「いぬかみっ!」は2006年4月から放送スタートした全26話のテレビアニメ。それから劇場版も一本制作された。
このアニメはリアルタイムで第3話のみ視聴したことがある。たまたまその一回だけを見て、後は一切見なかった。
最近BDが発売したの知って「そういえばこんなアニメあったな」と思い、BDを見ることにした。アニメは一回しか見ていないけど、堀江由衣が好きということで彼女の歌うOP曲「ヒカリ」はこれまでずっと聞いていた。
改めて全話を見てみると、意外にも面白かった。
・全編にわたって感じる愉快な「変態性」
本作は退魔師的能力を有する犬神使いの主人公川平啓太とその犬神であるヒロインようこが協力しあい、邪悪な敵を討つというオカルティックアクションを基本要素に敷いている。しかし本作はなかなか面白い仕掛けがされていて、これに美少女がたくさん出てくるラブコメ要素と私のお気に入りとなった「変態」要素をも合わせて持っていた。
全編にわたって「変態」というワードと概念が頭から離れないこの仕様は面白く、ある意味で作り手の愛情とこだわりを感じた。
主人公の啓太はとにかく女好き。女性を見れば尻を追いかけるばかりでそれをいつもようこに止められる。ようこの能力は物体を瞬時に移動させる「縮地(しゅくち)」で、啓太の服のみをどこかに飛ばして全裸にしてしまう。この流れで啓太は第一話から警察に捕まってしまう。啓太が捕まった先の牢屋で知り合った変態たちも猛者ぞろいで、下着泥棒やのぞき魔をはじめとした色んな変態が登場する。コイツらは後の回でも主人公たちの邪魔をしたり協力をしたりして盛り上げ役となった。
第2話では犬の幽霊がムキムキ男にとりつくという展開がなされ、これが変態すぎて面白かった。一番悪ノリしていたと思う。
登場する敵達も変態率が高く、男性の衣服のみを消し去る能力を持った変態や「なぜ服を着なければならない?」とどこまでも自由な感性を貫く変人も登場した。
啓太は牢屋の変態達から高く買われていて「裸王(らおう)」の異名で呼ばれている。啓太は計らずも変態達の中でカリスマ的地位を得て行った。主人公が全裸になりがちな楽しいアニメだった。
それから懐かしい芸人マイケルが一話のゲスト声優で出演していた。
・ヒロインが11人もいる
犬神は正体こそ強くてデカイ犬なのだが、基本は人間の格好をしている。登場する犬神ヒロインはとても可愛い。啓太のところにはようこだけしかいないが、従兄弟の薫のところには可愛い犬神が10匹もいる。第3話で新ヒロインが10匹まとめて追加されるので名前と顔を覚えるのが大変だった。女の子がまとめてホイホイ出てくるこの感じはアニメ「シスター・プリンセス」の流れを思い出した。というわけで、たくさん登場する美少女を愛でることが本作のお楽しみ要素である。
やはりお気に入りはメインヒロインのようこ。後にようこは実は犬神ではなく名前通りの妖狐だと判明する。
薫の犬神だと「なでしこ」と「ともはね」が良かった。
・主題歌について
OP曲は和テイストで格好良い「ヒカリ」。ヒロインようこ役の堀江由衣が歌っている。アニメを見ずに曲の方だけ聴いてた私からすると、この曲でこのアニメ内容はイメージができなかった。曲と本編のギャップが激しいと思った。この曲は名曲だと思う。
ED曲が懐かしの声優ユニット「Aice5」の歌う「友情物語」。歌詞で「たいへんたいへん」と繰り返すところがアニメの要素の一つである「変態」を思い出させる。
特殊演出で一度だけ、ED曲「友情物語」が野太い男の声で歌われたことがあった。歌っている人物が謎なのだがクレジットには「すーぱーぞうさんず&Rice5」とあった。この名前、ウケる。
笑えるし萌える楽しいアニメであった。
スポンサードリンク