こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

「アイドル伝説えり子」 アイドルアニメはなんやかんやでコレ

 昨今では、スクールアイドルだの765プロだのシンデレラプロジェクトだの目覚める少女達だのといったようにいろんなアイドルがいるもんだが私のアイドルの決定版はずばりコレ「アイドル伝説えり子」。先にあげたアイドルたちよりもず~と先輩で1989年放送の名作アニメである。

 主人公田村えり子14歳がトップアイドルへの道を極める熱いサクセスストーリーを展開する。両親が交通事故にあい、父は亡くなり母は意識不明の重態となったことを皮切りにえり子の身に次々と不幸や試練が降りかかる。

 アイドル×スポコンというイメージを沸かせる熱量多目の作品で、そのため先にあげた色んなアイドルアニメとはまた毛色が違う。芸能界ならではの試練がえり子を襲う。まずは、通っている学校が芸能活動を認めずさっそく放校処分となる。捏造スキャンダルのため雑誌にすっぱ抜かれて一時干されたり、アイドル水泳大会の仕事がきたのに泳げないので猛練習したり、オーディションに参加したら何故か無人島でサバイバルするはめになったりと色々と飽きない展開になっている。

 試練を乗り越えた果てにえり子はアイドルしてはもちろんのこと一人の少女として目覚しい成長をとげる。そして「えりりんパンチ」という必殺技を身につける。全51話のストーリーを追っていくと親心から彼女の成長の嬉しさに涙するほどである。そんな私には子もいなければ人に何かを教えて育てた経験もない。

 

 アイドルえり子はもちろん可愛いので魅力的だが、えり子をとりまく他のキャラも魅力的だ。

 えり子にとっては憧れの相手でありそして好敵手である朝霧麗、男子校に通うのがダサいとか言って芸能界入りと同時に学校をやめたロックシンガー阿木星吾、えり子の実の伯父さんでいろいろクソ野郎な田村項介、バイクを乗り回す女ヤンキーかと思えば実はスペック高い金持ちのお嬢様の仲田靖子など魅力的で濃いキャラが豊富だ。特に項介おじさんの人間が悪すぎるのが印象的。あの手この手でえり子の芸能界活動の邪魔をしてきやがる。まあいろいろあって後半にはそんな毒気も浄化されるのだが……

 しかし一番存在感を醸し出しているのは滝沢久美子の番組ナレーションである。誰が本を書いてるのか知らんがナレーションがいちいちトリッキーでテンションが面白おかしい。重々しい感じで喋ってるのだがこちらからするとギャグと紙一重である。

 

 今作は実在するご存知のアイドル田村英里子の宣伝も兼ねた意欲作である。

 アニメのえり子の役はしんちゃん声優でお馴染みの矢島晶子が担当。5歳の小僧を演じて有名になった人だが、それよりも前にアイドル役をやっていたということで人生どうなるか分かんねぇもんだなと思った。小僧声優とは思えんくらい今作では可愛い声でアイドルを演じている。歌唱パートは主に田村英里子が担当している。たまに矢島晶子ボイスでも歌う回もある。どっちヴァージョンも良いんだよな。

 この実際のアイドル田村英里子が担当するOP曲に挿入曲が良い。同じくアイドルのAKBを全く聞かない私が田村英里子は楽しんで視聴するのだ。OPの「涙の半分」、挿入曲の「ロコモーション・ドリーム」など良曲が目白押しだ。えり子が劇中でロコモーション・ドリームを歌う時の振り付けが可愛くて好き。80年代アイドルの派手でこれを着てお外は恥ずかしいという独特の衣装デザインがまたいいんだな。衣装とか振り付けも楽しんで見れる名作でした。

 

涙の半分

涙の半分

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ロコモーション・ドリーム

ロコモーション・ドリーム

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 それから笑える小ネタがひとつ。序盤のほうにえり子が公衆電話から母の入院する病院に電話をかけるシーンがある。公衆電話の乗ってるボックスの中に電話帳と並んで作者「村上春巻」で「ノルウェーの林」という本が描かれていた。ノルウェーの森と村上春樹をネタにしてた。この本ネタはおもしろかったのでまさかのコラボをしていて嬉しかった。 

 

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