連打で手が疲れる「バトルドーム(古の名玩具)」ではない。今回私が振り返りたい愛しきレトロゲーム、それが「バトルトード」だ。
こいつをつい最近我が家の押入れの中から発見した。発見したからには気になる。
このゲームは父が中古で買ってきた。箱付きだった。
箱ジャケットを見ると、ムキムキのカエルが三匹写っている。何れもファンキーな感じだった。
初めて手にとった時には「なにコレ?」ってなった。
もちろん当時の私がこんなカエルの存在など知っているはずがない。聞いたところによると、元は外国のヒットゲームだとか。
父はそこら辺のゲームを適当に買い与えていたので、その一本にこれが入っていたのだ。これは本人確認していないし、する必要もないからやっぱりする気はないが、それでも私が想うに、我が家の子供達の間では「ミュータント・タートルズ」が流行っていたので、ちょっとそれっぽいこっちも「こういうの好きなんやろ?」的なテンションで買ったのだと想う。
で、好きになった。
今となってはこのゲームと引き合わせてくれた父に感謝。
これまで触れ親しんだカエルものキャラといえばケロッピー、ケロロ軍曹、ぷよぷよに出てくるカレーばかり食っているカエル、そして彼らバトルトードがあげられる。
その昔には学校のノートにバトルトードの落書きもしていたくらいだ。もちろん同級生は誰も知らないカエルキャラだった。
最初にファミコン版を買い与え、子供達の反応が良かったためか、しばらくすると父はスーファミ版も買ってきた。我が家にはファミコン版とスーファミ版のバトルトードがある。どちらも大変おもしろかった。
このバトルトード、ジャケットを見ればムキムキのカエルが三匹写っているが、その内2匹しか使えない。
グラサンをかけた緑のカエルはファミコン版、スーファミ版のどちらでも使用できる。あとは黄色っぽいカエルが二匹いるが、これの内一匹は使える。2人プレイゲームだからどっちにしろ一匹は余る。
当時、私達兄弟の間では「だったら残り一匹は何なの?」ってなっていた。先日久しぶりに数分だけプレイしてみると、三匹目は敵に捕まってそれを助けに二匹で冒険するという流れのものだった。なるほど、ならば納得。
このゲームは楽しい横スクロールアクションで始まるが、他のステージは様々なジャンルに分けられている。サーフボードやバイクに乗って自動進行するステージや、ロープで上から下へと潜っていくステージなどがある。他にはカエルの天敵でもある巨大ヘビに乗り移って先へ進むステージもある。ステージ構成はバリエーション豊富。
ファミコン版では、冬眠が必要なカエルには厳しい雪山ステージがあった。そこで悪い雪だるまが、雪だるまのくせして雪玉を投げてくる。コイツがけっこう好きだった。悪い雪だるまと言えば、クレヨンしんちゃんのヘンダーランドに出てくるス・ノーマン・パーとこいつが二強だと想う。
そんな感じで楽しいゲームだが、しっかり難しい。ファミコン版もスーファミ版も途中までしか出来なかった。死にまくって覚えるタイプのゲームかな?初見プレイではきつい。
バイクステージは動体視力の限界に挑戦するくらいの速さで障害物を避けないといけない。即座に反応するにも限界があるので、何回も死んで障害物を覚えていくしかない。
ガキの時分にはムズゲーすぎて挫折した。でも、行ける所までは何回も遊んだゲームだった。容量の半分くらいしか遊べていないけど楽しかった。
そうして私達がクリア出来ずに涙を飲んだ過去をスッキリさせてくれたのが「ゲームセンターCX」の有野課長だ。今からだとだいぶ前だけど、有野課長がこれをクリアしてくれたことがあった。エンドを見ることが出来て良かった。
バトルトードをプレイした有野課長が、そのゲーム性の高さを褒めていた。あれは嬉しかった。有野課長も推す名作となった。
ファミコン版、スーファミ版共に音楽がかなりノリノリでよかった。
ファミコン版の映像に関してはかなり綺麗。ファミコンも後期の物はなかなか綺麗だった。
このゲーム最大の特徴は二人プレイでも普通に仲間を攻撃できること。これをお兄ちゃんとプレイした時には殺し合いの喧嘩になった。
バルーンファイトとか、最初のマリオブラザーズ、アイスクライマーに次いで喧嘩ゲーだった。あとはマッピーキッズという喧嘩ゲーもあったなぁ~と思い出す。
しかし、なんだかんだで楽しかった。
アメリカンなアニメノリで、キャラクターがびっくりした時には目が飛び出て口も顎が外れたくらいに大きく開くという演出が見られた。
攻撃時にはカエル達の手や足がデカくなるというのも楽しい仕掛けだった。スーファミ版では手足が変形して武器みたくなってますますパワーアップしていた。
プレイヤーキャラはカエル。そして敵も人外のモンスターが登場する。しかし敵のボスがボンデージの女王様って感じの女だったのが印象的だった。ちょっとだけドキッとするセクシーキャラで好きだったなと思いだす。対立する2つの勢力がムキムキカエルとセクシー女王様とか、ミスマッチ過ぎて逆に愛しくなる世界観だった。
この名作は、我が家にいくつかある「そういえば我が家以外で見たことないゲーム」の一本だった。
というわけで先日ネットで検索してみるとファミコン版もスーファミ版もなかなかの値がつくレアゲームだと分かった。
各サイトを見ると万単位で取引しているものもあった。
確かにバトルトードは良いゲームだ。しかし「ここまで価値があったのか……」と想うとこれは嬉しい。それを持っていることに優越感を抱く。
私の青春の思い出となった良きゲームの一本が「バトルトード」だった。
ファミコン版もスーファミ版ももちろん一生売るつもりはない。大事にとっておこうと想う。
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