こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

悲劇の後に素敵な奇跡を見た「ゴースト ニューヨークの幻」

 

 「ゴースト ニューヨークの幻」は1990年公開のアメリカ映画。

 

 大ヒットを飛ばした有名な映画とは知りつつも、多忙な身の上の多忙な時期が明けた頃にまた新しい多忙が乗りかかるというよろしくない奇跡が何年も続いたために2018年になってやっと視聴することが出来た。素敵な幻を見た・・・・・・と感想が言える名作であった。

 私はおいしいハンバーグを食いながら本作を見た。私は食ったら汚れが固まらない内に即皿を洗うのだが、この映画が面白くて、作品時間である約2時間の間席を立つことが出来なかった。見終わって「ああ、面白かった」と言った時には皿に残ったドゥミグラスソースが固まっていて洗う時にちょっと手間であった。

 

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 チンピラに殺されたサムの魂のみが地上に残り、悲しみに暮れる恋人のモリーの側に居座っている状態で、あれこれのストーリーが展開する。SF、コメディ、ラブロマンス、そしてウーピー・ゴールドバークという様々な要素を取り入れた色ものと言えばそんな感じもする作品だが、要素通しが喧嘩することなく融和し、ラストはきっちりまとまる秀逸なシナリオであった。先にも重要性を記した似非占い師(のちに覚醒するけど)のオダ・メイ役のウーピー・ゴールドバーグがいないと何も成立しない話である。あと、モリーってホラン千秋と顔が似ていると想った。

 

 ろくろをいじるモリーの後ろでサムがちょっかいを出してそのままイチャつくという例のシーンは「ゴースト」と言えばコレと言える有名で印象的なシーンであった。ろくろでイチャつくところで、二人が仲良く粘土をコネコネする手の動きが何だかエロくてムラっときました。このシーンのパロディネタを他作品でちょいちょい見かける。私の愛読した名作漫画(後にアニメもなった)「スクールランブル」でもろくろでイチャつくシーンのパロディがあったと思い出した。

 

 

 サムとモリーの二人がお互いの愛を確認する時に行うやり取りが好きだった。

 

モリー「愛している」

サム 「同じく」

 

 この「同じく」ってのが良い。真似して言いたくなる。

 映画「スターウォーズ」でレイラ姫に「愛してる」と言われたハン・ソロが「I know(知ってる)」と返したやり取りを何となく思い出した。愛情の確認の仕方、その際に用いる言葉はカップルによって様々である。

 

 

 サムの親友のカールが、まさかチンピラと内通する悪者とは想わなかった。カールに対してサムが言った「僕の命と僕の時間を返せ」のセリフが記憶に残る。後にサムも見えないパンチを食らわしたりしてカールにやり返すが、カールのパソコンに「MURDER(人殺し)」と入力し、その後に「SAMSAMSAMSAMSAMSAMSAMSAM」とたくさん出すアレはちょっと陰湿だし、怖いと想った。

 

 最初は扉をすり抜ける以外に何も能力のない霊体のサムが、物に触れる、人を殴る、オダ・メイと憑依合体するなどの能力を徐々に得て、着実にスキルアップしていくサクセスストーリー感は良い。物に触れる能力を得るためにサムが電車男の幽霊に弟子入りするとは想わなかった。あの電車男の程々ににイカれた感じの演技は良かった。 

 ラブロマンスとしてよりも霊体のサムが起こすアクションのSF要素に興味が湧いた。悪人のチンピラやカールが死んだ時に死神らしき奴に魂を食われるシーンはSFや特撮好きとしては楽しめた。

 

 サムとモリーがメインだが、二人を繋ぐ重要な役回りをしたオダ・メイの存在が一番記憶に残る。演じたウーピー・ゴールドバークは良い味を出している。「天使にラブ・ソングを…」で顔を覚えた役者で、こっちでも訳ありな経歴を持つコメディ要員として登場する。彼女の表情が面白くて、顔の演技が好き。「天使にラブ・ソングを…」のことをつい思い出すのが、尼さんが募金活動をしている所へ、サムに命じられたオダ・メイが400万ドルを募金するシーン。尼さんには過ぎたる額だとオダ・メイがディスっていた。

 そういえば昔「SMAP×SMAP」で草なぎ君がウーピー・ゴールドバークのことを「あのウーパールーパーみたいな名前の人だれだっけ」って言ってたのを懐かしく思い出した。私はSMAPメンバーで彼のことが一番好きであった。

 

 事件が解決した最後にのみモリーにもサムが見え、二人がキスした後サムは天国に上って行き、あの世の穏やかな光に包まれたキレイな画で終わる。これがハッピーエンドと言えばそうなのだが、サムは死んでいるわけだから、悲しくもある。なんか泣けた。

 

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 日本でも素敵な幻を見たいものである。 

 

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