こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

こしのり漫遊記 その21「空しき逆行」

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 今年が明けて気づいたことがある。それと言うのが、私が良く買い物に寄るスーパーでのことである。

 

 私は決して金を持っていないわけではないが、お財布に打撃少なく生きていこうと決めているので、スーパーではなるべく値引きされた商品を買うことにしている。という訳でだいたいこの時間にこれらの商品が値引きされるだろうと予想がつくようになっていた。

 年が明けて間もないある日、私のお目当ての商品に半額シールが貼られている時間を見計らってスーパーに行ったら、値引きはされているが半額ではなく4割引きのシールが貼られていた。それまでそのスーパーには2割引きと半額のシールしかなかった。4割は始めて見た。そして登場を待ち望む半額シールはそれから数日経っても売り場に姿を見せなかった。

 半額シールの姿が見えないことについて、私の脳に恐怖の考えたがよぎった。そして、女性店員を捕まえてその恐怖の考えを話して見た。

 

「もしかして、半額はもう止めて、割引は4割が最高になったのか」

 

 まさかと自分でも思いながら私が言ったことに対して店員はこう返した。

 

「そうなのよ。1割ケチって儲けにしようって考えなのよ。もっと安くなるならいいのに、1割高くなったの」

 

 私達客だけではなく、会社で働く側のその店員も嫌そうに言っていた。それもそのはずで、仕事から上がれば彼女もここの客として買い物して帰るのだから関係ない話ではない。 

 

 半額を廃止して4割引きになったのには、会社の止むに止まれぬ事情もあったのだと思う。本来持っていかれる5割の損の内1割が回収できるとなると実際かなりの金額が帰ってくるので大助かりであろう。

 どちらにせよ我々客は割引サービスを受けているのに、今年からは1割多く払わないといけないという何とも言えない複雑な想いが胸に渦巻いた結果、私はそのスーパーを利用しなくなった。

 

 この悲劇が起こった原因は何だ。社会か、経済か、と何が原因か探してしまうが、見つけたところでウォーリーと一緒で何もならない。

 ただ私は、スーパーにも苦しい事情があると理解した上でも、このように5から4へと数字が逆行するようなケチな事業展開がされたことが情けない、悲しい、そして腹が立つ。明るい方向へ進むなら良い、しかし今回のこれはそれと逆ではないか。

 

 どうした日本!元気か日本!何とか言って見ろ日本!

 

 

 ・・・・・・・

 

 

 それでも私は日本が好き。

 これからも私は母が愛し、父が何とも想っていないこの日本で生きてゆく。