こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

世界の水没を止めろ「時空の覇者 Sa・Ga3 [完結編]」

時空の覇者 Sa・Ga3 [完結編]」は1991年12月13日にスクウェアより発売されたゲームボーイソフト。

 89年よりスタートしたSa・Gaシリーズの完結編にして最終作品。だいたい一年に一本のペースでよくぞこのような名作達を世に放ったものだと会社を評価したい。

 

 ここ一ヶ月でシリーズ三作を連続プレイしてきた私のSa・Gaを巡る旅も今日を持って終着点。実に楽しいRPGシリーズだった。

 

 というわけで感想を書いていこう。

 

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Sa・Ga(サ・ガ)3時空の覇者 完結編〈完全クリア編〉 (SQUARE BRAND)

  

 シリーズで一番新しい作品だけに、昔プレイした記憶が結構残っていた。今回でも電源を入れてすぐに映るタイトルバックで流れるのは例の名曲。ちょっとアレンジされてアップテンポになっている。

 

オープニング

オープニング

  • provided courtesy of iTunes

 

 

 世界の上空に謎の巨大水瓶が出現し、そこからは大量の水と魔物が流れ出る。これは異次元の神々が世界を支配しようと送りこんだものだった。魔物は当然危険、そして溢れ出す水もまた地上を飲み込むことで緩慢なる支配者となる。恐怖のダブルパンチが人類滅亡の危機を呼ぶ。

 侵略が進んだ未来の世界から送り込まれた主人公3人は、現代人のヒロインと共闘して異次元の神々を討ち、世界平和を実現する。というお話。

 やばくなった未来から過去に逃げて来て打つ手を練るというのは、「ドラゴンボール」でセルに侵略された未来から過去世界にやってきたトランクスを思わす設定。だいたいこのゲームが出た時分にセル編を放送していた。

 世界の海の水位が上がって地上が水に飲まれるというのは、地球温暖化の末期症状を思わす。平成初っ端のこの時分から既に海の水位が上がる危険性を意識してゲームに取り入れたなら、世相を反映させた気の利いた設定だと言える。

 

 タイムマシン兼戦闘機のステスロスを操って未来に過去にと時空を越えた旅が展開する。クロノトリガー的な冒険で、個人的にはこういうは好み。

 今回はSF設定がしっかり敷かれ、過去の作品みたいに世界観が無茶苦茶なことはなかった。江戸とかアキバが出てくる前シリーズのぶっ飛んだ感じも好きだったが、この3のSF感も悪くない。極たまにだが、自分は今どの時間軸にいるのか分からなくなることもあった。

 

 1と2をやった後だと、3はゲームシステムにかなり変更点が加わっていると分かる。聞いた話によると、人によっては「こいつはもはやSa・Gaではない」とか言って仲間はずれにするとか。

 

 大きな変更点は、3からレベル制が導入され、武器と魔法は一度買えば据え置きとなったこと。それまではステータス上げ方法にクセがある作品だったけど、戦闘で経験値を集めるだけでそこのところは楽になった。従来RPG制が増してシリーズの独自性が薄らいだのだが、個人的にはこっちのシステムの方がやっぱりやりやすい。ファイファンみたいに魔法は買ってレベルごとに3つ覚えられるようになった。 

 よかったのが戦闘システムの変更点。戦闘で「おまかせ」設定にすれば、AIによってキャラの行動を自動化出来る。そして、オートターゲット機能により、戦闘がスムーズに進む。昔のRPGあるあるだけど、攻撃指定した敵が他の仲間の攻撃で既に死んでいたらそのターンは何もしないっていうアレ、イラつくんだよね。3だけはその場合には臨機応変に生き残った他の敵を自動で狙ってくれるからストレスがなくて良い。

 主人公パーティーの4人は固定メンバーで種族の選択は出来ない。人間の男女とエスパーの男女の計4人となる。でも4人とも肉が食えてモンスターやメカにも変身できる。シリーズ通してのお楽しみがやはり肉で変身すること。しかし、私の手応えでは変身した方が弱くなるパターンが多く、3では変身せずに人間のままで行くことが多かった。

 3でも主人公の口調はやや荒いが、他の作品と比べると大人しいものだと思える。

 3では移動中にBボタンを押せばジャンプ出来るという機能が追加されている。これによって、ダンジョンでは落とし穴を越えていくちょっとした頭脳プレイが必要となった。特に何もない場所でも心がぴょんぴょんするものだからジャンプを連打してしまう。 

 

 こんな風に色々変わってしまった三作目だが、私は仲間はずれにせずに愛している。このシリーズは三作共に好きでどれが1位かは甲乙つけがたい。

 

 

 ゲームは特に迷うことなくスムーズにプレイできた。各ステージボス、ラスボスにはちょっと苦戦したが、あとのことを言えば難易度は低めだと想う。ボスキャラには1、2から引き続きアシュラが登場する。

  ラスボスはこの世の悪を結集させたような見るからに邪悪でグロキモイデザインだった。

 

 ただ一回積んだと想った箇所があった。物語の序盤の方で、モンスターに変身できるメタモルという魔法をもらうイベントがあるのだが、私はそのイベントを踏まずにメタモルが必須の後半シーンまで進めた。メタモルでモンスターに変身してモンスターと会話しないと先に進めない箇所があるのだが、メタモルを持っていない。しかし、そこまで進めると、もうメタモルをもらうイベントまでは戻れない。

 そこからいろいろ焦って調べまくったら、NPCとして追加される5人目のパーティーキャラがメタモルを初期装備していたと分かった。これに数時間かかった。戦闘は基本「おまかせ」設定にしているからキャラが覚えている魔法をしっかり見ることもなかった。メタモルをもらうイベントをスルーした者への救済措置がなされている点に感心した。爪が甘いゲームならこの点を忘れて積みゲーにしかねない。まぁ私がイベントをすっ飛ばしたのも悪いけどね。

 このゲームで焦ったのはこの「メタモル騒動」のみ。

 

 エンカウントで登場する敵キャラはいろんな種族がいるが、同じグラフィックで名前を変えての使い回しが多かった気がする。 

 鳥山明の漫画表紙の内側の折込によく描かれているガスマスクをつけたキャラと似た「テロリスト」という敵が出てくる。

 くいだおれ太郎の格好で名前が「よしもと」という敵キャラが出るのには笑った。こいつが西のギャガー島木譲二の持ちネタ「パチパチパンチ」を技として使って来るのにも笑った。

 

 中盤でパゴスというボスキャラの魂を鎮める呪文が読まれるのだが、それが「ネクシロヨ モガーサグンシンマロ」というものだった。こいつをよく見て気づいたのだが、逆から読むと「ロマンシングサガもよろしくね」と読める。当時は同社によるスーファミソフトのロマサガも同時展開していたのでさり気なく、というか多分伝わらない販促要素を入れていた。これはお茶目な演出でクスリと笑えた。

 

 前作では雑にダンジョンに置かれていたエクスカリバーが今回も登場する。今回は、そこに刺さっているけど選ばれし者しか抜けないという「王様の剣」的な設定で登場する。これを抜くのが主人公ではなく、NPCのネメシスというシスター。シスターさんなのにネメシスの武器が「まさかり」なのにちょっと引っかかりを覚えた。杖とか弓じゃないんだ。

 

 2では主人公の父親が死にかけては元気に生還したが、今回ではNPCディオールが数回死にかけても無事生還した。

 途中でお宝を狙う父、母、息子の3人家族が登場する。これが多分「2」の主人公の家庭なのだと想う。父親はやけにお宝に詳しそうだったから、多分あの無敵の父だと想う。

 

 

 今回もやはりBGMが最高。

 個人的には通常エンカウントの曲が良い。

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時空の覇者 Sa・Ga3 [完結編] 1991 「戦!」

時空の覇者 Sa・Ga3 [完結編] 1991 「戦!」

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 メルローズの手がけたバトルトレーナー2を起動してエンディングロールに入るラストはおしゃれ。今まで駆逐して来たボスキャラを総復習出来るエンディング画面も良い。

 2では、主人公の父が家の窓から旅立つ所から始まり、ラストでもまたそのシーンで終わる。今回もそこのところが一緒でバトルトレーナーで始まり、バトルトレーナーで終わる。

 

 そんなわけで、素敵な時空の旅が出来た。

 

 シリーズ三作を完走したが、実に楽しかった。30年くらい前のゲームだが、とても素敵な物語が詰まっていた。

 

 ありがとうSa・Ga

 Sa・Gaがやりたい。これもまた人の「性」

 

 

 

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