こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

スーパーロボットの魂を忘れない「破邪大星ダンガイオー」

破邪大星ダンガイオー」は1987年から1989年にかけて発売された全3話のOVA作品。

 

 7、8年程前に遊んだワンダースワンソフト「スーパーロボット大戦COMPACT」シリーズで知ってから気になったロボットアニメ作品である。

 ダンガイオーはレギュラーメンバーにし、最大限の改造を加えて強くしていたと思い出す。

 曲も好きになり、OP曲の「CROSS FIGHT!」はアニメを見る前からハマって聴いていた。これは名曲だと想う。

 

 本作発表当時は、ロボットアニメものの主流がそれまでのスーパーロボット路線からリアルロボット路線へと移り変わる時期にあったという。そんな時だからこそ、スーパーロボットの魂を忘れずに盛り上げよう的なコンセプトの下で製作された。そんな熱い気持ちのこもった、スーパーロボット好きにこそ響く作品だと思う。

  

破邪大星ダンガイオー [Blu-ray]

 

内容

 科学者ターサン博士は、宇宙海賊バンカーに4人の人造人間とスーパーロボットダンガイオー」を売り渡そうとする。しかし4人が人造人間というのは真っ赤な嘘で、実はさらってきた超能力者にそういう設定という記憶を埋め込んだけだった。間もなく4人にそれがバレると、4人はダンガイオーと共に博士の元を脱走する。4人は個々の有する超能力と、スーパーロボットダンガイオー」を操作することで、追手のバンカー共と戦う。

 

感想

 この作品はスーパーロボット、萌えヒロイン、そして超能力アクションという、だいたいの人に受けの良い三要素を放り込んでいる。私もまたこれら三要素が好き。

 

 このアニメはまずキャラ絵がとても良い。一昔前の美少女ものOVAって感じの「萌え」と「色気」が黄金比率の絵柄が好き。このくらいの時代のOVAなら「イクサー1」や「バブルガムクライシス」の女子キャラも私の好みにあうものだったと思い出す。

 

 義務教育も後半に差し掛かったくらいから目覚めた私の女性趣味が「褐色肌の乙女」ということで、本作の褐色ヒロイン枠のパイ・サンダーからは目が離せなかった。面倒臭いお嬢様キャラをはじめ、とにかく気の強い女をやらしたら天下一品な松井菜桜子氏があてた声も良かった。

 

 ダンガイオーに乗り込む超能力者は男女4人(男1、女3)。女子三人はそれぞれ需要が異なる成分を有した良い選出になっていると想う。で、三人のハイレグみたいなスーツがまた良い。

 パイ・サンダーが特に露出が多い。2話の雪山シーンでもそんな格好をしているから寒がっている。ロールにその格好だから寒くて当たり前と指摘されてもこういう格好が趣味だからと言って服を着なかった。ガッツがある。

 

 主役ロボットのダンガイオーのデザインが良い。

 ロケットパンチにビーム、とどめは剣での斬撃と、スーパーロボットアクションが豊富である。

 必殺の「サイキック斬」の時のBGMが限りなく「宇宙刑事ギャバン」のレーザーブレードの時のBGMと似ている。これはさすがにギャバンを思い出して気づいた。どちらも渡辺宙明が担当しているからということである。この人の曲は燃える。

 

 ダンガイオーのメインパイロッットにしてダンガイオーチーム唯一の男性ロール・クランが普段は気弱、操縦となると強気になるという二面性を持つキャラなのも印象的。彼の能力が走るとすごい力が出てメカでも突き抜けるというもので、これが使えそうで使い勝手が悪いとも思った。怪力を発揮するパイ・サンダー、指先からビームを飛ばすランバのような分かりやすい能力と比べると不便かも。

 

 敵も含め出てくるメカが格好良い。OPアニメがかなり気合が入っていて、ここで出てくるやられ役メカもなかなか良きデザイン。マクロス河森正治氏が関わっているのが印象的だった。

 

 第一話にはOP曲を歌う水木一郎堀江美都子がゲスト声優として出演している。

 堀江美都子はその昔には声優の印象も強かったので違和感ない芝居をしているけど、水木一郎は歌わずに喋っても水木一郎なんだなと思った。少しだけ中尾隆聖の声に似ていると想う。

 

 80年代後半から90年代前半にかけてはけっこうな数のOVAが出た。テレビで放送されないOVAの中でも有名なものと埋もれていくもので差が激しいから、こうしてBD化までされたダンガイオーはやはり良作だったと思える。

 

 良作だし好きなんだけど、残念ながら第一部完結をもってその続きが未完になっている。まぁ切りが良いことだけが救いかな。

 敵のバンカーサイドのキャラも含めて声優が豪華だった。それだけに3話で終わるのが勿体なかった。後に続編のテレビアニメを放送したと言うが、これもまた未完だと聞く。

 私が今まで体験した未完OVAの代表格が「YAMATO2520」「HAND MAID マイ」。この作品もそれに並ぶことになる。あるあるとまでは言わないけど、OVAの歴史では決してなしなしではない現象がコレなんだよな。最後までやりきるって大変だし、やりきったならそれは一つの奇跡ってわけだ。

  

 

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