こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

セーラー戦士再び結集!「美少女戦士セーラームーンR」

美少女戦士セーラームーンR」は、1993年3月から1994年3月日まで放送された全43話のテレビアニメ。

 好評を博した無印セーラームーンに続いて展開したシリーズ第二作。タイトルに追加された「R」の字は直感から「リターン」の略字だと思われるが、本当のところは諸説ありということでそれだけの意味ではないのかもしれない。

 とりあえず言えることは、あの美しき5人のセーラー戦士がリターン、つまりは帰ってくることだけははっきりしているシリーズである。

 

 ダーク・キングダムとの戦いが終結した前作ラストでセーラー戦士達の記憶は一旦リセットされ、「R」の第一話ではそれぞれがただの女子中学生に戻った状態になっている。仲良しだった5人はまだ知り合う前の状態になっていて、視聴する側としてはあの日々が懐かしいとさえ思える。

 皆が共に戦った戦友であり、仲良しな友人だったと知っているからこそ、記憶リセット後のセーラー戦士達がそれぞれ自己紹介しあう気心しれない仲なことに傷ついた。あんなに仲良しだったのに今更そんな他人行儀な感じを見せられるとショックだ。

 

 記憶を失った後の二ヶ月間は何事もなかったので5人は気ままな学生ライフを楽しむが、また新たな化け物が街に現れると、ルナとアルテミスがまずはうさぎの能力を再び覚醒させる。久しぶりの変身後一発目の戦闘が終わった時、うさぎちゃんが涙を流して平和な普通の生活にさよならを言うシーンにキュンと来た。

 

 とりあえずうさぎ一人でやって行くことになるけど、やっぱりポンコツなので一人ではだめということになり、ルナが順に残り4人も戦士に戻す。こうしてセーラー戦士達が再結集する。普通の生活にさよならして再び戦場に戻る乙女達のガッツが頼もしい。

 

「R」の1クール目では「魔界樹編」が展開される。

 宇宙からやってきたエイリアンのエイルとアンの男女二人組が地上に化け物を放ち、人間からエナジーを吸い取る悪巧みを展開する。こいつら二人が基地として住み着くマンションの一室に魔界樹を飼っている部屋があり、最後にはこの魔界樹が大暴れして大変なことになる。

 

 二人は人間に化け、エイルが銀河星十郎、アンが銀河夏美と名乗ってうさぎ達と同じ学校に通う。エイルとアンは学校では兄妹という設定で別学年に所属しているが、本当は愛し合う恋人同士である。でも、エイルはうさぎに熱を上げ、アンは地場衛に熱を上げる。おかしな4角関係のようなラブコメ要素が入る楽しいエピソードが展開した。

 

 互いを愛しているけど、互いが他の異性に目を向けると嫉妬し合うというエイルとアンの結構勝手な都合が印象的だった。どちらも浮気心がある似た者カップルだった。人間状態のアンは可愛くて結構好きだった。

 アンとうさぎがマモちゃんを取り合って小競り合いする展開が楽しかった。

 

 前世のことをひっくるめた記憶を取り戻した後のうさぎとマモちゃんの関係が大分進んでいる。うさぎは衛を「マモちゃん」と呼び、マモちゃんのうさぎの呼び方は「お団子頭」→「うさこ」に変わっている。うさぎとは呼んであげないんだって思った。

 

 まこちゃんが星十郎のことを気にしてアプローチをかけてくる展開がある。スケバン的一面も持つまこちゃんが好きな人にはとことん尽くすという点が萌える。個人的にはセーラー戦士の中ではまこちゃん推しかもしれない。喧嘩が強く口が荒い面も目立ったが、料理や掃除が出来る点はポイントが高いので実は5人の中で一番まともなのかもしれない。しかし亜美ちゃんも捨てがたい。

 

 エイリアンの星十郎には「愛」というものがいまいち分からないということがまこちゃんとのやりとりで分かる。人ならざる者であるエイリアンのエイルとアンが愛について考えて最後にはそれが何か理解する心の成長が描かれるのが良かった。

 

 まこちゃん関係での気づきといえばもうひとつ。

 セーラー戦士5人と銀河夏美で演劇「白雪姫」を行うエピソードがあり、そこで誰が主役の白雪姫をするかで大変揉める。その時にまこちゃんが、ここは胸が一番大きい自分が白雪姫に適任だと主張する。ここで初めて分かる情報がコレ。タッパもそうだけど、バストもまこちゃんが一番大きかったんだという良い気づきが得られた。

 

 Rではレイちゃんの学校生活も映される。生徒会活動に参加して皆の指揮をとっているたくましいレイちゃんの姿が確認できた。女子生徒から「レイ様」と呼ばれてすごく慕われていた。うさぎちゃんと仲良く小競り合いするいつもの風景とギャップのあるレイちゃんの意外な学校生活が見れた。

 

 魔界樹編では、タキシード仮面の代わりに「月影の騎士(ナイト)」がセーラー戦士のお助けキャラとして登場する。正体はマモちゃんその人かと思いきや、マモちゃんと月影の騎士が同時に登場させることで視聴者の予想を揺るがした。

 月影の騎士がアラビアン風衣装で覆面をしていることから、特撮ヒーローの「月光仮面」、もっと近いところでは「アラーの使者」を思い出した。どちらのヒーローもクソ懐かしい。

 

 セーラームーンが戦闘前に真面目なテンションだけどコミカルな口上を行うのは前シリーズからの固定要素。今回では月影の騎士も登場時にどこかクスリと笑ってしまう妙な口上と共に登場するのが面白い。その後にはタキシード仮面も登場時に特徴的な口上を行う。セリフまわしが面白いシリーズである。

 

 2クール目以降は「ブラック・ムーン編」が展開する。

 小さなピンクのお団子頭のちびうさを新レギュラーキャラに迎えて異星人のブラック・ムーン一族との戦いが展開する。

 月野うさぎ役の三石琴乃が病気で降板した際に代役の任を果たした荒木香恵がここでちびうさ役として再び本編に登板する流れが熱い。「R」では序盤数話の月野うさぎ、ガキのちびうさ、後半で闇落ちして大人の姿になったちびうさと荒木香恵の3種類の声が楽しめる。

 

 うさぎとまもちゃんのデート中に急に空から降ってきたちびうさはその後うさぎと同居することになる。精神年齢の低いうさぎちゃんが、まだガキのちびうさとでもしょっちゅう小競り合いするのが面白い。

 

 両親を救うため、30世紀の未来から20世紀の世界に来てうさぎの銀水晶を奪取するのがちびうさのミッション。気が強いちびうさだが、時にはホームシックになってシクシクするのが萌える。通信機でちびうさをサポートする役としてここでセーラープルートが初登場する。後に冥王せつなという人間体で登場する前の出演だった。

 

 最初はルベウスとあやかしの四姉妹の5人がちびうさを狩るために地球に乗り込んで来る。こいつらを片付けると、次には女幹部のエスメロード、プリンス・デマンド、その弟のサフィールがやって来る。悪者がたくさんいたけど黒幕はワイズマンというジジイとして始めからいたデス・ファントム 。

 

 あやかしの四姉妹は姉妹ながらもクソ仲が悪い。隙きあらば全部が全部を出し抜き、蹴落として手柄を立てようとしている。でも、この間のやり取りがコミカルで落ち着くものでもあった。悪者にもコミカル要素があった。当時の若手で今では有名となった声優達が四姉妹を演じているので声優好きとしては嬉しいキャスティングだった。

 

 仲間のことを手駒だと言って切り捨てる悪いルベウスによって四姉妹も切り捨てられる。こいつはクソ野郎だった。四姉妹は後にセーラームーンの力によって浄化されて地球人になって暮らしている。

 

 次にやって来るエスメロードもキャラが立っていた。ボディコン姿でセンスを手にしているバブル女である。ブラック・ムーン一派にもこういうファッションのやつがいるんだって思った。「オーホッホ」の下卑た笑いがうるさいので上司や部下にも注意をうけるというコミカルなキャラ特性が面白かった。

 

 ブラック・ムーン編も後半にさしかかると、今度はセーラー戦士達5人が時を越えて30世紀の未来に殴り込む。東京は結晶化して人が無事に住めたものではないクリスタルトーキョーになっていた。時を越えてのSF展開となってワクワク。

 

 ブラック・ムーンの連中の策略により、街中でインフルエンザが流行る回がある。その回では美奈子ちゃんとちびうさだけは元気だった。

 無印セーラームーンではかなり遅れて登場したため、他のキャラと比べて美奈子のキャラクター性を掘り下げる個人エピソードが少なかった。「R」ではそんな美奈子ちゃんにお当番が周る回が結構あった。セーラーVとして皆よりも先に可動していた先輩戦士だけど、結構ポンコツで意外にもうさぎちゃんよりのキャラだったことが「R」を見れば分かる。

 うさぎちゃんみたいに朝寝坊して学校に行くことになったり、家事とかも出来ない。なにかにつけてことわざ格言を言いたい欲求があるようだが、言い間違えて亜美ちゃんにお利口につっこまれるのがいつしか定番化していくややボケキャラになっていった。

 まこちゃんと恋愛観の違いからぶつかり合って喧嘩する回がある。喧嘩して最後には仲直りしてもっと蜜になる二人を見ていると、「美奈×まこ」のカップリングもアリだなと思えた。何にせよ萌える金星のご加護を持つ戦士だった。

 

 デス・ファントムの精神攻撃でヤミ落ちしたちびうさが大人の姿となって敵に周る。大きくなったちびうさの方がうさぎちゃんよりもセクシーで良かった。悪者だけどこのちびうさもアリだった。

 

 ちびうさの正体は30世紀の未来からやってきたうさぎとマモちゃんの娘ということだった。

 あれだけ小競り合いして揉めたうさぎちゃんとちびうさだが最後には和解し、ちびうさが「ママ」と呼んでうさぎちゃんと抱き合うシーンではウルリと来た。このシーンを見て、私も母を大事にしようと思った。

 

 そんな感じで「R」の方も大変楽しめた。次回作の「S」 の方もゆっくりチェックしようと思う。

 

 

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