「ソードアート・オンラインⅡ」2クール目はキャリバー編とマザーズ・ロザリオ編の二つのエピソードで構成される。
キャリバー編
舞台は油臭さく男臭さいガンゲイル・オンラインから元のファンタジーRPG世界に戻る。「ソードアート・オンライン Extra Edition」以来のキリトと愉快な仲間達でチームを組んで伝説の聖剣「エクスキャリバー」をゲットするミッションに挑む。そこは「キャリバー」でなく「カリバー」だろうがという談義が視聴者間で行われるであろうことを予見してか、そこらへんの言及は作中でキャラクター同士が行っている。
北欧神話をモチーフにした世界感のダンジョンに乗り込む。
ボスの巨人との戦いは迫力があった。アクションシーンには拘っているアニメだ。
本作のお笑い要員のクラインの騎士道精神が発動し捕らわれの可愛いお姫様を救出するが、後にそいつの正体はでっかいおっさんとわかった。透き通るような綺麗な声の皆口裕子から野太い声の玄田哲章に声が変わって一応同じ人物なのに声のギャップがすごくて面白かった。クラインが最後に女神様に連絡先を聞いたら女神様が放った金粉を受け取って恍惚していたオチがおもしろかった。
久しぶりに本編に絡んだシリカちゃんは、怪植物に触手で逆さ吊りにされてパンツが見えるのか見えないのかと視聴者をドキドキさせるというデジャヴ感のあるサービスシーンをお届けしてくれた。使い魔のピナ、可愛いよね。
そしてキリト妹のリーファは相変わらずけしからんおっぱいをしておる。そして、キモイ飛行生物を手名づけていた。ブラコンの姉役でデビューしていながら妹役といえば竹達彩菜だなと思う。
皆で頑張ったがエクスキャリバーはシノンの存在無くして入手は叶わなかった。ALOでもシノンがすごい射的の腕を見せてくれた。
今回はアスナが主役。
アスナは絶対無敵の剣術を持つマジ強い少女プレイヤーユウキ(通称 絶剣)の所属するギルド「スリーピング・ナイツ」に合流し難関クエストに挑戦する。最大49人で乗り込めるクエストだが、それを7人で成すという厳しい挑戦であった。大人数で挑むとクリアプレイヤーの名前が記される所に代表して数人しか名前がでないのでギルド解散前の記念にどうしても全員の名前を残したいという泣ける理由からこの少ない人数での挑戦となった。ええ話や。
ユウキは目にも止まらぬ速さで11回連続切り攻撃を放つ。これにはキリトもアスナも敗北しユウキが作中最強キャラであるといえよう。「幽遊白書」の飛影が16回切りを放つので、飛影に届くまであと5回の所に漕ぎ着けたユウキがいかにすごいかがわかるね。ユウキは美少女にして一人称が「僕」の希少なる僕っ娘である。
アスナ対ユウキの剣術合戦のシーンが神がかっていた。速いし迫力がすごくて息つく間もないのにしっかり手には汗を握っていた。
ゲーム内でアスナはヒーラーでありながら攻撃的な一面を見せることから「バーサクヒーラー」とあだ名され、キリトは親しみと敬愛とちょっぴりの揶揄を込めて「ブラッキー先生」とあだ名されている。
アスナとユウキの物語にはとにかく泣かされる。実はユウキはエイズ患者で、もう命がわずかしかないとわかる。ユウキは生きている間に学校に通いたかったと言い、そこでキリトの作った装置でアスナと視覚を共有して学校で授業を受ける。これだけ技術が進んだ世界でありながらユウキが受けた国語の授業では芥川龍之介の「トロッコ」を教材にしていた。放送した2014年の時点から約100年前に発表された作品を勉強しているってなんだか違和感もあるが、それだけ文学の価値が色あせないのだなとも納得できた。
ボッチのイメージがあるキリトが装置のことについて学校の男子生徒と喋っている珍しいシーンが見られた。しかも「カズ」って呼ばれていた。友達いたんだと安心。
最終回は涙無しに見られなかった。ユウキは最後の時が訪れる前にアスナにオリジナルソードスキルである11連撃技を伝承する。このスキルの名が「マザーズ・ロザリオ」であった。それまで何を意味するかわからなかった言葉だったが、ここでやっとマザーズ・ロザリオの名が出てすっきり種明かしが済んだ。
ユウキは最後にたくさんの仲間に見守られて、大好きなアスナの手に抱かれて旅立っていった。ギルドメンバーの勝気そうな少女ノリちゃんが笑って最後を見送ろうとしていたがこらえ切れなくて途中で泣いてしまうシーンでもう涙してしまった。ノリの笑顔から泣き顔の表情の切り替えがグッときた。ラストはユウキの「僕、ここで生きたよ」のセリフで涙した。
最終回で涙と鼻水がたくさん出てさすがに放置しておくわけにはいかずにふき取ったわけだが、この時にティッシュがたくさん減った。地球のそして我が家の貴重にして有限なる資源の一部が減ってしまったので家庭の経済事情によろしくないシーンでした。ただ、作品としては非常にグッド。最後にアスナとユウキの写真が出たのにはやられた。
ゲーム内でアスナとユウキ達の物語が展開するのと同時に現実世界のアスナの物語も展開される。林原めぐみ演じるキツイ教育ママと進路関係のことでぶつかり合いになり、ゲーム内では強者であるアスナも現実では親の決定に逆らえず自分のことを決定していく力がない弱い女の子として悩む姿が描かれる。
18時30分の飯の時間をきっちり守らす時間にもうるさいアスナママだが、本当は娘が可愛くて心配なやさしいママである。ユウキに言われた「ぶつからないとわからない事もある」の言葉を胸に抱き怖いママとも真剣にぶつかって分かり合おうとするアスナの姿には感動した。ゲーム内で雪景色を見ながら親子で語らううちに気丈なアスナママが涙する。ゲーム内では感情を優先することで涙を流すことは我慢できないようになっているらしい。素敵な設定だよね。
やはり母親っていいもんだって改めて思ったね。
アスナの新たな友ユウキとの触れ合い、そして母との触れ合いを通して人間の温かみを感じられたエピソードであった。
これだけバーチャルゲームの世界を前面に押しておきながらもリアルな人間と人間によるコミュニケーションがいかに大事かということもテーマにしていた。
そしてやはり時代が選んだヒロインであるアスナは文句無しに可愛くてめっちゃ良い子である。
BDのオーディオコメンタリーでは、スタッフ陣、キャスト陣の松岡君愛が溢れているなと思われた。司会としてトークを回すための松岡君のコミュ力に少々の不安を感じたスタッフがよく気遣って助け合っていたと思う。作品を通して役者、タレントとしての松岡禎丞を育てた番組であった。僕も松岡君が大好きです。
OP曲
courage / 戸松遥
アスナ役の戸松ちゃんが歌っています。
OPアニメがキャリバー編、マザーズ・ロザリオ編で差し替えられているのが仕事が細かくて良い。絵がめっちゃ動いている。
歌詞が物語を暗示していると思われ、オチを知ってから聞くとちょっと泣ける。
ED曲
シルシ / LiSA
この曲マジ泣ける。ジャケットはクエスト攻略時に皆で取った写真が使われている。ジャケット見ても泣けるわ。
ユウキの生きたシルシを強く感じられるナンバーである。LiSAのテンポの速い曲をよく聞いていたのでこんなりしっとりなナンバーが聞くのは珍しかった。改めて歌うまいなって思う。
この曲をEDアニメと合わせるとこれまた良い。アスナが音楽プレーヤーを聞きながらユウキのことを思い出しているのに泣ける。最終回はEDアニメに登場する写真が差し替えられている。こまかい仕事するわい。そして最終回の特別仕様では曲の最後にアスナとユウキが初めて出会った例の大木の前にユウキの剣が刺さっているのがアップで映る。アレを見たらまた泣けた。
新シリーズが決定したというので楽しみである。
SAOはまだまだ終わらないぜ!
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