こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続」人間関係って面倒臭いけど面白い

 「俺がいる」第一期から二年置いおいての2015年4月から放送スタートしたのが「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続」である。全13話放送。

 

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 二期ではメインとなる比企谷、雪ノ下、由比ヶ浜の奉仕部の三人を更に取り囲むように多くの人物が深くストーリーに関わり、より一層複雑な人間模様でお届けするストーリー展開となった。

 二期から頭角を現すキャラ、二期からの登場となる魅力的な新キャラも見所である。

 ぼっちだったはずの比企谷が一期で文化祭実行委員会に顔を出し始めたくらいから次々と色んな人物と知り合い関係性を深めて行き、そして色んな女子と絡むことでやっとラブコメ感も出て来た。二期からの八幡には「お前、もうぼっちじゃなくてリア充じゃないか」とツッコミたくなる。

 奉仕部の三人で三角関係みたくなってきて、それなりに楽しくやっていた所にちょっと影が差す感じになりシリアス展開になってくる。二期の方は結構緊張して見ていた。 

 

 二期のとっかかりは八幡のクラスメイトのチャラ男 戸部と腐女子 海老名姫菜がそれぞれれ別口で持ってきた修学旅行に関する依頼をクリアすることだ。この二件が根っこで繋がっていて片方を何とかすればもう片方が何とかならなくなるという解決が非常に難しいものであった。これは上手いこと考えられた重厚なストーリーとなった。

 戸部は海老名に愛の告白をしたい。海老名は誰とも付き合う気はないから振るしかないが、振ったことで2人が共に属する仲良しグループの調和を乱したくないと願う。

 仲良しグループのリーダーで良いやつの葉山が気を揉んでなんとかしようとするが結果八幡にまかすことになる。海老名と仲良しの三浦もヤンキーぽいが友情に厚く、そこら辺の問題はちゃんと気にしている。

 このあたりの友情から来る何ともしがたい悩みを抱える若者の感情の機微を描いているのがすばらしいと思った。

 人生ソロプレイヤーの私には葉山ら蜜な関係にある集団に属する者のこういった類の悩み、遠慮や気遣いというのがあることが新鮮であった。そして、高校生でここまで色々と気をまわせるものかと考えるとちょっとすごいって思う。あくまで私自身と私の同級生を振り返ると、人と関わることでこんなに頭使っているヤツなんていなかったと思う。

 この作品は群れの中で生きる者から見たぼっちの生き方の新鮮さ、逆にぼっちで生きる者から見た群れる者の生き方から新鮮さを味わえる作品であると思えた。

 

 で、この修学旅行で受けた二つの依頼は八幡の独断によって、かなり強引な方法を用いて葉山や戸部や海老名の誰もが傷つかないように解決することが出来た。しかし、この方法が自己犠牲的なもので雪ノ下と由比ヶ浜からよく思われずここから段々三人の関係がギスギスしてくる。

 

 その後の奉仕部に持ち込まれた生徒会選挙に関する依頼、地域イベントに関する依頼を八幡がソロプレイで行い、雪ノ下の深い家庭事情の問題も絡んで奉仕部内の人間関係が更にぎくしゃくして部室にいたらきっと胃が痛くなるだろうなと思える空気になってくる。

 

 三人が顔を突き合わせて感情をぶつけ合う中で八幡が絞って絞って絞りだした「それでも俺は本物が欲しい」の魂の一言は胸に刺さるものがあったので忘れられない。

 一回揉めてちゃんとくっ付いたあたりから雪ノ下が八幡に段々やさしい態度を取り、一期初期のバチバチとやりあう口論が見られなくなった。ドSな雪ノ下が丸くなって行くのもまた良い。

 由比ヶ浜が更に八幡に接近してきて、八幡と一緒に部室まで行きたかったのに八幡が先に行ってしまった時は「なんで先に行くし」と言ってふてているのが超可愛い。

 

 

 二期からは八幡のハーレムぷりがスゴイ。

 まず、雪ノ下と由比ヶ浜とはかなりお近づきになっていることは明らかである。

 平塚先生と車でどっかいって二人で話したり、文化祭で知り合った城廻先輩とも仲良くなって気に入られているし、不良枠の川崎と三浦とも普通に話しているし、雪ノ下よりドSな姉 雪ノ下陽野にもなんかちょっかい出されているしで羨ましい限りである。

 それまでただのホモ好きの変な女としてしか描かれていなかった海老名とも修学旅行のことで深く絡んでちょっとフラグ立ちした感があった。海老名の「私、腐っているから」のセリフは印象的。

 二期からメキメキ頭角を現した八幡の妹 小町とも仲良くするシーンがある。この小町についてはかなり優秀な妹キャラと言える。全国の妹萌えの変態紳士諸君はきっとハートを射抜かれたことであろう。

 八幡が中学の頃好きだった折本という頭悪そうな女からもなんか懐かれていた。

 

 八幡の周りに急に現れて急接近してきた強烈な印象を残す女子が二期からの新キャラ一色いろは(通称いろはす)である。この娘が色々スゴイ。腹黒くてあざとうざ可愛いという色々要素が詰まった面倒臭い女である。しかし可愛い。私のお気に入りの声優佐倉綾音が目一杯に可愛い声であざとい女を演じている。これはグッジョブ。

 二期はいろはす無双状態で、存在感ありすぎだろコイツ。人の悪性を見抜くことに長ける八幡にはいろはすの本性は一発でばれている。

 

 奉仕部に来た生徒会選挙と地域イベント企画の依頼のどっちにもいろはすが絡んでいるので当然に八幡といろはすが絡むことも多くなる。何も言ってないのにとりあえず八幡がいろはすに振られるシーンが何回もあって面白い。

 

 本放送の頃から私的にかなり笑えた二期の面白ポイントがいろはすと八幡が他校である海浜総合高校と合同で地域イベントを企画するストーリー内での海浜総合高校生徒会メンバーのやたらと横文字を口にして行う一見ハイレベルな企画会議シーンである。

 日野聡の演じる生徒会長 玉縄が身振り手振りを交えてペラペラと横文字ばっか喋っているのがどうしようもなく面白い。賢いことを言っているはずなんだが、会議が一つも進んでないしバカにしか見えない。話の内容が絶対にわかっていないのに「それある~」と賛同している折本にもウケタ。折本役の戸松遥のアホっぽい女の声が良い。シリアスシーン多めの二期でココが笑えて一息つける本当に好きなシーンだった。

 

 二期では女の子と関わるのが一期以上に目立った八幡だが、そんな中で八幡の天敵のようなクラスの人気者でイケメンの葉山との関わりも深まっていく。葉山が八幡に一目置いている。

 光と影のように全く異なる性質のこの二人の会話や関係性にはどうしても注目してしまう。葉山の良いやつで皆に気を使いすぎるからこそ抱える心の葛藤にもスポットが当てられていた。この葉山がかなり良いキャラで主人公から見て良いポジションにいるのでストーリーの良い盛り上げ役を担っている。葉山は良いこと尽くし。

 

 この話は主要人物が割りと多めでありながらも上手いこと人物同士を絡ませてストーリーに厚みを加えている点が実にすばらしい。夢中になって一気見してしまった。

 

 魅力的な女子キャラが多数登場するが、色々あっても結果平塚先生が多分一位かな。

 大人な女でちゃんと八幡達生徒を見ていて、時にカッコイイこと言ってくれるのが痺れるんだよね。柚木涼香の声も良い。

 

 

 一期に引き続きやなぎなぎが担当したOP曲「春擬き」がやっぱり良い。

 歌詞が深いね。作詞力の高さがうかがえる良曲だ。

 春ではなく擬(もど)きということで、本編で八幡が口にした偽者でなく「本物が欲しい」ということを歌っている。

 一期の爽やかソングとは一味異なる仕上がりの一曲である。やなぎなぎの細く透明感ある優しい声で歌っているのだが、サビでは確実にアゲてくる。一期の「ユキトキ」同様に胸打つ歌詞と魂を高揚させる作曲と演奏で涙を誘う一曲である。「俺がいる」の曲って心に響くから泣けるんだよな。

 テレビサイズでは流れない2番の「遠い遠い春は雪の下」の歌詞が一番印象に残る。

 


俺がいる2期OP

 

 

 

 そういえば気づいたことがあるのだが、「やなぎなぎ」の名前のように苗字と名で同じ音が重なるパターンの名前の人物がアニメ本編でも結構見られた。雪ノ下雪乃由比ヶ浜結衣、川崎沙希、葉山隼人などのキャラの名前がそうである。覚えやすい名前のキャラが多かった。

 

  絵もストーリーもキャラも声優も曲もすべて神っていたアニメだった。

 

 

 こんなレプリカはいらない、本物と呼べるものだけでいい。

 

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