こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

バレエダンスとファンタジーの融合「プリンセスチュチュ」

 今年で放送から15周年のこの記念すべきタイミングでBD-BOXが発売したのですぐにチェックした。この時代の4:3の画面ってやっぱり落ち着くわ~。

 

プリンセスチュチュ Blu-ray BOX(期間限定版)

 

 2002年に放送開始した全26話のアニメ。物語は卵の章、雛の章の各章13話ごとの二部構成となっている。

 バレエダンスと変身ヒロイン、そしてファンタジー(ちょっぴりダーク)の要素を掛け合わせた意欲作である。全ての要素が融和してすばらしい世界感を構築している。チュチュがバレエを踊るシーンはマジ優雅。

  

 正体がメスあひるの「あひる」ちゃんがプリンセスチュチュに変身し、心を無くした王子「みゅうと」の心のかけらを集め、王子の心を取り戻す話である。実にファンタジック。

 あひる→女の子→プリンセスチュチュの二段階変身は、「イナズマン」の渡五郎→サナギマン→イナズマンのプロセスを彷彿とさせる。

 

 みゅうとの友達の「ふぁきあ」、プリンセスクレールに変身する「るぅ」を加えて物語はこの4人をメインに回っていく。

 王子みゅうとがプリセスクレールの手に落ちて悪い奴になるのは、童話「雪の女王」でカイが豹変するのを髣髴とさせる。

 序盤のふぁきあのみゅうとに対する束縛が強すぎてちょっと見ていられない。

 後半でみゅうとがカラス人間になったのはショッキングであった。

 今では大御所となってしまった菜々様(水樹菜々)がまだまだ新人と言える時代に演じた「るぅ」がとにかく可愛くて好きだった。クレールに変身した後の衣装が露出度豊富のきわどくエロいものでとても良い。主人公のチュチュももちろん良いけど、クレール派です。

 るぅが「子供の時からずっと愛しているの」とみゅうとへの切実な想いを語る場面ではちょっぴり泣けた。 

 

 絵本作家ドロッセルマイヤーに仕掛けられた世界で登場人物自らが物語を終結に向かわせるため奔走する展開が熱かった。ドロッセルマイヤーの声にエフェクトがかかっていて何を言っているのかわからない箇所が結構ある。

 

 最終話最終決戦でチュチュは変身能力を無くしあひるの姿のままでバレエを踊る。カラス化させられた民にボコられながらも踊る姿は胸打つものがあった。

 

 本作は虚構と現実が入り混じったカオスな世界となっている。正体があひるの主人公あひるは人間の女の子になり、あひるの通う学校のバレエの講師が猫、ペンギンのピアニスト、生徒の中にはアリクイ、イグアナ、チワワなどの獣やそのた種目の生物が制服を着て学校を歩いているという愉快にファンタジックな風景を拝むことができる。

 おかしなキャラの中でも一番好きなのがバレエ講師の猫先生。猫先生が素行の悪い生徒には「私と結婚してもらいます」とセクハラを交えた脅し文句で迫るのがおもしろい。結婚願望がつよすぎる切羽詰まった猫であった。どうあっても教え子のどれかを嫁にする算段でいるらしい。いい根性をしている。

 ゲストで一回しか登場しないパパイヤ鈴木の演じる、偽者の王子様が良いキャラをしていておもしろかった。ゲストキャラやモブに今では有名な声優が結構出ていた。名優にも役名が無いようなキャラを演じる期間だってあるものだと思えた。

 

 バレエの演目、クラシック音楽をストーリーに盛り込んでいるのでそっちの知識があれば更に楽しめる作品である。私の好きな戯曲「夏の夜の夢」をモチーフにした回は良かった。

 

 毎話の冒頭で読まれる意味深極まりない絵本の演出も気に入った。

 

 OP曲、ED曲共にかつてメロキュアのメンバーとしても活躍した岡崎律子が担当している。この方が亡くなって随分立ったものだ。本当にやっさしい声。去年同じく岡崎が主題歌を担当した作品「フルーツバスケット」のBDが発売し、すぐさま視聴した際に「岡崎、見てるか!」と天に向かって吼えたことがあった。本作一話を視聴した時にも岡崎ボイスに突き動かされて同じ行為に及んだ。良いシンガーだったよ。

 

 

 

 最後にチュチュはあひるに戻ってしまうが、これはきっとハッピーエンドです。見終わった後はとにかく「ステキ~」という感想が沸き起こる作品であった。

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