こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

赤い不死鳥再び「スーパーロボット マッハバロン」

 「スーパーロボット マッハバロン」は1974年10月~1975年3月まで放送した全26話の特撮番組である。

 前作「スーパーロボット レッドバロン」の魂を受継いだバロンシリーズ2作目となる巨大ロボットを主役にした名作である。

 

 本日はクリスマスということでサンタさんのコスチュームのごとく赤き巨人マッハバロンについて振り返ろうと思う。

 

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 今回の主役ロボットもやはりボディは真っ赤。前世が闘牛だったのか赤を見ればこの私もどういう訳か興奮する。

 そしてレッドバロンでも名物だった手がぶっ飛ぶロケットパンチはこちらでも健在。ここらの設定はシリーズ化しても変えなくてよかった。

 レッドバロンがちょっとドラム缶ぽい丸みを帯びたボディだったのに対してマッハバロンはしゅっとしたスマートボディだ。顔はどこか厳(いかめ)しい感じがする。

 デザインの変更点としての気づきはそんなところだが、いずれの赤き巨人もしっかりとカッコイイ。

 

 世界征服を企む悪の天才科学者ララー・シュタイン率いるロボット帝国と正義の組織KSS(読み方はキス 国際科学救助隊)に属する嵐田陽(あらしだよう)の駆るマッハバロンとの壮絶な戦いを描くという内容である。

 嵐田陽ってすごい名前だな。クラスでは人の名前を覚えられないで有名な私が一発で覚えた。

 

 放送初期ではKSSに入ったばかりの嵐田陽を皆がケツの青い坊ちゃん扱いして基地で留守番させ、それに対して陽がイライラするというシーンが印象的であった。ボスの村野博士の命令を無視してマッハバロンを発進させて勝手に敵に突っ込んで返り討ちに合うというお間抜けなことを何度と繰り返している。初期ではコイツ上司のいうこを聞かない上に大失敗までしやがってダメダメじゃんと思って見ていた。

 最初は態度に問題があるために仲間内で首にするべきだという意見もあがったが、そんな問題児の陽も徐々にKSSの隊員として仲間達に認められるようになる。陽の成長も楽しめる。

 

 前作レッドバロンでは正義側組織隊員のアクションが目立ったが(特に紅一点の真理隊員のパンチラアクション)こちらのマッハバロンではロボとメカによるアクションの方が多目だった。それもそのはずでKSSの組織力は前作に登場した正義の組織SSIよりもかなり上である。まず立派な基地をなんと海底に構えている。海底基地といえば「仮面ライダーX」の神ステーションを思い出す。人類の海底への憧れは強し。

 マッハバロンの発進シーンは良く出来ていてこれにはクールな私もアガる。

 科学の粋が詰まった戦闘用飛行機での戦闘を行うので肉弾戦にしばしさよなら状態で壮絶な闘いが繰り広げられた。

 これだけ立派な組織なので給料の面も良いのだと思う。前作のSSIのメンバーは皆任務の無いときには副業をしていたがこちらではそんなことは無い。

 KSSオリジナルの号令で上司に何か言われて了解しましたの時には「キッサー」と言ってピースするのがイカす。

  

 レッドバロンでSSI隊員の腕利きスナイパー哲也として登場した加藤寿がこちらのマッハバロンでもKSS隊員の白坂譲司役で再び登場している。この役者さんはバク転などのアクションはもちろん顔もイケている。

 眼鏡が似合う岩井明(通称ガンさん)は愛嬌あるキャラであった。

 スーツが決まっている村野博士は「帰って来たウルトラマン」の郷秀樹の人だった。

 レッドバロンの自転車刑事のようなコミカル要員にして組織の協力者である人物がこちらでは発明刑事(花倉刑事)の名で登場する。発明刑事の方は自転車でなく自動二輪で移動するので免許は持っている。荷台に自作の発明品をたくさん積めていて、役に立たないものもあるが時には敵との闘いで非常に役立った発明もあった。

 バロンシリーズは脇まで良いキャラで固めているのが良い。

 

 

 敵のロボット帝国については、まず敵ボスのララー・シュタインの髪型がヤバイ。パンクというかロックというかとにかく髪が逆立ちすぎ。目にはキツイカラーコンタクトを入れている。とにかく何も喋らなくても存在感がすごいオヤジ。

 

 コイツ ↓

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 ロボット帝国を指揮する三人の幹部タンツ、スータン、ゲラーはララーシュタインの息子である。親子揃って侵略行為を働いている。父ほどのカリスマ性あふれる外見ではないが三人の息子もそれぞれ小悪党感溢れる顔をしている。特にタンツは悪そうな顔をしている。

 

 

 レッドバロンでもマッハバロンでも子供にはちょっとハードかなっていうエピソードが含まれる部分があった。

 KSSの紅一点の小杉愛隊員の入隊理由が、海で溺れた友人を目の前にして助けに行くことが出来なかった贖罪によるものというのが結構重い。

 ただ一人の女性隊員が最終回の決戦で命を落としてしまうという悲しすぎるラストには何故こんなことをするんだと思ってしまった。それに三人の幹部は討ったが最後にボスのララー・シュタインは取り逃がしてしまう。ラストには後悔が残った。

 

 人気を博したもののスポンサーの倒産で3クールで終わってしまった前作レッドバロンに続いてこちらのマッハバロンも新キャラを導入して続きを考えていたものの色々と裏側の事情があり人気があっても早めに放送を終えてしまったという事である。残念だ。人々に愛された作品であっても制作側で問題が起こってしまったら仕方無い。

 

 あとは、オシャレでイカすナンバーを奏でるOP曲から寂しい感じのED曲へのギャップが凄い。

 

 

 クリスマスはマッハバロンで決まり。

 

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