こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

読書好きの私は感激!「バーナード嬢曰く。」

 名作本(のあるあるネタ)をテーマにしたコミカルストーリーである。

 

バーナード嬢曰く。 [Blu-ray]

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 読書好きの私にはとても楽しめた。元ネタがわかっていないと楽しめないこともないが、わかっていたら更に楽しめるであろう。

 

 主人公 町田さわ子はバーナード嬢とあだ名されたいだけで誰からも呼ばれていない。

 さわ子は許せないことに読書好きぶった狼藉者である。本作の読書あるあるネタで口惜しいことに一番頷けるネタがこのさわ子の行動で、

 名作のあらすじのみを読む →  ネットでユーザーレビューを読む → 話の内容と人々の感想を総括し自分オリジナルの解釈をして読みもしないものをさも読んできたかのような満足感を得る

 ということである。いるんだよなこういう奴が。読書への愛があるのか無いのかわからない。名作を知っているというステータスが欲しいためだけに間違った本への関わりかたはして欲しくないものだとつくづく思う。このネタを持ってきた作者は名作のこともそうだが、偽読書家の特性が良くわかっている。よくぞ言ってくれたと思った。

 いくつかの本はちゃんと読んでいるが偽読書家の範囲内にいるさわ子、SF小説好きの神林しおり、シャーロキアンの長谷川スミカ、古本好きの遠藤、だいたいこの4人で図書館に集まって名作本にまつわるあるあるを喋っている。遠藤に一番共感できる。「チーズはどこへ消えた?」、「フェルマーの最終定理」など一昔前の話題作の名が出たのは嬉しかった。チーズはどこへ消えた?」の古本を最近見ないので「チーズはどこへ消えた?はどこへ消えた」とか言っているネタが一番印象的であった。

 他にもSFと言えば青背、昔の岩波文庫の表紙カバーを付けないという逆にオシャレな売り方、などうんうんと頷けるネタが豊富。岩波文庫本のあの古臭い感じのする淡い色の表紙は確かにいい味を出していて私も好きであった。

 三大奇書とか現代人にはウけないだろうなと思われる三冊の例の本もしっかり登場した。三大奇書が登場するアニメなんて「大図書館の羊飼い」以来のことでないかと思う。三冊とも読んだがいずれも難解な内容で、内一冊は読むと精神に異常をきたす程のものででさすが奇書だ。

 名作のネタ、作品と関係ない本全体に渡っての広い範囲でのあるあるネタを散りばめたアニメであった。

 電子書籍のネタも出たが、これはSF好きの私でもまだ受け入れられない。やっぱり本は紙でしょうが!

 少々勝手な想像だが、アニメ好きと読書好きとは結びつかないよう気がする。といってもラノベとかは別だがね。がっつりした文学などをアニオタが読めるのだろうかとも思えるが私はまさかの両刀使いで文学、アニメ共に好きなのでこの二つの要素の合わさった本作を作った者に感謝だ。本当に良い作品だった。

 アニメも名作本も永遠なれ。

 

 それから私、シャーロキアンです。ハルキストではないが「海辺のカフカ」を読んでフランツ・カフカに辿りついたのは私も同じ。これのネタが登場した時は嬉しかった。

村上春樹カフカ作品を世に広めるのに貢献しているな~。偉い!と思った。

 

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