「LAIDBACKERS-レイドバッカーズ-」は2019年4月5日に公開された劇場アニメ。約1時間の中編映画である。
平成最後のオリジナル劇場アニメだったらしい。そう想うと感慨深い作品だぜ。
キズナアイが主題歌を歌うことに興味を持ち、作品情報をよく知らないまま視聴した。
ジャンルとしては昨今流行りの異世界転生ものにあたるのだろうが、少し違う点はファンタジーの世界の住人達が逆に人間界に来るというもの。
異世界の人々は魔王の圧政に苦しめられ、解放軍としてハラミ、K、舞、アーネリアの四人の女戦士が立ち上がる。魔王との戦闘中に一同は人間界の京都に転生してしまう。その際凶悪な魔王のらんは小学生女子に、姫騎士のアーネリアはモコモコの犬の姿になって転生する。
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このようにガッツリとした物語導入部分が設定されているが、そこはアニメーションでしっかり描かず、OPシーンのテキストのみでさっくり紹介される。
物語として描きたいのは主人公達が京都に転生した後なので、面倒な導入はさっさと飛ばす。その心意気や潔しと私は評価する。一時間しかないから急ぎ足になるのは分かるが、ちょっとおしゃれな感じにテキストで見せたのは新しいと想った。
魔王と解放軍4人は、それまでシリアスな世界観で敵対していたが、京都に来てからはそこのところの事情は大きく変わる。
魔王のらんは小学生となって真面目に夏休みの宿題に取り組み、すっかり牙が抜けてしまった。解放軍側もハラミはニート、Kは警備員のバイト、舞はアイドル、アーネリアは犬といった具合に皆前職と大きくことなった生活をしている。
前職魔王でも京都ではちょっとエッチな感じの学校の女教師宅に居候し、解放軍4人は駄菓子屋に居候している。
異世界での設定を取り去れば、あとはきらら枠的な日常コメディーものとして楽しめた。それでも冒頭と後半では派手な戦闘シーンが入る。冒頭では鎧武者の巨人、後半では大文字の送り火から発生した炎の巨人と戦う。この巨大な敵二体は迫力があり、鎧武者は特に格好良かったので好きだった。
送り火が意志を持って大文字の火をつけることにストライキした理由が、人々の願いを聞き叶えるのも限界でうんざりしたからというのが印象的だった。願い事ばかりされたら聞く方もそうなるわなと納得できる部分もあった。人って本当に勝手だよなって想った。
オタク的観点で気になったのは、ニートのハラミが家で遊んでいるゲーム機について。縦長のソフトを差して機動するあの機体は恐らくSG-1000ではなかろうか。懐かしすぎる機体が見られた。
昨今レトロゲームブームということもあり、4人の居候先の駄菓子屋にレトロゲームの筐体を置くシーンがある。ハラミがプレイがしているが、多分「グラディウス」あたりの、どこかでやったことがある有名なシューティングぽかった。
駄菓子屋の両脇に店を構える(多分外人の)男二人がギャグキャラで面白かった。
私のお気に入りVチューバーYuNiがライブしているシーンがほんのちょっとだけ流れるのが嬉しかった。YuNiのライブも見てみたい。
転生後のらんの声が長縄まりあの可愛らしい萌え声なのに、本国でマジの魔王をしていた時の声は榊原良子だったことはギャップがありすぎた。
意外だったのがメインキャラのハラミの声が日高里菜だったこと。日高里菜といえば萌えボイスのイメージが強いので、ガサツで男勝りな女子のハラミみたいな役をするのは珍しい。最後のクレジットを見るまで誰の声だか分からなかった。
キャラはなかなか個性的。中でもアーネリアはかなりデフォルメの効いた可愛い犬なので作品のマスコットキャラポジになった。犬のアーネリアが活躍するシーンは和む。
アニメを見る前から聴き込んでいたキズナアイの歌う主題歌「Precious Piece」がなかなか良曲だった。
キズナアイ、YuNiのホットなVチューバー二人が絡んでいるあたり、アニメとしては新しい試みだったと想う。
なかなか楽しかったのでもう30分長くても良かった。もし「2」が出たら是非見たい。
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