こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

大正時代のチャーミングレディ「はいからさんが通る」

はいからさんが通る」は1978年6月から1979年3月まで放送した全42話のテレビアニメ。

 

 中途半端な42回放送になったのは、モスクワオリンピックを放送する関係などの理由で打ち切りになったからということである。そんな訳で最終回は普通に未完の尻切れトンボで終わっている。

 とにかく古い作品なので出演声優が懐かしい。もう亡くなっている方もいるので余計に懐かしい声だと感じる。こうして死んだ後にも自分が行った仕事が世に残っているって素敵なことなんじゃないかなって思った。

 

 ナンノ(南野陽子)と阿部寛で実写化した方は知ってるんだけど、アニメは見たいと思っても見れなかった。何せアニメは2016年までパッケージ化されなかった。まぁ分かりやすく未完で終わっているから商品化してもなぁ~とか思ったのかも。

 テレビアニメが終わって40年程経つ2017年、2018年に前後編に分けた新作劇場版アニメが公開され、無事アニメが完結したとか。劇場版の方はまた後で見るとして、先にテレビアニメ版BD-BOXを見た感想を書こうと想う。

 

はいからさんが通る Blu-ray BOX<初回仕様版>

 

内容

 お話は大正時代のラブ・ロマンスを描いている。そこにたっぷりのユーモアも盛っているので少女漫画だが、男子も楽しめるようになっていた。

 主人公少女 花村紅緒とイケメンの帝国軍人 伊集院忍は祖父母の代から決められた許嫁同士。

 紅緒の祖父と忍の祖母は恋人同士だったが、時代が身分違いの二人の恋を邪魔して遂に結ばれることはなかった。せめて子孫の代では両家の血を一つにしようと約束するが、次の代では男しか産まれなかったので、そのまた次の紅緒達の時代に時を越えた約束が果たされることになる。ロマンチックな約束とも思ったが、孫達としては迷惑な話しかもしれない。

 跳ねっ返り娘の紅緒は、最初こそ忍との結婚を嫌がるが徐々に引かれあい、最後には相思相愛になる。この過程には少女漫画らしい胸キュン要素が入ってくる。

 

 シベリア出兵により忍が戦死したと報告が入る。忍は実は生き延びていたが、重症を負って記憶喪失になっている。

 ロシアの未亡人が彼を助け、亡くなった自分の夫と似ていたからとうことで忍には自分の夫だという記憶を植え付ける。

 忍がいなくなっても紅緒は伊集院家を守るために女性記者となって働く。取材先で出会った夫婦の内、夫がどう見ても忍そっくりだと気づき、彼が生きていることを知る。

 

 ここで放送打ち切り。

 

感想

 

紅緒が面白い

 まず主人公花村紅緒のはちゃめちゃな活躍ぶりが面白い。強く美しく面白いはいからさんが大好きになった。

 早くに母を亡くした紅緒は父に育てられ、その父は仏壇の母の写真に向かって「可能な限り女らしく育てた」と語るが全然嘘。

 紅緒は戦闘力が高く、腕っぷしで男を圧倒する。ヤクザ三人を一度に相手にし、軍人五人を一人でのしたこともある。剣術にも長けていて、竹刀、薙刀、傘などを振り回して男相手に大太刀周りするシーンが爽快だった。街で暴れると器物損壊もする。未成年なのに酒を飲み、しかも酒乱。酔った勢いで印念中佐をやってしまい、その腹いせで忍が九州からシベリアに飛ばされることとなる。

 

 忍を左遷した印念中佐に復讐するため、軍の駐屯所に薙刀片手に乗り込んで大暴れしたこともあれば、記者として米騒動を取材しにいったはずが騒ぎを先導してジャンヌ・ダルク的ポジになったこともある。後半で満州に行った時には、元帝国軍人の鬼島軍曹率いる馬賊と行動を共にして印念中佐の部隊をコテンパンにしたこともあった。

 

 テレビでは流れないOP曲二番歌詞に「がっくりくるほど ペチャパイ」とある通り、おっぱいは小盛りである。学友には「胸が抉れている」とか言われていた。

 このOP曲は紅緒の特徴を歌った名曲で、アニメは見ていないのに曲だけはお気に入りで昔から良く聴いていた。ちなみに、実写版でナンノが歌った主題歌「はいからさんが通る」も名曲で歌声が可愛いので超好き。

 

 紅緒はやることが滅茶苦茶なじゃじゃ馬娘だが明るく前向きで可愛い。幼馴染の歌舞伎芸人の蘭丸、忍、鬼島軍曹、冗談社の青江編集長と多くの男が紅緒に惚れるのも分かる。

 忍の戦死報告を受けてからは決意の断髪を行い大きくイメチェンする。ロングでもショートでも紅緒は可愛かった。

 

 紅緒が自転車で学校に行くのを見ると「魔風恋風」の主人公もそうだったと思い出す。古き時代では自転車に乗る女子はお転婆娘扱いされたとか。途中までの紅緒、忍、環の三角関係もそれっぽい。魔風恋風は明治の話だけど。

 

キャラの個性が強い

 キャラがとにかく良い。出てきたキャラは皆好きになる。

 歌舞伎の女形の蘭丸、紅緒の舎弟の牛五郎などのレギュラーキャラもかなり愉快だった。太りすぎて顎を失った花村家のばあやとかも好きなキャラだった。

 伊集院伯爵も好きだった。最初は紅緒と対立してチャンバラ勝負をした。鳥羽伏見の戦いの生き残りらしい。伊集院伯爵を演じた亡き宮内幸平の声が懐かしい。

 とにかくユーモアたっぷりなキャラが多い。

  

 一番クソな奴が印念中佐だが、この時代特有の柔らかい漫画表現により、彼のクソっぷりも最大限柔らかなものとなっている。

 

 一昔前のルーニー・テューンズのようなコミカルな漫画表現が印象的だった。話の筋と何の関係もない妖怪やモンスター、宇宙人などのネタキャラがアニメを盛り上げていた。

 

 紅緒の恋の相手の忍は良い男すぎる。

 言うことを聞かない不良軍人の集まりをシベリア戦線で指揮した時には、武力と男気で隊をまとめあげ、最後には皆からめっちゃ慕われていたのが良かった。特に鬼島軍曹と忍の友情は痺れる。ここはBL受けする組かもしれない。

 

 毎話聴ける永井一郎の漫談調のナレーションも面白かった。

 

歴史の勉強にもなる

 今から40年も前のアニメだから当然古い。更に扱っている時代が大正ということで、アニメ放送当時からしてもすでに古の話だ。紅緒と忍の運命を揺るがした事件のシベリア出兵、米の価格が高騰して起きた米騒動などはまさに時代柄の要素。

 

 そこで、永井一郎が読むナレーションで大正時代のあれこれを教えてくれたりもする。

 電話が復旧され始めたこととか、タバコのゴールデンバットが流行ったとかが学べた。

 文明開化により女性のファッションや社会的立場も変わってきたことも分かる。今ではあまり聞かないこの時代特有の「新婦人」「職業婦人」なんてワードも耳にする。男勝りの紅緒は男尊女卑を覆す言動を取ることが多かった。

 

 四民の名残もあり、華族とか公家とかいう言葉も出てくる。紅緒がややこしい公家言葉を勉強するシーンは印象的だった。

 芸者として売られる娘達が少なくない数いたという歴史の暗い部分も見えた。

 

 紅緒が嫁に行く時、父親から白装束と小刀を持たされる。もしも夫が死んだ時、嫁は他の男と再婚しないという意志表示で黒でなく白の服を着るという風習があるという。知らなかった。紅緒は忍の葬式に白装束で出た。 

 

 

 終わりがかなり残念だったけど後は面白かった。声優も声があっていた。

 次は新作の劇場版を見ようと思う。

 

 

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