思えば私はどのくらい月を見ていないのだろうか・・
そういや月ってやつは綺麗だった。このアニメで再認識したんだなぁ。
こんなに月を意識したアニメは「ガンダムX」と「神無月の巫女」以来だぜ。
このアニメ、めちゃめちゃ良かったな~。
今期は、コレと「冴えかの」だったな。
毎週胸キュンが止まらないよ。
珍しいオリジナルアニメだった。
懐古主義者万歳アニメ
私は、今となっては絶滅危惧種の文学青年の生き残りである。よって、文壇において革命児とも言える太宰治、夏目漱石両名の作品の多くを手にとっては読み、青春の日々においては布団に入ってうつらうつらとするまで彼らの作品と時間を共にしたわけである。実に懐かしい。小説家を夢見る太宰ファンの安曇君には実に共感できる。太宰はいいぞ。ただし「走れメロス」を除いたら中学生向き作品で無いと思うけどね。
太宰と漱石のネタが出てきて、毎回のサブタイトルも有名な文学作品の名を取っているから元ネタが皆古いけど知っていればなおのこと作品が楽しめる。
すっかり懐古主義の私は現代アーティストより一昔前に一時代を気づいた一流のアーティストの方を好んで聞くことが多いので安曇君の行きつけの本屋のお兄さんがまさか伝説の天才集団「はっぴぃえんど」のレコードをオススメして来たときは感激した。フォークでもJポップでも無いような斬新で奇抜な音を奏でるグループと言う印象がある。
真実の愛を得るためなら小細工上等 スマホ活躍アニメ
恋愛のお話なんてそれこそ死ぬ程本で読んでTVで見てきたわけだが、本作に対しては胸キュンでも今までとは違う電波を感じたようで私の反応もいつもと違っていた。
なんというか全て拙いよね。まだ中学生だから仕方ないとも言えるが、若いからケツが青い、青い春と書いて「青春」してるから青い。といった感じで幼い男女の青く爽やかなラブを綴ったアニメなんだな。
若者の一生懸命な青さって見ていて眩しい。どうしてこうも若い連中は年寄りを切ない気分にさせるのか、私が何か悪いことでもしたのかよとか思ってしまう。
本作の安曇君とあかねちゃんの恋仲を進展させたトリガーにして切り札とも言える重要なアイテムはスマホのラインという機能だったな。考えるとココだな。今まで恋愛モノをたくさん見たけど本作に妙に新鮮さを感じたのはこのニューアイテムが登場していたからだ。
既出の名作「電車男」では「ネット掲示板」が物語のキーを握るという当時珍しいアイデアを用い、今作は更に時代と技術が進んで「ライン」なんだな。ラインのやり取りが鍵を握るのって小説「何者」でも言えることだな。
私は電脳空間での流行りに少々鈍く電車男の流行った時に掲示板というものは自分の私生活に全く関わりが無かった。なので、新鮮そのもののネタとして受け止められたわけだ。で、今回はラインなんだけども、これに関してもやはり新しいとしか思えない。それもそのはずで、コレだけスマホが流行りラインが流行っている中で私はスマホを所持していなければラインなんて物もやったことが無い。劇中で体育祭の係りの連絡事項をメールでも電話でもなくラインで伝えているのは驚いた。今私が安曇くん、あかねちゃんと同級生だったら意図せずとも私に対する仲間外れ感が漂うのは必至である。
「仮面ライダー555」が二つ折りが出来るガラケーで変身するので、あれに憧れて同じタイプのガラケーを今も所持している。これはこだわりでもあり執着でもある。
私の兄弟達はラインをしているので「ラインがどうこう・・」と言った感じの会話を私を交えず行うわけである。私はわずかではあるがラインをやっていない組の寂しさがあるので「何だねお前達、ラインだのミネルバだのとマジンガーZに出てくる女型の巨大ロボットか」と精一杯の冷やかしを少々含んだツッコミをするが、向こうさんは何のことやらと呆気に取られていたワケである。
というワケでラインを用いて恋仲を進めていくという新手法、これにグッドアイデアと言いたいのだ。
とは言ったもののスマホなんかでラブのやり取りをする彼らを見ていると、彼らより少々オールド世代の私は、愛も恋も実地で勝利を掴み取ってこそ本物という意味を込めて「足を使いなさいよ足を!」と言ってやりたい感も否めないところである。
新鮮な現代っ子の実態
現代っ子らしく電脳空間の技術進歩にアシストをしてもらってウブなニイニとウブなねんねの安曇君、あかねちゃんの両名は無事くっつくのだけれども、その後の「付き合うって何すんの」っていうお互いの自問がまたまたウブでヨロシイ。しまいにはネットで「中学生 付き合う」とか打ち込んで検索を掛けている。「実際にこんな風に調べる子供達いるのかなぁ」とちょっと自分の青春においては無かった恋愛への向き合い方だったので新鮮だったな。かわいいことするわ。
こういう恋において初手の段階の若い子のリアルな恋愛生活を描いていてドキドキワクワクでした。
ウブなメイン二人をよそに肉体関係を持ったものと思われるカップルも登場するからそれは進みすぎじゃない?と思ってしまうところもある。そして安曇君の友達の可愛い感じの男の子は学校の女教師が好きと公言してるし、人それぞれで恋や愛への向き合い方進めた方が違うもんだと思える。
安曇君が電気のヒモでシャボウボクシングしているのは中学生がやってそうと思えて微笑ましい。ちなみに私は彼に共感するには少しオシイのだが、電気の紐にストラップ人形を引っ掛けてそいつを左右に揺らして、人形に当たらないように頭を動かして敵の攻撃をかわすことの練習をしていた。紐に対して打ち込みをする安曇とは逆のことをしていたわけだ。何にせよ電気の紐は中学生の妄想をタップリと広げてくれるのだ。
安曇君の習い事が常人離れしたお囃子とはこれまたお通である。この習い事をしていた知り合いは一人もいないな。同じ日にカブキ部ってアニメもしていたし古き日本の芸術文化の習い事が今の流行りなのかと色々考えてしまった。
意外に込み入った中学生の恋愛事情
まさかの勝ち組文学青年の安曇君は意外にもモテ男であかねちゃんと付き合っているけれどもあかねちゃんの親友の千夏ちゃんにも迫られる。この罪作り野郎めが!この子が何気に二人の恋のアシストしているんだよね。修学旅行で携帯電話を取り上げられてあかねちゃんに連絡出来ない安曇君に携帯を貸してあげるという助け舟を出したのは神対応でした。いい子なんだよな。
中学生で親友と同じ人を好きになるという厳しい現実を経験したあかねちゃんがお姉ちゃんにその件を相談したら「ムリ、絶交するし」と言われるシーンが印象的。お姉ちゃんの判断の思い切りの良さは正しいのかどうなのか。広瀬香美の曲に幸せになりたいのなら友情より愛情という歌詞があったがやっぱどっちか選ぶ時が来るのかよ!とハラハラして見ていた。あかねちゃんはいい子で友達のことも好きなんだもんと言って恋のライバルの親友とも正面から向き会う勇気ある子なんだな。友情、愛情共に掴める第三の道はきっとあると希望が持てました。
それにしても最終回でまさか千夏ちゃんが安曇君に告白するとは、驚きじゃ。「私じゃだめかな」と言って抱きついて来るから、安曇くんがコレを振りほどくのには相当の勇気がいったと思える。私は「うわ、かわいい」と思い最終回のこのシーンが一番記憶に残るな。それまで千夏ちゃんを「りえしょん(演じている村川梨衣のあだな)の子」と自分の中で覚えて呼んでいたのだが最終回にしてやっと名前を覚えたよ。告白を受けたことを黙っていたからといってあかねちゃんが川原で泣くシーンも可愛くてよかった。綺麗な涙を流しおるからこれなら舐めても大丈夫やな。
あかねちゃんも部活の仲間の比良君に迫られるし男女共に恋に破れる者が登場して切ない。比良君も良い奴なんだよな。同級生よりもお兄ちゃんポイけどな。
三角関係みたいな恋が交通渋滞して煩くなるパターンが好きなので、千夏ちゃんや比良君の存在は話を盛り上げてくれてありがたかった。
12話という短い話だが恋する二人にスポットを当てるのと同時に、友人に家族、教師もちょこちょこ絡んでくるから人間ドラマを味わえて良かった。
あかねちゃんが緊張を紛らすためにピクミンみたいな人形をムニムニしてるのが記憶に残る。あのシーンが可愛かった。
安曇君に一言、好きな子が行くからという理由で受験校を決めるのなんておじさんは感心しないな。
こんなに心潤うまるで純文学のような作品を見たのは久しぶりだった。
そしてOP曲、ED曲、挿入歌全て東山奈央縛りだったのも良かったね。歌手東山奈央をしゃぶり尽くせる作品となっていた。歌は上手でやさしい声をしてるんだよな。歌は全部良かったよ。
ジャケットいいね!
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