こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

こしのり漫遊記 その39「オタクの家庭問題」

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  人生という名の漫遊を長期間行えば、その過程で手にする取得物もなかなかの数に膨れ上がって不思議ではないだろう。


 私は間違いなくオタクで、併せてコレクターでもある。そんなわけで我が家の自室にはオタクアイテムがうんさかわんさか溢れている。

 

 そんなのだから母に「アレをなんとかしろ」と言われた。

 

 困った……。

 少し考えただけで分かった。

 

「無理だ!」と。

 

 母は今後家族が増えたら部屋を与えたいから、現在郷を後にした私の部屋は空けておきたいと言う。でも無理だよね。

 自分でも引くくらいにアイテム数があるから、捨てる、売る、燃やすの何れを行うにしてもまず持ち出すのが大変、というか無理。

 

 だから母にきっぱり言った。

「諦めろ!」と。

 

 異性を問わずの友人交際、勉学、スポーツもせずに私が青春時代に打ち込んできたのがこれらのお宝を楽しむことだった。ならばこれは私の青春の全てである。それを消せというならそれは間違いなく人でなしの所業。

 母には色々と言ったが、要は「お前がガラクタ扱いするこれらは、お前の可愛い息子の魂の半分であり、その魂の帰る安息地でもある」と伝えた。

 引いていたけど、こちらの言いたいことはしっかり理解してくれた。

 

 まぁこの件については、あれこれ考えるよりも諦める方が早いというのが絶対なのでそうしろと勧めた。

 

 こういうことがあったので、改めて私が人生をかけて集めて楽しんだあれこれのアイテムにどんなのがあったか確認してみた。

 

 やはり見るだけで楽しい。それがオタクアイテムである。

  

 

 私の所有するアイテムで一番多いのがレトロゲーム

 これは古今東西を問わず、テレビゲームと携帯ゲームのハードとソフトが結集したものである。母にはガラクタに見えても、私にとってはいついかなる瞬間見ても純金の輝きを放つものである。当然捨てられない。

 

 次に多いのはCD。

 アニメ、ゲームを嗜む一方で、私はこれまた古今東西問わずの自分が良いと思った音楽ソフトは何でも集めた。もちろんアニソンのものもあるが、多くはJポップ。ジャニーズとかのアイドルものもザックザク出てくる。

 

 これらはデジタル化した音源を持っているので再びプレーヤーでかけることはまずない。しかし、思い出なのでいついかなる瞬間見ても美しい良いものだ。これも母にとってのガラクタである。

 

 CDを見て楽しいのは様々あるジャケット。趣向を凝らした面白いものも多々ある。とりあえず久しぶりに確認してウケたのは、サザンのセルフタイトルアルバムのジャケットがカブトムシの交尾だったこと。そして交尾と言えばもう一つ、イエモンのシングル「プライマル。」では像の交尾がジャケ写だった。いずれも生命誕生のための儀式なので美しいものだった。

 

 CDを見て想うのが8センチシングルと12センチシングルの違い。

 8センチの方が軽いし場所を取らない。そこへ来ると12センチはデカイし、プラケースが重い。収納の面、運び出す面でも12センチだと面倒になる。

 

 ディスクのものはオリジナルで作ったCDやDVD、BDも出てくる。

 テレビっ子すぎたので見たものを何でも録画していた。それをたくさんダビングしたために自作のDVDもシャレにならん数出てくる。隠居してクソ暇になったら全部見たい。

 

 ビデオテープやカセットテープもセルのもの、自作のものを問わずたくさん出てくる。おまけにLDも。

 DVDとCDがある以上、これら旧時代のものは再びプレーヤーで再生することはないだろう。

 ビデオやカセットに汚い手書きで収録内容が記されているのを見れば、懐かしいあの日が蘇る。気に入った番組を録画し、気に入った曲を録音した。ディスクのものだと機械に通せば収録内容が簡単にリスト化されて出てくる。しかしアナログなテープのものはそうはいかない。だから収録内容はタイトルと順番を間違わないよう慎重に手で書いた。そんな楽しくも愛おしい思い出があれば、やはりこれらも捨てられない。

 

 そしてこれも大変場所を取るのが本である。

 たくさんある名作マンガなんかが出てくるとまた読んでしまう。これらも青春を楽しませたアイテムなので捨てられない。

 

 他にはチビの時に遊んだおもちゃ。大きくなってから買ったオタク系のフィギュアなども出てくる。全部が楽しい思い出でやはり捨てられないし、売りたくもない。

 

 

 売るということを考えれば、私のお宝は結構な値になると想う。特にレトロゲームなんかは、昔よりも人気と価値が上がっていると想う。

 あの日私が二桁で買ったものが、今日には四桁、場合によっては五桁にもなるのだからすごい。

 

 最近一番ビックリしたことは、私がその昔に箱付き1000円で買ったネオジオ本体が、先月リサイクルショップに行ったら仰々しくガラスケースの向こうに陳列されて3万ちょい円の札が付けられていたこと。これにはさすがにビックリして「お前、そんなにするの?」と声を出をしてしまった。

 ネオジオは元値が高いもので、確かに良い物である。しかし3万越えでも手を出す人、いるの?って感じ。

 

 私は思い出が大事だし、あとはケチだから買ったアイテムは絶対に売らない。しかし、こうして意外にも高額になっているものがあると分かると、市場売値だけは気になって調べたりする。あの日、中古屋に行って100円で買ったゲームが、現在では万に近づいたり、越えた額で売られていることがある。それが分かると売らないけど、なんか優越感があって嬉しい。

 

 価値を知らない者にはガラクタ扱いされる私のお宝が、価値を知る者にとっては大金をかけても欲しい物なのだということを母に教えてやりたかった。

 で、「このゲームは今ならこんなにするんだぞ!」とパソコンの画面の見せてやった。ちょっと驚いていたからなんかしてやった感があって良かった。

 

 そんなわけで久しぶりにコレクションしたものを眺めるとやはり良い物だと思え、これらを集めることにかけた私の人生もまた同じく良いものだと思えた。

 

 我が青春に悔いなし。

 

 しかし、たくさん集めすぎると「床底が抜けるだろう」的な文句を家族に言われるので、やはり所持しすぎには注意。家族とはそこら辺の折り合いをつけて仲良くしておこう。

 

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