2007年放送の全26話のテレビアニメ。
「NOIR」「MADLAX」に続く真下耕一監督の美少女ガンアクション三部作の最終作にあたる作品である。
美少女がガンをぶっ放す、いいね!
この作品はすごく好きだった。
本作は賞金稼ぎのナディと賞金首のエリスの立場が正反対の二人がひょんな訳から仲良く、時にはゆりゆりしてとある南の地を目指して旅するロードムービーである。そしてその二人をずっとストーキングしている変態男L.Aの話でもある。魅力的なヒロイン達も良いがL.Aの変態ぶりがなかなか愉快であった。L.A役の宮野守は本作の後に「東京喰種」でこれよりもっと変態役を演じることで有名。L.Aがエリス大好きすぎてキモイ。
絵柄も作風も過去作と比べてライトな出来となっている。過去作よりもガンアクションをちょっと抑え目にして「萌え時々百合」の要素を押し出している。ガンアクション好きなら前作と比べてちょっぴり物足りなさを感じるかもしれないが、萌えとユリが好物の私としてはとても楽しめた。正直「NOIR」よりもこっちが好き。「NOIR」ってなんか重くて暗い話が多かったような覚えがある。
本作は各エピソードでコミカルなもの、ハッピーエンドのものが多く見られた。最終回もハッピーエンドで安心だった。変な儀式をしている村に訪れた回では猫耳か臭くて重いガイコツみたいなお面の着用を強制された。あの変な風習はちょっとおもしろかった。
髪の長いナディはエピソードによって髪型を色々変えていた。このサービスは良かった。めっちゃ可愛い。
一つ所に住みかを構えないロードムービー形式を取ったことが特徴的であった。ロードムービーって心躍るものがあるんだよね。大昔に裕次郎がトラックで旅する映画を見た時から「ええな、こうゆう旅」って想って憧れちゃうんだよね。
本作放送と近しい時期の作品なら「ミチコとハッチン」がこんな感じだったかな。あっちも好きだった。
ガンアクションシーンはちょっと抑え目になっていてメインの二人の内でガンをぶっ放すのはナディのみでエリスはたまに魔女の不思議な力を使う。力の発動時はもれなく息が乱れ「はぁはぁ」言う。どうやら呼吸が乱れるほどに精神を集中し削らないと発動できないようだ。
男にも女にもモテる強くて男前な賞金稼ぎのナディと守ってあげたくなる可愛さのエリスのメイン二人のキャラのバランスが良かった。ナディ役の伊藤静の声がすごく好きだ。伊藤静には「D.Gray-man」のリナリーの声をやった時からはまった。
エリスはボソっと一言喋る無感情をキャラだった。エリス役の清水愛は「まほろまてぃっく」でもみなわちゃんというエリスと似たようなキャラを演じていたなと思い出した。エリスの天然ぷりがおもしろかった。
小道具が粋な作りになっていた。エリスが車に乗っている間の暇潰しに、口にするのもハズいラブシーンを音読した恋愛小説や、ナディが敵地潜入時の変装用に身に着けたタコス屋の衣装などがそうである。これらは一発のみのネタで使ったのかと思ったら後になって天丼や伏線回収のようにしてまた出てくる。無駄なく小道具を使ってくるな。タコス屋は実は広くチェーン展開をしていてちょいちょい物語に店が登場し最終回では主要キャラのブルーアイズがタコス屋に就職している。店のテーマソングがあるが面白可愛い歌だった。
ちなみにブルーアイズが大好きなキャラだった。ブルーアイズを演じる久川綾は三部作全てに出演し、どれを取ってもおいしい役所を持っていくココのお抱え役者だな。
ブルーアイズのいい抜けっぷりが可愛いくてよかった。クールでカッコイイ雰囲気を出しているのに通気口から目的地に潜入するミッションではちょっと太って取りぬけられなくなったのがお茶目でよかった。「出直そう」と決心してダイエットをして再び挑戦した。
ブルーアイズは前半と後半で大きくイメチェンをしたキャラでOPムービーにイメチェンの前後の絵が出ているが同一人物と思えなかった。後半は前半で束ねていた髪を下ろしてミニスカのエロイ女になって出て来た。メインの二人の少女が結構ロリってるので大人な魅力の女性キャラを置いたのは良かったな。
そう言えばコレよりも後にやった同じくガンアクション作品の「Phantom 〜Requiem for the Phantom〜」でも久川綾は似たようなポジションのエロイ女の役をやっていたなと思い出した。
久川綾は各回のナレーションも兼任している。視聴者にはまだわかっていないことを私は全部知っているのテンションで語り、最後の一言をちょっと溜めてから落とすという味のあるナレーションが好きだった。
渋いオッサン賞金稼ぎのリカルドとその連れのチビ少女のリリオの二人組もいいキャラだった。リリオがまじ可愛い。ドラクエのスライムみたいな顔をしている。ファッションも可愛い。
物語序盤でナディとエリスを追いかけ回していたオカマ二人組みのヒットマンが最終回で再び登場するのは面白かった。神谷浩史がオカマを演じていた。
エリスのような特殊な力を持つ魔女を人工的に作る計画「プロジェクト・リヴァイアサン」が物語の核になるのに途中からはその存在を忘れて見ていた。ストーリーがそこを離れた明るい物が多かったので最終決戦で再びプロジェクト・リヴァイアサンに触れた時「それって何だったっけ?」てなった。
OPとEDアニメーションはセンスの良い作りだと思う。しかしEDアニメに登場するナディとエリスをつけまわす馴れ馴れしい仮面男は一体誰なんだと謎に思った。
退屈せず一気に見られる作品だった。とにかく絵が綺麗でよかった。声優も良かった。
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