こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

銀河に届けラブソング「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか」

超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか」は1984年公開のアニメ映画。

 テレビアニメ版のヒットを受けて製作された劇場版。超名作。

 

超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか

 

 テレビアニメ版のストーリーと設定を踏襲しつつも、内容は総集編映画ではなく全編新作となっている。

 テレビ版とはちょいちょい話が違っているけど、これ一本でマクロスってこんな感じと分かりやすくまとまっている。テレビ版の39話を予習せずとも楽しめるはず。この私もその昔にはテレビ版よりも先にこちらの劇場版をBSで見てハマった。そしてテレビ版に戻って来た口である。

 

 テレビ版からの変更点として、ロイ・フォッカーの死に様がパインサラダのアレでなく戦場で散るものになっているし、柿崎はテレビ版よりももっと唐突にしてあっさり亡くなる。

 輝達が異星人に捕まった時のメンバーが変わっていて、こちらではミンメイちゃんとカイフン兄さんが一緒。例の男女のキッスを見せろのシーンでミンメイとカイフンがキスしてる。相変わらずキッスを見たゼントラーディの狼狽えようが童貞そのもの。女が珍しいのは分かったけど、ミンメイ人形に対してもあの反応なのは面白かった。

 異星人の内、女性型の連中は新たに「メルトラン」と名付けられ、男の異星人と呼び分けられている。

 マックスとミリアの出会いも変わっている。テレビ版のミリアはマイクローン化してマクロスに潜入し、そこではプロゲーマーとして生計を立てていた。そこの生活事情はこちらではカット。巨人の姿のまま戦場でマックスと出会う。ミリアの姿が搭乗機体の外に晒された時、マックスが思わず「美しい……」と言うシーンが印象的。私もこのシーンのミリアは大変美しいと想い、いつまでも記憶に留めている。この映画は2回か3回見たが、ミリアのシーンとカイフン、ミンメイのキスシーンは一発で記憶に刻まれた。

 

 やはりメインの登場人物の輝、ミンメイ、未沙の三人に焦点を絞って物語が進行する。時間の都合上仕方ないが他のキャラの出番が少ない。グローバル艦長やクローディアのキャラの良さはテレビ版の方でないと分からない。

 

 テレビ版の輝は、まだ素人時代の頃からミンメイと知り合いだが、劇場版では既にアイドルデビューして売れた状態のミンメイと知り合っている。業界も慣れたものとなっているためか、二人が遭難した時にはミンメイが輝に対してややビッチぽい。が、これもまた良い。

 ミンメイの胸の谷間が強調されるシーンがあり、シャワーシーンでは乳首も解禁されていた。でも、幾度となくパンツが見えそうで見えないシーンがある。ミンメイはやはり可愛い。

 

 未沙の髪型がテレビ版とちょっと違う。テレビ版では髪がくるりとなっているのが今回はストレート。

 もう色々終わった状態の地球で輝と未沙が遭難するシーンがテレビ版以上に長く細かく描かれている。ここが劇場版の味噌かなと想う。

 廃墟にある食器を使って二人が即興のままごとを始めるシーンは切なくて魅入ってしまう。好きなシーンだった。

 

 劇中歌の「愛・おぼえていますか」は遥か古に異星人が作ったラブソングと設定されている。ラストのクローディアと未沙のやり取りが名シーンだと想う。

 クローディアがあの歌は結局何だったのかと問うと、未沙が「ただの流行歌よ。何万年も昔に異星人達の街で流行った当たり前のラブソング……」と返すところでジーンと来た。名セリフだと想う。ていうか土井美加の声が好きすぎる。

愛・おぼえていますか」はマジで名曲過ぎると想う。

 

 未沙のラストのセリフからエンディングに繋がる。エンディング曲「天使の絵の具」がミンメイのライブ映像に合わせて流れる。あれが最高だった。劇場公開時には最後のライブシーンはなかったけど、後に発売したソフトには完全版としてこのライブシーンがしっかり収められている。「天使の絵の具」もすごい良い曲。

 

 話も良いが、とにかく絵が綺麗。

 OPで宇宙の暗闇から少しずつマクロスが見え始めてタイトルロゴが出る所で鳥肌ものだった。

 やはりミサイルが気持ち良く軌道を描いて飛んで行く戦闘シーンも見所。

 テレビ版以上にマクロスを描く時の線が多い。絵描きがものすごく良い仕事をしている。

 この時代にこの絵は綺麗すぎるし良く動くと感心する。CGもない時にこれだからすごい。CGが逃げだとは言わないが、手書きで鬼がかった作画を追求することに職人魂を感じてならない。やはり私は手書き絵が好き。

 

 キャストを見たらケント・ギルバートが声優で出ているのに驚いた。

 

 テレビ版では異星人達がやたら「文化」を口にするのに対し、劇場版では「デカルチャー」のワードに変わっている。このワードが後々にも耳に残るシリーズ共有用語となった。

 

 出演声優陣のオーディオコメンタリーは価値あるものだった。改めてすごい有名声優達が出ていたのだと分かる。 

 

 

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