こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

装い新たにお届けするスポ根アニメ「新・エースをねらえ! 」

新・エースをねらえ! 」は1978年10月から1979年3月にかけて放送された全25話のテレビアニメ。

 

 前作放送終了から4年半後に放送されたテレビアニメ第二作。

 

 先日視聴したアニメ一作が大変面白かったので、こちらも引き続き視聴した。

 

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 前作の続編と思いきやそうではなく、装いも新たに岡ひろみのテニス人生を描くリメイク作品。

 原作の最初からストーリーを追い、後半ではアニメ一期ラストよりも先のお話が描かれている。リメイク要素もあり、アニメ一期よりも先の新展開もありで楽しめる二作目だった。

 テニスプレイヤー岡ひろみの更なる躍進を描き、最終回では宗方コーチの死までが描かれた。

 

 前半のリメイク部分ではひろみと宗方コーチの出会いが前作と違ったり、音羽京子の良い人エピソードがないままに本編フェードアウトだったりとちょいちょい変更点があるものの、大方は同じ展開。

 

 他にも、前作でひろみとマキが気に入って出入りしていたハンバーガー屋さんが出ない。新聞部の千葉さんの出番が多い。テニス部の尾崎さんが前よりもイケメンになっている気がする。などの変更点もあり。

 宗方コーチの声優が野沢那智に変更されている。野沢那智は確かに良い声だけど、ちょっとボソボソ喋りが過ぎた感があり、セリフが聞き取りづらかった。

 

 個人的に一番気になった変更点がお蝶夫人のテニスウェアについて。西高校テニス部員は基本的には皆白のウェアを着ている。アニメ一期のお蝶夫人はそこらへんの統一感を無視して目立つ紫のウェアで部活に参加していた。

 新作では、部員皆で足並みを揃える一体感を演出したかったのか、お蝶夫人の服が皆と同じ白になっていた。実際の部活で一人だけユニフォームが違うと、小さいようでも、統一感を乱すということで大きい問題になりそう。

 個人的に、お蝶夫人にはどこまでも別枠で攻めて欲しかったので、平民に合わせた安い平凡なウェアで出てほしくなかった。

 このアニメではお蝶夫人が好き過ぎる。前作以上に本名の竜崎麗香が引っ込んで「お蝶夫人」が定着している気がする。宗方コーチも「お蝶」って呼んでいるところがあるし、EDクレジットにも竜崎ではなくお蝶って記載されている。

 

 今回はひろみと藤堂の恋、そしてひろみと宗方コーチの師弟の枠に収まらない愛情関係が前作以上に濃く描かれている。スポーツ漫画だが、少女漫画でもあるので、色恋要素が詰まった二期の後半は良い盛り上がりを見せた。

 恋愛がテニスプレイヤーにもたらす効果は決して良いものばかりではない。宗方コーチはひろみと藤堂が惹かれ合っていることに気付くと、とりあえず二人の距離を離そうとする。

 燃え上がる恋はするな、一流になるなら女であることを越えて行かなければならない、というのがコーチの教え。余計に精神を刺激してプレイに乱れが出ないようプライベートも管理するのが一流選手の心得と分かる。

 

 このテニスと色恋の関係性については、本作から登場する新キャラの宝力冴子を通して分かりやすく描かれている。宝力は自由奔放で恋愛に積極的なおきゃんなキャラクターとして描かれる。彼女は優秀な選手なのに、大学生との恋に挫折したため、その後の試合では実力の半分も出せずにひろみに敗退する。ここでひろみはコーチの教えの正当性を理解するのである。恋愛はのめり込みすぎると身の破滅を呼ぶものだ。

 

「お蝶」の好敵手でもある弾丸サーブが武器の「加賀のお蘭」と宗方コーチの関係性も前作より濃く描かれた。お蘭と宗方コーチは異母兄弟で、この点はかなりシリアスで暗い設定が敷かれている。お蘭と宗方の過去の話もあり、より詳しく描かれている。

 

 部活では鬼コーチの宗方だが、祖父母と共に暮らし、優しく接している。この点にはさしもの鬼コーチも人の子と分かって安心する。

 

 最終回では妹のお蘭が宗方を看病し、お蘭が病室の花瓶の水を換えに行っている間に宗方は絶命する。

 宗方は病気のため27歳の若さで亡くなる。自分の27年が人の80年に負けるとは思えないという彼の言葉が印象的で心に響いた。

 千葉が撮影したひろみの写真に「岡、エースをねらえ」の遺言を書き残してこの世を去る宗方仁最後の一幕もやはり印象的。

  

 ひろみは宗方の死を知らないまま飛行機に乗って、外国のテニス大会へと向かう。飛行機が飛んだ後の、作中最後のセリフも宗方コーチの「岡、エースをねらえ」だった。ここで物語は終了。最終回ラストの宗方コーチのセリフで泣きそうになった。

 

 ここまでで原作の第一部完結ということである。

 原作途中までしか見てないわけだが、このアニメは大変面白かった。

 

 OP曲とED曲を担当したVIPは、なんとジャニーズ事務所の男女混合グループである。女性メンバーが2人いる5人組で、ジャニーズにしては極めて珍しい例だ。今ならこのメンバー編成は考えられない。

 ジャニーズ好きの私でも、アニメを見るまではこのグループの存在は知らなかったのでビックリした。

 

 

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