話。終戦後も決して平和が訪れることのない世界のあちこちでは戦乱の残り火がくすぶっている。小悪党がそこら辺にいて、かなり荒廃とした世界観になっていた。

 

 忍術と空手を融合された「忍空」という技を使う集団が帝国軍に敵対したが、辛くも帝国軍が勝利を治めた。

 帝国軍と戦った忍空部隊は終戦後に解散。帝国軍は忍空部隊の力を恐れ、残党刈りに打って出る。そんな中、忍空の風助は行方不明になった母を求めてペンギンのヒロユキと共に世界を旅する。その道中のあちこちの街で色んな人と出会うことで風助の物語が展開する。

 途中で元忍空部隊の仲間の藍朓(あいちょう)と橙次(とうじ)、橙次のうるさい妹の里穂子を仲間に加え、4人と一匹で旅をする。

 

感想

 同じくジャンプ作品の「NARUTO」よりも先輩の忍者作品だった。風助がナルトの螺旋丸と同じような技を使っている。螺旋丸的技は先に忍空で開発済みだったのかと分かった。忍者アクションものでも、NARUTOと比べるとバトルは地味だった。でもバトルシーンは意外と良く描かれていて、結構迫力があった。

 

ケロロ軍曹」を楽しんだ後に風助を見ると、ケロロと風助の顔が似ている。

 

J STARS ワールドコレクタブルフィギュア Vol.3★忍空 風助   ケロロ軍曹(1) (角川コミックス・エース)

    風助           ケロロ

 

 風助の「~だぞ」という力の無い感じの独特の喋りが好きだった。元気系ボイスをお持ちの松本梨香にしては抑えた演技をしていたと想う。

  

 風助がママが恋しいガキの割りには人々を諭したり、仲間や部下から信頼も集めていて精神年齢が高い。

 

 忍空部隊各員は干支を模した干支忍というグループ分けがされ、12の隊がある。これには何だか「フルーツバスケット」感があって良いと想った。メインで登場する風助、藍朓、橙次は各隊の隊長だが、12の隊の隊長全員はアニメに出てきていない。

 原作漫画は読んでいないのだが、キャラが皆出てこないことや、キャラの立ち位置が違うといった点でアニメ化に際して大きく設定変更がなされているらしい。

 確かにキャラが少ないとは想った。

 キャラが少ない問題では同時にヒロインも少ないという問題も浮かぶ。目立ったヒロインといえば風助の旅に同行する里穂子と帝国軍のメキラ大佐くらい。で、これはオーディオコメンタリーでキャスト陣も言っていたのだが、メインヒロインの里穂子が可愛くない。声が林原めぐみなのにこんなに可愛くないキャラも珍しい。

 

 少ないキャラの中でも藍朓と橙次は好きだった。

 元ヤンだけあって藍朓が超態度が悪い。女子の里穂子にも軽くDVしてるし。「うるせぇブス」とか普通に言ってる。兄の橙次の真横でそれをやってるからなぁ。私ならどこかの馬の骨が可愛い妹に暴言を吐いたのを耳にした時には容赦なくドロップキックをお見舞いしてやるところだ。

 

 本気になったらフンドシ一丁になる橙次も印象的だった。最近のキャラクターで例えるなら「フェアリーテイル」のグレイなんかもこのタイプだな。

 フンドシだけでなく飛行機の愛好家でもある橙次はヒンデンブルグ号という飛行機を所有し、中盤からパーティーはこれで移動する。ちなみに免許は持っていないらしい。免許の有無を聞かれても「いるの?」とか答えていた。

 このヒンデンブルグ号がとんだポンコツ飛行機で、作中では何回も墜落している。仲間からは「ポンコツだから捨てろ」「もう乗るのは嫌だから歩く」と酷いことを言われるが、橙次は何度だって直して乗る。これを見て、「ワンピース」でゴーイングメリー号を廃棄することに最後まで反対したウソップを思い出した。

 中盤からは墜落が定番の流れとなる。この展開が結構好きだった。

 

 このアニメのキャラは目に施す細工が最低限というか、実にシンプル。凝ったエフェクト無しに単純に白目と黒目を二色で書いている。「NARUTO」や「ワンピース」のキャラもこんな感じで目がシンプルだ。最近だと「Fate/Zero」の衛宮切嗣もそうかな。こういう目を見て、私のお兄ちゃんは「目が死んどる」とコメントしていた。

 

 物語は人情要素と必殺仕事人的要素が合わさっていて、たまにホロリと出来る話もあれば、風助達の助けが間に合わず、無辜の民が悪者に殺されてしまう重い展開もあった。

 物語の中核を担うのが風助達のパワーアップのために天空龍を求める話。裏切って帝国に付いた元忍空の黄純を説得する上でもこのパワーアップが必要となる。黄純の人生も確かに厳しい道で、同情できる点もあるが、私なら仲間にあれだけ酷いことした奴を簡単には許せない。

 

 そもそも寒い所で暮らすペンギンのヒロユキが風助達の旅に同行するのは難しいとされ、旅の途中で老夫婦の家に置いて行くエピソードがある。風助が友達のヒロユキのことを想って辛い決意をするのだが、松本梨香の声でこの展開だとポケモンの「バイバイバタフリー」や「ピカチュウのもり」を思い出した。結果二人の友情は永遠でヒロユキは再び同行し最終回まで登場する。ええ話やぁ。

 

 帝国軍を打倒し、空助の母も見つけて真の平和を取り戻した所で最終回ぽかったけど、その後もアニメは数話続く。最終回は最終回ぽくなく、まるで来週からもあるみたいな極々普通の感じで終わった。

 

 鈴木結女の担当したOP曲とED曲はどれも良かった。

 

 

 結構大変だぞ、なお話でした。

 

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