こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

倫理観はさておき、覗きは最高の暇潰し「裏窓」

「裏窓」は、1954年に公開されたアメリカ映画。

 

 だいたいのヤツがカレーが好き。みたいな感じで、映画を見るヤツのだいたいに好まれるのがアルフレッド・ヒッチコック。そんな彼が手掛ける見せ方としては地味だが、技法としては最良なものをぶち込んだ名作サスペンス映画、それが「裏窓」である。

 

 1954年と言えば、日本でゴジラ一作目を公開した年でもある。ゴジラと同じ年の作品かと思うとなんだか感慨深い。白黒映画のゴジラをやっていた時に、こちらはカラーで随分ポップな作風に仕上がっているなと思える。というかめっちゃ古いんだな。

 

 この作品、実は人生の中で3回も見た映画である。

 いぶし銀とでもいうのだろうか、ずっと部屋から近所を覗くだけの舞台固定型作品で、舞台がコロコロ変わる視覚的な刺激無き地味な作りなのだが、実に味わい深くてとにかく好きな映画なのだ。

 

 そんな訳で、いつまでも心に残しておきたい「裏窓」という素敵な一作があることを語りたい。

 

裏窓 (字幕版)

 

 カメラマンをしている主人公ジェフは、足の骨を折ってしばらくは車椅子生活を余儀なくされている。

 そんな車椅子生活はとにかく暇。なので暇潰しにすることと言えば、向いのアパートに住む住人たちの観察。カメラマンだからこそ持つアイテムのカメラの拡大レンズ、双眼鏡なんかまで使っている。

 本作はそうしてご近所を眺める、または覗くに始まって終わる作品である。

 

 ある日、観察対象となる向いのアパートの夫婦の内、嫁の方の姿が見えないことにジェフは気づく。そして夫は夜中にこっそりどこかに出ていったりして、言動が怪しい。これは嫁を殺して高跳びするつもりだと思ったジェフは、恋人のリザ、訪問看護師のステラの協力を得て夫の調査を行う。

 

 何気なく始めた覗きから近所の異変に気づき、物語は進んでいく。

 調査と言っても、ジェフは足を骨折していてずっと部屋から出ない。安楽椅子の上にいるだけでも事件を推理してしまうホームズ的な要素を見なくもない。いや、それは違うか。

 

 シナリオとしても最後までどうなるかと続きが気になる面白さがあるが、特筆すべき面白き点は、見せ方の技法にある。ほぼ全編に渡って、ジェフの部屋から見える風景が見えるばかりの作品になっている。カメラはジェフの部屋に固定されたままに話が進む。オチの一部を覗いてずっとこのテイストで攻める。

 カメラマンがあちこちを移動すること無き省エネ手法。ゆえに内容を伝える力を強く発揮しなければならない。

 

 裏窓から見える風景で、向いのアパートに住む人間達のアクションを全て見せているやり方は上手い。

 ジェフが観察ターゲットにするのは、嫁を殺した疑いのあるラーズだが、その他の部屋の住人の生活も窓からしっかり見えている。

 

 普通に自宅窓から他人の家の窓の中を覗くジェフの倫理観もどうかと思うが、それにしても皆さんの生活がオープンすぎる。

 劇中では気温が30℃前後の暑い季節に設定されているからだろうが、住人達は窓全開、カーテンもオープン。これは見放題だ。ベランダの外で寝ている夫婦なんかもいる始末。

 開放感ある時代性、そして人間性がここにある。古き良き時代だったんだろうな。今ならこの不用心はないだろう。

 

 ジェフの窓から見える向いのアパートに暮らす面々はユニークで面白い。

 犯人のラーズのみならず、セクシーな踊り子のミス・グラマー、独り身に嘆くミス・ロンリー・ハート、売れない音楽家などなど、本筋に絡まないユニークなおまけキャラがたくさんいる。このおまけキャラのオンパレードも作品の魅力。名前のあるメインのキャラだけで言うと実にキャラの少ない作品だが、何気にモブはたくさんいる。

 

 ベランダに滑車をセットし、犬を乗せたバスケットを高いところから上り下りさせる家庭がある。あれは今時ならバエルとか言われる面白いものだろうけど危ない。この犬は中盤で犯人に殺されるし。

 

 ジェフの看護に来るベテラン看護師のステラは、エッジの効いたブラックジョークを次々放つ強かな女性で良いキャラをしている。いつの時代もこのくらい図太くないと看護師なんて簡単ではない業務はスマートにこなせないようだ。

 

 恋人のリザに対して、カメラマンとの暮らしは一般人向けではないと言って結婚に待ったをかけるジェフの困った言動が見られた。結婚に待ったをかけるけど、別れたくはないらしいジェフを見ては、さっさとリザをもらってやれやと思えた。向いの殺人者を何とかする傍らで、主人公たちの複雑な愛のやり取りも展開される。いつの世も男女関係は複雑なのが常であり、未だスマート化には至らないと分かる。

 

 ジェフが怪我人で動けないことを逆手に取った演出がとても良い。

 動けないジェフに覗かれていていたことに気づいたラーズが、ジェフの部屋に乗り込んで来る後半シーンにはハラハラさせられた。

 ここで印象的なのは、カメラマンだからこそ放てる必殺のフラッシュ攻撃。車椅子で動けないし戦えないジェフが、相手の目を眩ませるためにフラッシュを焚きまくる描写はハイライトシーンになっている。フラッシュの眩しさを演出するために画面が赤くなるのは、アナログな仕掛けで時代を感じる。

 

 最後はラーズに追い詰められて窓から突き落とされる危険度マックスな流れに。

 しがみついた窓枠から手が離れてジェフが落下する時には、やや荒い合成チックな映像になっているのもまた印象的。

 

 ギリギリ救助が間に合い、一命を取りとめたジェフだが、後日片足骨折から両足骨折となって帰ってくることになる。これが覗きの代償か。

 足にダブルでギプスをつけて昼寝をしているジェフの横で、リザが雑誌を読んでまったりしているラストシーンはなんとも和むもので心に残る。

 

 ジェフが窓越しに見る世界で事件解決まで持って行くこのアイデアは凄い。視点切り替え無しで事件を追うこのやり方は難しかったと思う。

 部屋にいる中でも、ジェフの協力者の女性二人が、女性ならではの視点から、向いの奥さんの結婚指輪の在り処を割り出す展開などは、ミステリーをやってるぽくて良かった。

 

 面白い作品だが、考え方によっては、人のプライベートを覗きすぎなジェフ達もやや犯罪者チックなので、現代向けな作品ではないかもしれない。

 ラーズが犯人とは突き止めたが、窓越しの世界オンリーで詳しく事件内容に迫ることは出来ず、証拠提示や推理の面ではやや描き方が足りないかなとも思える。がしかし、そこは目をつぶっておこう。

 

 贔屓にする映画俳優をあまり持たない私だが、ジェフ役のジェームズ・スチュワートは以前からのお気に入りである。彼が出演した他作品にも名作が多い。ジェームズ・スチュワートが出ているという点でも思い出に残る好きな作品だった。

 

 

 骨折で家に籠もる人生を一生経験したことがないのだけど、その時に備えてカメラや双眼鏡を用意しておくのも良いだろう。もちろん覗き対象は空とか鳥とかのセーフなヤツにするので安心だ。

 

 

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2021年のアニメ感想(7月~9月)その1

 やっと秋めいて来た。

 9月に入ってからは、夜中に扇風機のタイマーが切れてから暑くてまた起きるというムカつく二度寝をせずに朝を迎えられるようになった。これは嬉しい。

 

 ムカつく程暑かった夏を盛り上げた質の上下、または優劣あれこれなアニメ達を振り返る時がやって来た。つまりはクールの変わり目である。

 

 ここで3ヶ月間を振り返り、各作品を今後の人生のお供と呼べる楽しい記憶にするのか、時間を無駄にしたアレな作品でムカついたと記憶するのか、箸にも棒にもかからない空気な作品だったと忘却の彼方へと送るのか、それぞれ決定づけて行くのだ。こうしてメモリーの整理をし、オタクは次のシーズンを迎えるのだ。

 

 というわけで7~9月放送作品をサクッと振り返る。

 

 全体的の感想として、やはり異世界ファンタジーとかなろう系とか言われるものが多い。マジであの手この手で行きたがるし、そんで帰ってこない。

 異世界好きは国民性だと思うし、私も好きで見るのだが、これだけあるとしつこい。いつまでコレで食っていけると思ってんだ、とも思う。

 昨今のこの手の作品群には、本放送が終わった翌年なるともう誰の記憶にも残らないのでは?とまで思えるようなアレなのもちらほら見られる。

 

 異世界ファンタジー系は、一度はブームに乗ったが、もうここらで天井が見えて頭をぶつけてそのまま上を目指せないのでは?とも思う。この天井を割ってジャンルをもっと高尚なものにしてくれる稀有な作品が上がってくるのを待つ。

 ぶっちゃけ、今の時期は「ダイの大冒険」という正統派な勇者のアニメがあるので、ファンタジーとか勇者とか魔法とかはアレ一本で十分かな。ダイの後に見たらよそが似非ファンタジー、似非勇者物語って感じ。

 

 昨今では1クールあれば2、3作品くらいはCGアニメが上がってくるようになった。そんなCGアニメの進化の可能性を危険たらしめた作品「エクスアーム」なんてのがちょっと前に放送していたが、現状を見れば大丈夫だ。今期やっていたよそのCGアニメは、アレと比べれば非常に良く出来ていた。CGアニメ発展にも注目出来るものがある。

 

 なんだか気持ち的に前クールよりも見るものが減った気がする。

 新作がやや少ないと思う一方で多く目立つのが再放送作品の多さ。下手な新作よりも上手な再放送が喜ばれる。そんな押しの弱い想いでクリエイター達に仕事をされるのは困るが、まぁ良いものがたくさん生まれない時代ではあるので、楽しい再放送もまた一興。

 

 あとは五輪のせいでアニメが休止になったことも印象に残る。特にNHKの作品がそう。ラブライブはどんだけ休むねん。アニメ好き的には、大運動会の弊害がココに見られた。

 

 では、見たやつを個々に振り返ろう。

 

 

不滅のあなたへ

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 後半クールから舞台が大きく変わり、治安の悪い離れ島がメインになる。

 新しく合流したヒロインのトナリが可愛い。浅黒い健康体で好き。

 

 作中随一の巨乳お色気枠のハヤセがフシを追って再登場する。昔と違って出で立ちに変化があり、フシ大好きなヤンデレヒロイン化していた。フシと子孫反映が目的みたいな感じの愉快な変化を迎えたな。やや変態チックな魅力が見えてこの感じは悪くない。斎賀みつきの演技も好き。

 

 化け物が人間に寄生してゾンビ化するというファンタジーホラー展開を迎えたのも意外な流れの変化。トナリの友人達が次々と化け物に殺られる展開は鬱。

 

 最後の最後でピオランの謎に迫る展開となった。OPで歩いている謎の少女は若き日のピオランだったのか。

 流転する命を描く作品だからこそ印象的な点は、加齢によるピオランの身体の老化のみでなく、認知症の現れも描いた事。徐々に命の終わりに迫るピオランの変化を描く展開を見ると可愛そうで寂しくもなる。だがこれが人間の真実だからとフシは学ぶのである。奥が深い。

 

 登場人物の多くが死者となるシリアスさもある作品だが、深いテーマ性と質の高いドラマ性があって面白かった。

 

 ラストではおっさんになったフシが登場。どういうこと?気になる。

 ここからは続編となるらしい。続編放送はきっちり一年後の予定になっている。少なくともそれまでは私も不滅でいなければならない。

 入間くん、進撃の巨人、キングダムなど、NHKは良いカードを持っているが、それを連続で切ることなく間をたっぷり開けるから厄介。しかし未来が楽しみだ。 

 

魔入りました!入間くん(第2シリーズ)

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 第2シリーズもとうとう終わってしまった。21話でおしまい。ちょっと短いなぁ。

 同じくNHKが手掛けた「不滅のあなたへ」も2クールにしてはやや短めだったし、もうちょっと頑張れたろうとも思う。

 

 二期では入間くんのお友達の活躍がよく目立つ。

 大怪獣が登場して大事件にもなる遊園地編はひとつの見所。入間くん以外の連中はそれぞれこんな能力を持っていたのかと分かるものになっていた。そしてやはりカルエゴ先生は強いということもしっかり分かるものだった。

 

 遊園地のドタバタの中、捕まったキリヲ先輩が影でメキメキと動き始めるもうひとつの物語も気になる。ヤンデレの悪者なのかな。彼の真意がいまいち読めないのが不気味。

 

 アメリが推しなのである。

 そんなアメリ会長が、オフの日に入間くんと水族館デートする回は萌えた。めっちゃ乙女を出してくるのが良かった。主人公よりもデカくて逞しいヒロインってのも悪くない。

 

 あとロノウェが面白い。メインどころのキャラではないものの、モブにしては主張が強くい。そんな面白い立ち位置のネタキャラで好き。

 

 危険度なく安心して見れるから何気に気に入り作品だった。

 どうやら3期もくるっぽいので次に期待。

 

ヴァニタスの手記

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 ながら見程度で視聴のため、最終回までタイトルは手記と書いてカルテと読むことに気づかなった。

 

 吸血鬼達の物語でバトル多め。

 作中では吸血鬼のことはヴァンピールと呼んでいる。ちょっとおしゃれな言い方。

 

 超然としたヴァニタス、堅物のノエのコンビがメインを張る。どこかホームズとワトソン感があるという感想が出る私はやはりシャーロキアン

 

 ストブラとかでもそうだが、吸血衝動には割と多めに性の本能が絡むらしい。よってそのシーンはエロい、言い方をマイルドにすれば色っぽい。

 ノエがドミニクの血を吸うシーンが忘れられない。大きく喘くとかでなく、細かい息遣いの芝居で、吸血される苦痛と快楽を演じたドミニク役の茅野愛衣の芝居力はグッド。

 

 恐らくチョロインに分類されるジャンヌは可愛いヒロインだった。

 

 主役のヴァニタスは花江夏樹が演じている。今期だと異世界道中、死神坊ちゃんでも主役で出てたくさん芝居をしている。役者としてヒットしたのは良いが、仕事やりすぎて死にそうにならないのかとちょっと心配。

 

乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…X

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 順調に破滅ルートを回避しての第二期。まさか二期が来るとは……。とにかく内田真礼推しなら見るしかない。

 

 今回もカタリナがモッテモテ。序盤では誘拐されるが、誘拐に加担したソラのことも落としている。それから弟のキースも後半では誘拐される。今期は姉弟揃っての誘拐ルートが見れた。

 

 周りから寄せられる行為に面白い程気づかない彼女の鈍感さは、リアル女なら無理だけど、悪役令嬢でコレならアリ。

 

 今回の注目ポイントは、カタリナの活躍よりもジオルド、キースの恋する男達それぞれの物語が進展したこと。

 ジオルドは一応正式な未来の旦那なんだからもっと頑張れやって前から思っていたが、意外なのはキースも王手を仕掛けるべく動き出したこと。頑張る弟くんの姿を応援したくなる。姉に対して持つ野獣の本能を全力で抑制しに掛かる弁えた弟な点が良い。

 

 最終回ではカタリナも学校を卒業して就職。そこでまた新しいゲーム攻略対象男子が登場。3期への橋渡し的な感じにはなっているけど、まぁ3期はもういいかなって感じ。とか思っていたら、劇場版が決定したらしい。破滅ルート作品のはずが、意外にも出世ルートを歩んでいる。分からないものだなぁ。


Obey Me!

 サクッと終わる美男子コメディー枠。

 男共が集まってダラダラして楽しくはしゃいで終わる。そんな一作。多くの感想が出てくるようなものでもない。

 

カノジョも彼女

カノジョも彼女 Blu-ray Vol.3

 

 一瞬「かのかり」続編が来たのかと思ったが、彼女要素があるだけで別物。

 

 彼女公認で二股をしよう。愛多き男ならそれが叶えばと一瞬くらいは想うはず。でも思うだけでそれ以上の行動に出ることはない。だって世間的にはそれはタブーになっているから。そんな事情を乗り越え、覚悟を決めて正式に二股に出る直也少年の青春が描かれるラブコメディー。

 

 正直な思考だとは思うけど、ゆえになかなか狂った発想の下展開されるアニメだと思った。このアイデアは面白い。出落ちネタに留まること無く、ラストまで公式二股の設定を面白おかしく活かせていたと思う。

 

 二股をしたがる突飛なヤツだが、直也は良いヤツ。

 

 二番手でも良いからと言い寄ってくる渚ちゃんがそもそもの原因だが、本命の咲ちゃんの方も真面目かと思ったら序盤早々に曲者変人女だと分かる。そして二人共そこそこにスケベ。

 そんな感じだからヒロイン二人と主人公で同棲しちゃっている。狂った世界感が楽しい。そしてヒロインが可愛い。

 あやねると和氣あず未でツインヒロインを張るという組み合わせも新鮮。そして良き組み合わせだった。

 

 3人目の彼女にしてくれと押しかけてくるミリカのキャラ性が強烈過ぎた。ガッツのある面白ユーチューバー女。

 最終回で実は4人目の紫乃も直也が好きだと発覚。紫乃は今度どのように話に絡んでくるのだろうと気になる所で終了。 

 

 なんか楽しかったし可愛かったので二期があったら見たい。

 

探偵はもう、死んでいる。

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 通称「たんもし」というらしい。このネーミングセンスを見るに、作家は北斗の拳好きなのかと予想出来るものだが、真実は闇の深奥。

 

 これと「僕リメ」は今期の中では気合の入った一作だったらしく、一話目が1時間スペシャルだった。

 最初から死んでいるからやる気のない作品なのかと想いきや気合は十分に込められている。

 

 名探偵のシエスタちゃんがいて、主人公の君塚くんは名探偵の名助手。ワトソンくん立場から展開する物語。昔ながらの主人公らしく過剰なまでの巻き込まれ体質の彼の青春に注目出来る。

 

 思えばタイトルにネタバレがあったわけだが、それにしても第一手目に切ったカードがメインヒロインのいきなりの死だった点にはビックリ。「あのはな」「クロスゲーム」の衝撃の再来だな。

 天使のように可愛く、そしてめっちゃ強いシエスタがいきなり逝ってしまったことにはショック。

 

 心臓を引き継いでヒロインが夏凪へバトンタッチという流れは意外。でもシエスタの退場を惜しむ意見でもたくさんあったのか、現在はひとまず置いてのシエスタ存命の過去編を長くお届けした。夏凪には悪いけど、シエスタメインの過去編が楽しかった。

 

 中盤回では、酒を飲むことで一気に普段のガードが下がったシエスタがヤバい程デレる神回が存在した。酒の流れでベッド・インした二人は最終的にやったのかどうか、そこはボカしていたので謎だった。しかし、最終回で答え合わせ完了。何もなかったということだった。それはそれでよろしい。

 

 キーパーソンの二人が探偵、助手の関係ということでもちろん推理ミステリ要素もあるが、意外にファンタジックで異能力、超兵器を用いた超人バトルの要素もあり、バラエティに富んでいた。

 

 とりあえずシエスタが可愛かったから、それだけで放送した価値があった作品。

 

死神坊ちゃんと黒メイド

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 手で触れた者を亡き者にと変えてしまう。そんな死の呪いをかけられた通称死神ぼっちゃんが、メイドのアリスに逆セクハラを受ける楽しい毎日をお届けする一風変わったラブコメディ。

 黒執事に飽きたならこちらの黒メイドをお勧めする。

 

 ヒロインのテンションは異なるけど、やり口としては前期放送の長瀞さんと同じではないか。よって好きだな。メイドのアリスには絶妙なSっ気があるので、耐性の無いMはご用心。

 

 呪いを説かない限り一生童貞どころか、好きな相手とキッスも手を繋ぐことも出来ない。これは切実な問題だ。坊っちゃんが可哀想すぎだろう。なんとしても坊っちゃんが笑顔で老後を過ごせる未来が来て欲しい。こんな感じで応援して見てしまう。

 とか言ってもこちらはヒロインのアリスメインで見ている。彼女の気ままな逆セクハラアクションには毎話ドキドキするものがある。めっちゃ可愛い。お声も大変マッチしている。

 

 回が進むごとに坊っちゃんもアリスもデレて、この手のラブコメにしては序盤から好き好き言うし、態度でも見せている。そんな点も愛しき作品。

 

 普段はいたずら心満載で童貞の柔なハートを翻弄するアリスだが、実は坊っちゃんに心を救われた事を感謝し、主従の関係を越えたたたっぷりの愛も持っている。それが分かる心理の掘り下げにキュンと来るものがある。坊っちゃんからもらったシオシオに枯れた花をいつまでも大事に持っているアリスの一途な点には萌える。

 

 目の悪い執事のロブ、しっかり者かと思いきやギャグ要員だった妹ヒロインのヴィオラらサブキャラも個性的で良い。ヴィオラのおっさん趣味も面白い点。

 お屋敷の外から来るカフ、ザインのコンビの間にも若干ラブコメ感が見えて良い。巨乳の雰囲気ではないけど巨乳なカフも可愛い。あけすけに誰彼構わずセクハラ発言をぶつけるザインも面白い。

 登場キャラはが少ないが、その分キャラは個性的で良い。 

 

 なんと続編が決定。今期の楽しい枠だったので続きも楽しみ。

 坊っちゃんの呪いが解除されないまま終わっているので、呪いを説いてアリスと添い遂げる平和なオチが見たい。

 

精霊幻想記

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 主人公が異世界転生する前の交通事故は凄惨なものだった。

 すっかり新しい命でもなく、今いる異世界の少年の記憶に、転生前の自分の記憶を重ねたややこしい状態で異世界編がスタート。

 

 主人公リオの顔とか服装とかがどうにもSAOのキリト君ぽい。そして声も同じく松岡くんだし。あれ、俺またキリトやってるの?他作品なのに?と松岡くんも思ったかもしれないが、一生口にすることはないだろう。

 

 何も悪いことをしていないのに、本編2度に渡り主人公が悪党に疑われて襲撃にあうのが気の毒。

 

 一つ所に留まるものではなく、リオがあちこちを冒険する展開にとなる。その先々で可愛い子ちゃんに会い、この手の作品定番のモッテモテ状態になる。

 

 ヒロインの中ではセリア先生が可愛かった。

 ヒロインが可愛良い点が良かったっていうのがざっくりな感想。その他に別段強く光る点もない。

 

 最後の最後で前世の知人だったヒロインが転生してきて、ここから第二章って感じで終わっている。でも、二期は別にいいかなって感じ。

 

 

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爽快感増し増しの第二弾「スペースインベーダーエクストリーム2」

スペースインベーダーエクストリーム2」は、2009年に発売されたニンテンドーDSソフト。

 

 最近になってやっと00年代のゲームが身近に感じる。レトロゲームで慣れた勢から言うと、10数年前のこのゲームなどまだまだ新しい。そのくらいに刺激的なゲーム。

 

 昨年偶然出会ってハマった前作を遊んだ後、すぐに続きのこちらも押さえておきたかったのだが、それには難しい都合があった。

 1の方は数が出ていて安く買えるのだが、2はどうやらレアのようでお店で全然見たことがない。そして在庫があったとしても、5000円を越える価格で出るのが当たり前らしい。なんでこんなに高いんだ。

 

 去年に一度ヤフオクで見つけたのだが、懐が温暖化を迎えたムカつくマニアに競り負けてゲットならず。もうゲットは無理かと諦めて日々が過ぎ、今月になって偶然ショップで発見。当然一点物なので即ゲットした。

 ちょっとネットで調べたところ、相場よりはお安く買えたと分かる。だが、全く安くはない買い物だった。

 

 最近はプレ値のついたDSのレアゲーを集めるのが密かな趣味になっている。これもそれらの仲間に加わって嬉しい。

 

 やっとゲット出来た本作を大事に遊んだ結果、すごく面白い。

 レベルアップした第二弾の威厳を見た。

 

スペースインベーダー エクストリーム 2

 

 ドン!とデカいインベーダーが飾るジャケ写は、シンプルイズベストな良き作り。

 デジタルとおしゃれを融合させた前作ジャケと打って変わって、2の方はこんなにシンプルになっているのが意外。このままTシャツにプリントしてもイケるデザイン。

 

 今回も面白さはそのままに、新要素が加わっている。

 

 光るUFOを撃つと始まるラウンドチャンスは、別画面に切り替わるのではなく、下画面ではゲーム続行、上画面でラウンドチャンスが始まるという仕様に変更されている。これにより、上でも下でもミッションコンプに忙しいことになる。両画面を交互に確認できる広い視野を持っていないといけない。これは目と脳がぐるぐると働いてくれる。

 

 上下画面に注意にしてのプレイが肝心となるので、これは脳と目が元気な若い内にしか戦えないかもしれない。シニアになるとキツイのかも。

 シューティングは目が元気な内にやるに限る。

 

 上画面に表示されるビンゴも新要素。アイテムと敵のぶっ飛ばし方によってビンゴがヒットする。三マス埋めてビンゴになれば、楽しい上下画面ぶち抜きのフィーバータイムに入る。

 ビンゴを当てた時が最も爽快感あるぶっ飛ばしシューティングとなって良い。

 あとは青いアイテムを取って貫通ビームをぶっ放すのもかなりスッキリして良い。

 

 要素が増えて難易度も上がったと思うが、その分素人に優しいビギナーモードが搭載されている。しかし、長年娑婆で慣らしたインベーダープレイヤーの意地にかけてもそんな温いモードで遊ぶワケには行かない。私は通常モードでハードコースに進んでボスまで行ったぜ。

 

 このシリーズだと各ステージ当たり前のように巨大ボスが登場するが、考えてみればスペースインベーダーでボスキャラって概念も初期の頃から考えると新しい。

 ザコのバリエーションもやはり豊富で、瞬間移動したり反射バリアを持っていたりと向こうのやり口も様々。

 さすがにハードコース最終面のボスはキツかった。

 ゲキムズまでは行かずの程よい難易度だった。

 

 BGMもやはり拘っている。ファミコンのインベーダーを遊ぶととにかく音が少ないゲームだなと思ったものだが、それがこんなにもなるのか。なんだかゲーセンの中にいるような感じのする賑やかでテンションの高い楽曲が各ステージを盛り上げている。

 前作は音楽面ではクールに攻めることに重点を置いていたようだが、今作ではそれにポップさも加えたことを売りにしているという。クールとポップな音楽が生む世界感に酔いしれるのも良い。BGMも名曲だな。

 

 ちょっと涼しくなった夜のお供に活躍した一本だった。とにかくスピーディーに楽しめ、死んでもすぐに再挑戦を繰り返す内に楽しくて時間を忘れる。なかなか中毒性のあるゲームで良い。

 

 改めて地味だったインベーダーがこんなにも派手なシューティングになるかねとびっくりだった。形を変えていつの世も生き残る力があるのは凄い。

 聞くところによると、ここから更に10年経ったSwitch版のインベーダーもあるとか。Switchは持っていないのでプレイ出来ないが、先にソフトだけ押さえておこうかな。

 

 というわけで今から買うとなるとどうしても高くつくが、これは遊ぶ価値ありの面白いゲームだと言える。

 

 

 

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