こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

ニジガク2期からの追加3人のソロ曲CDやっと来た!

 この春、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会にすごい新入りが3人も追加された。何れもソロシンガーとしてドカンと景気よくデビューを決め込みやがった。

 

 最初のランジュの時から派手に度肝を抜かれた。この春1番ひっくり返った衝撃はいきなりランジュが歌ったアレだったな。そんなランジュの曲も入った新入り三人のソロ曲CDが本日やっと発売された。

 まじでどんだけ待たすねん。ランジュのソロ曲なんて1話で流してフル解禁は最終回直前だからな。先行配信という革命的に素晴らしい紹介方法があるのだからそっちでやってくれよと思いながら長い間待った。そんな訳でこの春から今日にかけて得たスキルの一つがお預け耐性だな。

 速く聴きたいと思っていた3人の新曲のフルがやっと聴けるようになって良かった。ノリノリで聴いているぜ。

 

 全部神がかって良かったな。手を抜くはずもないが、どの曲もマジで作ってマジで歌っているなと分かる。こんなにすごいのが三人も追い上げて来るから、さしものラブリーキュートのスーパーアイドルかすみんもちょっとビビっているかもしれない。

 

 この新入り三人だが、聞く所によるとスマホゲーム世界線ではなかなかに悪名高いのだとか。アニメ参戦に向けての前評判が怪しかったらしいが、こうなったらそれも見事払拭だろう。アイドルとして最高に光を放っていたし、嫌味のあるキャラ性は皆無だった。めっちゃ可愛いやん。ゲームは遊んでいないから知らないが、新入り三人もかすみんとかとセットで惜しみなく推せる。なんて愛せる同好会なのだろう。素晴らしい。

 

 三人が新曲をリリースするにあたって、三人の既出曲をしっかりチェックしておいた。その上で楽しく聴いた感想とかを書き殴っていこう。

 

Eutopia / 鐘嵐珠(CV.法元明菜)

TVアニメ『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』2期 挿入歌 「Eutopia / EMOTION / stars we chase」【鐘 嵐珠盤】

 

 去年出会ったクゥクゥちゃんとは異なるアイドル性を持つ中国からの刺客。すごいアイドルが入国したものだ。

 あれだけ広い国だから何を隠すにも向くはず。そこを探せばきっと凄い才能が見つかるはずだろう。で、探せばやっぱり隠れていた中国の凄い才能。すごいなぁ。

 

 第一話で披露した時の衝撃はまだまだ新鮮な物として記憶している。

 イベントの途中でかすみんやカリン先輩の恥ずかしい映像(←助かる)が垂れ流しになる機材トラブルを受け、一部の客が帰り支度をし始める。それを阻止すべくランジュが場繋ぎでゲリラライブを行う。その時に放った傑作が「Eutopia」。この場に人心を釘付けにすると宣言し、その通りの結果を呼び込んだ有言実行の女の圧巻のライブだった。めっちゃ格好良い曲で感動した。

 

 怪しげな雰囲気を放つイントロ部分から徐々に盛り上げ、サビではめっちゃ格好良くなる。構成が素晴らしい。なんだこの心地よい中毒性は。

 日本語、英語、中国語全部入り構成の新時代音楽がここにある。

 1番の歌い終わりになんか言ってる可愛いところはMVのままCDにも入っていたので助かる。

 

 そしてランジュ、めっちゃ格好良いじゃないか。というか思った以上に諸々デカい。これまた超人高校生が来たな。

 MVの出来も素晴らしく良く、ランジュはここまで可愛いし格好良い、そしてエロいというPRを最大限行った内容になっている。最初25秒くらい回した所でくるりとターンした時のランジュの顔がめっちゃイケメンで美しい。

 

EMOTION / 三船栞子(CV.小泉萌香)

TVアニメ『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』2期 挿入歌 「Eutopia / EMOTION / stars we chase」【三船栞子盤】

 

 まさかの姉もスクドルだったという魂の系譜を経て我らが八重ドルがデビュー。八重歯はときめく乙女の強い武器。

 栞子のジャケ写だけめっちゃ顔がアップなので助かる。引きだとご自慢の八重歯が見えないので彼女だけこのようなお得な構造でのショットになったのだろう。

 

 心揺さぶるエモーショナルポップスですごい出来だ。

 最初はアンニュイな表情の栞子がしっとり目に踊って歌い、サビに行程音が増え、テンポもアップしてノリ良くなって行く。そして栞子も笑顔を見せてくれる。MVも曲も魅せ方が素晴らしい。

 トラックの作りが秀逸。全体的に静かめだけど後ろでワシャワシャ音がしているのがお耳に心地良い。

 小泉萌香の声が良すぎる。格好良い声なんだよな。サビパートの歌い方なんて最高。喉が微細に震えて音が鳴っているような感じ。聴かせる声をしている。

 

 姉との確執を越え、素直な自分を解放したことで栞子の新たな時間が動き出す。アニメで画かれたその流れを組んで聴けばより一層エモくて良い。

 

 構成として気になるのは、1番、2番、大サビの3回のサビ歌詞が全て一緒なこと。普通なら歌詞を変えて来がちだが、この曲は全部一緒。それだけ一貫して言いたい事はコレだと明らかにしている事が伺える。これはこれで「決意の光」と言える曲だった。

 ラストの「あなたに届け」のところを重ねて強めに歌っているのが最高にエモーショナル。

 

 あと、MVの衣装が「Poppin' Up!」の時のかすみんとちょっと似ている。

 

stars we chase / ミア・テイラー(CV.内田秀)

TVアニメ『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』2期 挿入歌 「Eutopia / EMOTION / stars we chase」【ミア・テイラー盤】

 1番最後の12番目のデビューとなった。栞子のデビューの後に9人時代のトキランがリブートし、そこからミアのターンだったから待たされたな。この子、いつ歌うの?と思って待っていた。

 

 今回の新曲は3つともラブライブアイドルぽくない玄人思考な楽曲だと想うが、これはその中でも別枠の全編英詩と来ている。凄いなぁ。

 3曲ともアニソンだというアナウンス無しに有線で流れたら普通にソロシンガーがやっているのだと思ってしまうだろう。中でもミアの曲は普通に洋楽過ぎる。

 これが音楽家テイラー家の血なのか、すげぇ。エリザベス・テイラー以来のすごいテイラーが来たなぁ。

 

「Toy Doll」の時とはややテイストが違うものの、元気なお声で歌う点は共通して良い。

 内田秀の英語の発音がすごく良い。声もちょっと男子寄りで格好良い。イケボアイドルだな。

 英語はムズいのでしっかり理解できないが、とりあえず心地よいポップスで好物。

 

 MVで猫耳パーカーを被っているのは可愛い。

 去年出会ったライスシャワーに次いでハマった前髪で片目隠し系ヒロインだった。この収穫は大きい。

 

 

 

 そんなこんなで3曲のどれを聴いても幸せになれるものだった。決して蛇足ではない充実内容な新入り達で嬉しい。

 これで12人分の新しいCDが出揃ったわけだが、聞くところによると挿入歌CDはもう一枚残っているとか。これは最終回で何かやるはず。それがCDになるはず。とても楽しみだ。

 もう最終回とか寂しすぎるが、今までのCDを聴きながらその日に備えよう。

 ニジガクには青春を彩る素敵な音楽をもらった。スバラシイ~コエノヒトだらけの同好会にありがとう。

 

 

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重いドラマ性に見応えがある「鉄人タイガーセブン」

「鉄人タイガーセブン」は、1973年10月から1974年3月まで放送された全26話の特撮ドラマ。

 

 いきなりだけど、人生ここへ来て改めて特撮が良い。それもうんと古いの。

 ここには夢を売るロマン、それを最大限魅せる工夫が詰まっている。当時の職人達の熱意の集合体がこんな古い作品に詰まっている事に感動する。

 この時代の作品を見れば、古い人間が作った古い物なんだけど、しっかり今を生きている人間の熱を感じる。だから昭和特撮は良い。そんなことを言う一方で仮面ライダーバイスとかの最新の物も見て楽しんでいるんだけどね。別に今を否定する訳では無い。

 懐古主義にも浸れば、今日放送の物だって見る。温故知新の心得があれば人生は楽しいのだ。

 

 とかなんとか想いつつ見た古のヒーロー「鉄人タイガーセブン」が面白かった。これは味わい深い一作だ。

 

 ネコ科の獣マスクをしたヒーローなら「快傑ライオン丸」「風雲ライオン丸」が先にいたが、これもその系譜を辿って誕生したテイストのやや異なる一作。

 顔はトラ、その下は青のスーツ、グローブとブーツは赤い。先日見たスパイダーマンとメインカラーは一緒だった。このキャラデザは今見ると結構衝撃的。

 

 本編を知りもしないのに、その昔にはタイガーセブンの200円ガチャポンフィギュアを親から与えられて遊んでいた。手が通常モードとファイトグローブで付け替えれる仕様だった。付け替えパーツも失くさないようにして今でも持っている。

 そんな名前と存在のみを知っていたタイガーセブンをしっかり全話視聴出来て嬉しかった。

 

内容

 物語の最初の舞台はなんとサハラ砂漠

 滝川博士達探検隊は、ピラミッドの奥底に封印されしムー一族についての調査をしていた。ピラミッドの奥の扉を開けることで、1万4000年前に地下に閉じ込められたムー一族の封印が解かれてしまう。ここから、自分達を地下に封印した人類に対するムー原人の逆襲が始まるのだ。

 

 恐ろしいムー原人の内の一人砂原人は、人間の心臓を取り出して殺すというエグいやり口のハンターである。

 オートレーサーの主人公青年 滝川豪は、砂原人に心臓を抜かれて死んでしまう。そこで父の滝川博士は、人工心臓を移植して息子を死の淵から救う。

 手術後、豪はエジプトの守り神(トラ)を模したお守りペンダントを父からもらう。このペンダントが不思議な力を発して豪は鉄人タイガーセブンに変身するのだ。

 

 遺跡調査中、滝川博士達調査チームはムー原人に皆殺しにされる。父の無念を晴らし、地底から始まる地球侵略を食い止めるためタイガーセブンは戦うのだ。

 

感想

 サハラ砂漠の遺跡調査から物語が始まるという開幕展開は興味深い。なんと壮大。

 封印されていた連中を見れば、あんな危ないのは1万年でも2万年でも封印決定だなと思える。

 調べたところによると、実際にそんな遠くに行くわけもなく、撮影は国内の砂丘で行ったのだという。そしてバックのピラミッドは上手いこと合成している。夢の膨らむ世界を映し出すための工夫が出来ていて良いではないか。

 

 ゴレンジャーのように序盤数回分の怪人は一気に情報解禁スタイルになっていた。

 初回から登場のマグマ原人や河童原人、ミイラ原人らは、どれを見ても普通にキショい。ミイラ原人ってムー原人を地底に置いておけば普通に出来上がる産物じゃないのか。

 タイガーセブンだってヒーローにしては結構歪なデザインだし、そこへ来て敵は怖くて不気味。特に敵キャラは子供達から人気がなかっただろうな。幹部クラスの黒仮面が1番まともな見た目だったかもしれない。

 ギル太子の無って感じの表情も不気味。

 ボスのムー大帝は脳髄のみで生き残っている状態だが、それだけの姿でも帝国全員を支配して指示するだけの念力を持っている。ボスが脳みそだけってのも子供向きにしては怖いよな。

 

 結構尖った所や硬派な所もありの作風が他とは違う要素として楽しめる作品だった。

 

 豪はタイガーセブンに変身出来る事を味方の高井戸研究所の皆にも敵にも伏せている。

 多くの特撮モノの仕組みとして、ヒーローが戦っている肝心な時に主人公の姿が見えないのは暗黙の了解として登場人物も深くツッコんでこない。だって主人公=変身ヒーローなのだから。

 でもタイガーセブンでは、豪がいなくなってタイガーセブンが出てくる事について作中キャラが触れてくるというある種のタブーを含むドラマ展開が見れる。

 戦いの途中で姿が見えなくなった豪の事をビビって逃げたと北川が罵るシーンがある。もちろん変身を見られないために隠れたわけだが、それを言えないので豪は罵りを受け止めることしか出来ない。こんな感じで、正体を言えないことために豪が苦しむ事が結構ある。

 

 高井戸研究所のメンバーでムー原人討伐に当たることになる。

 高井戸博士は協力を得るため、早い段階で政府に原人達の存在を報告している。OPで高井戸博士が国会議事堂に向かうシーンがあるが、多分その時に報告を終えているのだろう。

 怖いことに、話を聞いても誰も原人の存在を信じてくれない。警察やその他の人物に話しても信じてもらえず「気違いだ」と言われ一蹴される。

 父の北川博士が砂漠探検に出たことについても、新聞では気違い博士と揶揄されていた。

 現在では放送禁止ワードになっている「気違い」をしっかり使い、初回から3、4話連続で高井戸チームは一般人からその扱いを受ける。この言葉をこんなに毎週聞くことになる番組も他に無いわな。

 

 ただ信用されずにバカにされるだけならまだしも、酷い時には警察に罪を疑われて豪が窮地に陥ることもあった。

 敵は規格外の化け物だから物理の問題で既に打倒がキツイ。加えて精神的にキツイのが、同じ人類から信用と協力を得られないこと。これについて豪は、自分達の戦いはなんて険しい道なのだと語っている。北川も人類のために戦っているのに、その人類から理解を得られないことで苦悩するシーンがある。

 かつてない脅威を相手取るにはこのような難しさがあると分かった。確かに、いきなりムー原人が攻めてくるなんて聞いてすぐに信じる方もどうかしているって話だな。難しい人間同士の信用問題について扱っている。

 

 他にはタイガーセブンに兄を殺されたと勘違いした姉弟がタイガーセブンを言い攻める酷い展開もあった。仮面ライダーだって序盤では父を殺した悪党だとヒロインから勘違いされることがあったが、それよりも事態は深刻で放送2回に渡って疑われることになる。

 瀕死の者に牙で噛みつき、そこからエネルギーを注入して蘇生させるという見た目としては紛らわしい救助だったためタイガーセブンに殺人の疑いがかかる。しかも兄が襲われていると勘違いした妹がタイガーセブンをナイフで刺してしまい、施術が強制解除となり、待っておけば助かった兄が死んでしまう。

 最後に事実を知った方は、タイガーセブンを疑っただけでなく、救えた命をみすみす逃したという二重のショックを受けるシナリオになっていた。よくもこんなキツイ話を考えたな。

 この姉弟はタイガーセブンを罵ったし、弟の方は逆恨みからタイガーセブンを騙して敵に売り渡すという悪行も行っていた。可哀想な姉弟だが、見ていて「勘違いしやがってバカ野郎!」と思わずにいわれなかった。タイガーセブンが可哀想。

 

 その他の問題のシーンは、バイクで敵を追い詰める中で豪が子供をはねてしまうこと。これはシンプルに人身事故で警察が来るヤツ。これには仲間からもバッシングを受ける。事故を起こして精神的ショックを受けた豪は戦意喪失して一時的に変身出来なくなる。

 正義のヒーローだって人をはねたら冷静でいられるはすがない。確かに戦いの中で起きても不思議ではない事故だが、それをドラマで扱ったのは何だか凄い。

 ちなみにこの時豪が追いかけていたのがコールタール原人というこれまた変わり種のやつだった。子供が何のことか分からないだろう。どこからネタを引っ張ってんだよ。

 

 鼠原人、犬原人ら動物の仲間達の原人が出る回には社会派なメッセージも込められていた。人間は動物の敵としてターゲットにされる。犬原人の回では、犬が家畜化されて人を警戒しない方がおかしい話だと言及されている。この回の犬原人の最後は悲しいもので後味が悪い。仲間を呼ぶ遠吠えも届かない都会の喧騒がある。

 

 悩める青年の豪に最も注目が集まるが、熱い男の北川さんも好きだった。豪の仲間の北川史郎は良いキャラだった。

 北川の父が敵の手にかかって死ぬことや、危険な任務にある事を心配した妹が兄を連れ戻しにくるなど、北川目線でも結構なドラマが展開する。北川さんは暑苦しくて格好良いザ・昭和の男気って感じがして良い。

 チームの仲間同士ではあるけど、序盤から最後にかけて所々で豪と北川のギスギスした関係性が見えるのも印象的だった。最終回まで揉めてしまう2人の関係性は気になる。

 

 そんな北川さんだが、勢いのみで言動に出る無謀な男ではなく、勢いのままにしっかり強い。変身無しなら豪よりも丈夫で戦闘力が高いのではなかろうか。父を殺された怒りから捨て身の突撃で海坊主原人を倒してしまったのは凄すぎる。変身無しで怪人を倒してしまうとか超人的な偉業。

 

 全体として作りが硬派すぎて子供受けしないだろうなとは思っていたが、特にそうだったのがクライマックス展開。

 ラスト2話はとにかく話が重い。流れをギリギリ理解出来るくらい年齢の子供が見ていたらトラウマになるかもしれない。そんな鬱な空気が漂っている。

 

 25話では無害な少女が敵に殺され、少女と触れ合って悪には無用の感情が芽生えたマリオネット原人も処刑されてしまう。少女とマリオネット原人が手を繋いで絶命している画は子供が見るには酷。

 これも見て、もうこんな悲しいのも怖いのもたくさんだと思ったタイガーセブンは戦場から逃亡する。何もかも忘れてバイクでぶっ飛ばしたいという願いから豪はオートレーサーに戻る。若い青年が背負うには怖いしキツイ運命だったと分かる。

 多くのヒーローは基本的に一年、ゴレンジャーみたいにそれを越えて戦い続ける者達もいる。タイガーセブンは半年で精神の限界が来たが、決してハートがヤワな弱虫ではない。むしろこんな状態で半年間逃げ出さなかった事を評価すべき。

 

 戦いの日々に精神が疲れる事にプラスし、主人公は迫りくる死とも対峙することになる。戦っても逃げても死は追ってくる。これは怖すぎる。

 第1話で豪が人工心臓移植を受けたアレがキツイラスト展開への布石となっていた。最終回の第26話では、人工心臓の機能停止までもう2日を切っていることが判明する。

 残り48時間も無い最後くらいは、危険な使命からおさらばしたい。そんな豪の事情を知った上で誰が彼の逃亡を責めることができようか。高井戸博士は事情を知っていたので攻めなかったが、事情を知らない北川さんは後に豪をボコボコにする。北川に事情を話せない点がココでもキツイ。

 

 ショッキングな点はまだまだ続き、高井戸博士が敵の手によって殺害されてしまう。高井戸博士だって一般人にしては強い部類。戦闘員を船から海に投げ込んで応戦するが、ムー大帝に敵わない。

 負傷して額から血を流しながらも、執念でムー大帝の髪の毛をもぎ取ることで仲間達に敵の情報を残した高井戸最後の仕事には涙した。

 豪や青木姉弟にとっては親代わりであり、チーム全体としては精神的支柱だったリーダーを失うことになり、チームは完全にお通夜モード。

 

 高井戸博士が豪に向けて残したボイスメッセージには、死から逃れるのでなく、最後まで生きることに立ち向かえという内容が込められていた。難しい事を言っているが、とにかく同じ生きる、死ぬでも前を見ろという良い内容を話している。

 ラストにして子供向け番組には難しい死生観がテーマとして取り上げられたのは印象的。

 

 恩師の死によって奮起した豪が最後の戦いに出てムー大帝打倒を果たす。悲しい戦いが終わった最後にチームの皆にタイガーセブンの正体がバレてしまう。そこで北川さんがどうしてその事を黙っていたのかと尋ねるが、豪は答えを返さない。ここが悲しい。この後、実直で誠実な北川さんは自分を攻めて酒でも飲んだのだろうと予想出来る。

 

 悲しいのは妹分のジュンの告白の返事も良い答えを返せないまま終わること。ヒロインのジュンは、豪の事をずっと豪兄さんと呼んでいたが、妹でなくただの女として向き合う覚悟をしてからは豪さん呼びに変わっている。ここにジーンと来るものがある。細かい変更だが、ジュンから豪への恋心がマジだと分かる。

 

 残された時間がない豪は多くを語らずただバイクで皆の前を去って終劇となる。

 この後、2日と待たずに豪は死ぬことになる。最後はどこで何をして終わっていったのか。そんな悲しい想像を膨らませる記憶に残るオチだった。

 

 すごい暗い話だったけど、ドラマ性があって大人目線なら頷いて楽しめる点も多いと思う。こんな内容だったとは思いもしなかったのでビックリだった。大人向けな硬派な特撮「鉄人タイガーセブン」を令和時代にも推したいと思う。

 

 

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2022年のアニメ感想(4月~6月)その2

 

処刑少女の生きる道

処刑少女の生きる道(バージンロード) 上巻(初回仕様版) [Blu-ray]

 タイトルの「生きる道」は「バージンロード」と読む。

 思わず草彅剛の「僕の生きる道」を連想してしまうタイトル。

 

 処刑が決まった少女が逃亡して何か起きる話なのかなとタイトルから予想していたらちょっと違う。

 

 まず最初に処刑執行人の少女メノウが登場する。彼女の仕事は自分達の世界に迷い込んで来る異世界人をターミネイトすること。世界を変える厄介な力を持っている彼らのことは、現地の人からすれば脅威なのだ。

 従来の緩い異世界ラノベなら来れば歓迎される日本人もここでは世界の異物扱いされて消される。考えてみればそういう都合もあるわなと納得な普通の逆を行く設定だった。

 こんな異世界処刑人がどの作品にもいたら、これまでのなろうアニメ主人公なんて皆一掃だな。まるでここ数年で加速的に増えまくった異世界駄目主人公へのアンチテーゼにも取れる設定だと思うのは私の勝手な深読み。

 

 一話目に登場したいかにも異世界モノ主人公って感じのもっさりした男子が本作の主役だと多くの者が思っただろう。でもその彼はメノウがサクッと殺ってしまいスムーズに退場。こちらの予想を裏切るショッキングな物語の導入となり、初っ端から気になる。

 

 メノウに次いで第2のヒロインのアカリが登場する。異世界人のアカリもメノウの処刑対象となる。しかし、不思議な力を持っているアカリを簡単に殺すことは出来ない。そこでメノウはアカリを伴って旅をし、その中で処刑方法を探す。

 本来なら食う食われるの関係性の2人が、表向きには仲良く旅する異色の展開が見えた。処刑を完了させるための旅であるというダークなテーマ性を、この手のジャンルにしては硬派に見せたことから結構楽しめた。

 異世界ものではあるが、よくある貧弱なストーリーとテーマ性が目立つ物とはやや違い、意外にもちゃんと見れるものだった。

 

 随分前から全話の画と声を仕上げていたことから、アニメとしてのクオリティも良い。キャラ画も可愛らしい。バトルシーンはしっかりファンタジーバトルをしていて格好良かった。

 

 本来なら馴れ合う関係性ではないメノウ、アカリの2人がラブラブしているのは癒やしだった。メノウはスレンダーな美人で、アカリは童顔のぽっちゃり系巨乳。この凹凸あるツインヒロインの並びが良し。

 アカリがメノウラブ過ぎるし、モモもメノウラブすぎる。そしてアーシュナ殿下はモモの事がラブ。こんな感じで女子同士の関係性が結構楽しい。

 

 後半に登場した闇ヒロインのマノン、それと関係する化け物女のパンデモニウムは存在感があった。

 パンデモニウムは怖いしキショいなぁ。ムシみたくウネウネ動き回るアニメは迫力ある仕上がりだった。

 可愛いけど中身はだいぶ怖いマノンのギャップは印象的。こんな闇ヒロインを石見舞菜香が演じたのも意外だったので記憶に残る。これまでの彼女の芝居のイメージにない怖いお姉さん役だった。

 

 ウマ娘のキングさんを演じた事で気になっている佐伯伊織がクールな異世界ハンターのメノウを演じた事にも注目できる。クールな役も良いではないか。

 

 そんなこんなで、一括りに少女と言ってもどんな道を歩んで生きていくのかは本当に人それぞれなのだと分かるアニメだった。

 

真・一騎当千

 今更になってまだ「真」の物語が追加されるくらいこのシリーズは見せ方の手数が多いようだ。というかシリーズの歴史も長くなったな。断続的にだが20年くらい続いているのは凄い。

 浅野真澄生天目仁美ら古くからの付き合いの推しがまだまだ若手の時からやっていたアニメか~。そう思えば彼女達も歴が長い。

 

 今回は孫策よりも孫権の方にスポットが当たる。2人揃って学園に来て早々強者にノックアウトされて失禁するというハードな青春を送っている。ヤワな乙女ならハートが死滅するだろう案件だな。 

 

 お話の方はたった3話なのでサクサクとあっという間に終わってしまった。激しいバトルの中にローアングルからのパンチラシーンを映すという変態的職人芸が楽しめる作品だった。

 

ダンス・ダンス・ダンスール

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 ジークンドーを心得るまるで野猿のような少年が、バレエダンスに魅せられてダンサーの道を辿っていく青春物語。

 野猿のようなだった潤平少年が、紳士淑女の嗜むバレエの世界に入る事で命として進化して行く過程が楽しめる。バレエにかける青春はピカピカなのだ。結構スポ根していて面白い。

 

 画、ダンスの要素からすぐに「ボールルームへようこそ」を思い出した。熱いテンションは良作共通していたな。

 

 1番肝心なダンスシーンは優雅に見せる良き作りだった。

 魅せる表現力はあっても型破りなダンスであることからお偉いさんに評価されない潤平の苦悩が見える点は一つの見所。

 

 流鶯というキャラを語る上でとにかくシリアスな過程を通らねばならないのが特徴。流鶯周りのエピソードには学校でのいじめ、祖母からの虐待などのキツイし暗いものが多い。流鶯がいることで物語にスリルが増し、それだけに厚みのある内容になっていた。

 

 メインキャラを見ていると、しっかり考えて今を生きている人間の熱が見えてくる。そこが良かった。

 

 潤平、流鶯、そしてヒロインの都で三角関係が完成される流れは楽しい。

 都の清涼さは良し。本渡楓の元気な声も好きだった。

 

 あと気になるのは、潤平が自分の師匠でもある都の母の事をババア呼びすること。礼儀は大事。そして同級生のママの事をババア呼ばわりするのはいけないと思います。

 

パリピ孔明

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 第一にアホみたいなタイトルだなと思った。トンカツDJ感もあるタイトル。

 でもちょっと前にアメトーークでどこぞの芸人が面白いって言ってたような気がするし、何を隠そうこの私も同族のパリピなので見てみた。

 

 タイトルがコレなので内容への期待は薄かったが、中身は意外にもしっかりしていて面白かった。良い意味で期待を裏切ってくれたぜ。コレをP.A.WORKSが手掛けたというのが意外。

 

 三國無双横山光輝漫画でお馴染みの諸葛孔明が、現代の渋谷に転生してくる事で始まる音楽と天才軍師の要素をかけ合わせた異色が過ぎる作品だった。

 大昔のおっさんが今日の日本に来るのもおかしいが、一回死んで赤ちゃんからやり直すとかでなく、マジにあのまんまの姿で渋谷に来るから笑える。現代日本であの格好、ヒゲは怪しすぎる。三国志オタクのマスターがいなければ、物語がこうもスムーズに成り立つことはなかっただろう。あのマスターも面白くて好き。

 そんな孔明が見つけた才能が月見英子なわけで、こいつがとても健全な色気のあるギャルで良き。英子は月英の生まれ変わりなのかな。

 

 無名のクラブシンガーの英子を歌手として売り出すために行う孔明のプロデュースが面白い。三国志に出てくるあれこれの計略を応用してヒットシンガーにしていく。渋谷の夜のクラブで石兵八陣が見れたのは面白かった。三國無双では迷子になって面倒なヤツだったよな。

 音楽でも戦争でも成功を収めるために重要なのは戦略である。効果的に能力を発揮できる場を用意するのは大事。孔明の作戦からはそういった事情が見える。あれこれの小細工で英子を売出す孔明だが、最後には理屈抜きで良い英子の歌声に賭けている。どこまでも魅せられて英子を信じる孔明の心意気は良し。

 

 歌手を売出すためのプロデュース力が大事と分かる面白みもあるが、真のお楽しみ要素は孔明が信じる英子の歌唱力にある。

 英子の芝居は本渡楓、歌唱は96猫で分けられている。96猫と言えば結構前にやっていた「ふらいんぐうぃっち」のOPを歌っていて、あれはとても好きだった。あの時と違って太い声で格好良い曲をやるようになったんだな。挿入歌も迫力があって良かった。特に最終回の10万いいね獲得を決めたライブが良かった。

 

 英子の戦いと並行して描かれるKABEと赤兎馬のラップバトルも楽しめた。

 英子と七海の交流も良かった。会社の方針で自分のやりたい音楽性を追求できないことに苦悩する七海の物語は重い。こういう事もプロの世界なら実際にありそうと思えた。

 プリンにメンマを乗せてくっているキドさんが面白い。キドが10万良いねの10万人目になるところもちょっと良かった。

 

 緩く踊っているOPアニメも良かったし、ED曲も懐かしのアゲソンで良かった。

 

マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝 Final SEASON -浅き夢の暁-

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 ファイナルと銘打っておきながらいつまでも終わらない進撃の巨人アニメと違い、こちらはちゃんと落としたな。春先には進撃仕切らない巨人アニメにちょっとプンプンしていたので、近い時期にファイナルを迎えたこちらの作品を見てそんな感想が最初に出てくる。

 

 遂に来たマギレコのオチを見てみると、とんでもない大戦争をギュッと4話に凝縮したものだった。

 ぶっちゃけ結構分かっていない部分もあるが、とにかくてとんでもない事になっているのは分かる。こんなにちっこい可愛い子ちゃん達が展開する戦闘シーンの迫力は凄い。

 

 これはバッドエンドだったのか?

 すっきり爽快なオチではなかった。とりあえず大いなる戦いが終わったという事で大きく文句もない。

 

理系が恋に落ちたので証明してみた。r=1-sinθ

 来たぞ。例の七面倒臭くて賢いのかバカなのか分からないラブコメの第二弾。

 これも二年前のコロナが流行り始めたくらいの時から始まったアニメか。そう考えれば一期も結構前のことだな。とにかく白衣女子は良いぞ。

 

 相変わらず雪村と氷室が仲良く恋愛研究をしつつも恋仲を深めてイチャつくのを楽しめる物だった。

 恋愛に科学や数学を持ち込むのは野暮ったい。そして何にでも数字での答えを求めるなとツッコミたくもなる。

 高等学問を用いてすごい事をしているのは確かなのだが、一方で「しょうもない」の一言で片付く研究にも思えてしまう。そこがユニークで好きだった。

 まぁ色々言ったところで、この私も所詮は彼らと同じインテリ。なので共感と好感をしっかり抱くことが出来てしまうわけ。

 

 一期よりも更にラブラブイチャイチャで良かったがそこに危険なくらいにセクシー要素をぶっ込んだ危険なお姉さんが藤原 翠雨だった。こんな危ない女がいる大学生活というものそれはそれで面白そう。このキャラは良かった。

 

 雪村は家庭教師のバイトでギャルを教えて「ビリギャル」みたいなことになっていた。

 ロリなのに不思議とエロい棘田と虎輔のラブコメ展開もキュンとして良かった。集団デート実験で虎輔だけ美少女のフュギュアとデートしているのが痛くて笑えた。

 

 普通の女子でいることに拘る奏の苦悩にスポットが当たるのも印象的。奏もメインヒロイン感のある可愛いヒロインだった。

 反射的に男を投げ飛ばしてしまう奏が持つ色恋のトラウマは深刻だがちょっと笑える。

 奏と式城くんが付きあう事になるが、最終回でその式城くんのマジでヤバイ一面が解禁されたのはビックリ。こんなに大人しい童貞みたいな顔して中身はかなりクレイジーだった。まさかこのアニメに警察が出動するような犯罪要素が出てこようとは。それまで平和だったアニメだけに最後のスリル展開は印象的。

 

 最終回の事件で奏が雪村の事を好きになってやんわりと三角関係が出来たけど、それでも平和にオチまで持っていった。

 3期はあるのかな?またやれば良いと思う。

 

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