こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

世界を相手にかっ飛べミニ四駆「爆走兄弟レッツ&ゴー!! WGP」

 「爆走兄弟レッツ&ゴー!! WGP」は1997年1月~12月まで放送された全51話のテレビアニメ。

 

 「爆走兄弟レッツ&ゴー!! 」シリーズ第二作目にあたる作品である。

 

 日本国内のミニ四駆レースを扱った一作目から戦いの範囲を大きく広げ、二作目では全篇を通して各国代表選手がチームを組んで参加する世界戦の模様が描かれた。

 

 かなり趣向を変えてのシリーズ二作目だったが、これが作品に更に良い味をきかせることとなり、結果的にすごい面白くなったのだ。

 

 そんな訳で、本作を見た感想をツラツラと書いていくぜ。

 

爆走兄弟レッツ&ゴー!! WGP ハンドタオル B

 

 ミニ四駆のワールドグランプリはミニ四駆発祥の地である日本で開催され、国内戦で活躍した選手である豪、烈、リョウ、J、藤吉の5人が鉄心先生によって勝手に代表選手に選ばれて戦うことになる。次郎丸はあんちゃんのお供としてレースにくっついて来てサポート役を行っているのでレギュラーで参加する。

 

 個人的には、土屋博士が最初に「セイバー」を渡した少年達の一人であり、私のお気に入りのキャラである黒沢君が代表選手に選ばれていないことにがっかりする。

 

 Jは好きだけど、一作目の最後らへんまではレーサー引退の身だったのに、少しの活躍で鉄心先生に認められているのでずるいと想ったぜ。そんな私服がキャッツアイみたいなJだが、ワールドグランプリでは大会用の制服を着ることになっているので、あの格好はあまり見なくなった。

 そしてリョウは制服でもやはり袖まくりルックス。キャプツバの日向君ポジションのお兄さんだった。

 

 ワールドグランプリに参加するマシンは「GPチップ」を組み込んだグランプリマシンにグレードアップされる。GPチップは学習機能を備えたハイテク技術であり、これによってマシンが走ったコースを記憶して効率の良い走りを自ら学習するとかいうすごいことをやってのけることが可能になる。

 そういう訳で、今作ではミニ四駆がいかにも機械的なまっすぐな走行をするのではなく、レーサーの意志に対応しての走りも行うことがあった。レースの見せた方に多様性が加わり、作品が更に面白くなったってわけだぜ。

 

 ワールドグランプリ出場者はローラーブーツを着用してマシンと併走するので、一作目よりもレーサーの体にかかる負担が減った。 

 

 レースは長い期間をかけて休日に行われ、あとの期間は星馬兄弟は普通に学校に行ったり、学校教員達がしのぎを削ったミニ四駆商店街レースや普通の国内レースやチイコ主催のレースに参加したり、キャンプに行って遭難したりして過ごしていた。

 商店街レース回はギャグ展開多めのかなり楽しい回になっていて、この回しか活躍しない星馬兄弟の通う小学校の校長先生がかなり危ない人物で面白かった。

  

・見どころはチーム戦

 上記の通りで今作のミニ四駆レースはチーム戦を描くことが特徴となっている。アニメ一作目で描かれた単体で行う国内線と違って、チーム戦は単純に速さを競うだけのものではない。 

 各国のチーム5人で協力して走ることで作品の面白さの幅が広がり、レース展開も熱くなった。

 チーム戦特有の戦略として、自転車レースのように一列になって走ることで先頭車が後続車を引っ張る、数台が横一列になって敵チームのミニ四駆を抜かせないようにガードしている間に先行車がゴール決めるなどのテクニカルな走りが展開された。

 

 各レースのルールは様々で、敵味方合わせて十台を一斉に発車させて、その帰ってきた順にポイントを与え、最終的なチームの合計ポイントで勝敗を決めるポイント制レースがあった。例え自分が一位で帰って最大ポイントをもらっても、相手チームに2~4位を独占されたら総合点では負けてしまう。

 各チームの4番目にゴールしたマシンのタイムを競うレースや、一台ずつチームリレー形式で走って総合タイムを競うレースも行われた。

 

 チーム戦が行われるコースも試合によって様々でオンロード、オフロード入り混じってのバリエーション豊かなコースが用意された。

 波が打ち寄せる浜辺や、干潟を走ることもあった。干潟を走った時には、潮と共に海に帰りそこねた魚やタコが天然の障害物となって面白みを増すこととなった。

 

 チームで戦略を立てて走ることの奥深さが感じられた。

 

 チームワークが大事な今作ならではの目立った点は、豪がチームプレイが出来なさすぎること。マグナムをかっ飛ばすことばかりを念頭に置いて、チームの走りが出来ず、時には勝敗ルールも分からずにとりあえず飛ばしているようなこともあった。まるで猪のような奴で、かなりの単細胞っぷりを発揮していた。このまま社会に出すと何かとトラブル生みガチな奴だと想った。

 

 弟の豪に対して烈兄貴はチームリーダーとなって皆をまとめるストレス溜まりがちな役割を担った。後半は足を怪我して試合に出られない時があった。リーダーとして自分はちゃんと仕事が出来ているのか、もしかして必要ないのでは、などと考える繊細な一面が見られた。

 同じ兄弟でここまで違うものかねと思えたが、それがレッツ&ゴーの面白いところである。

 

・黒沢君の活躍

 ワールドグランプリの代表選手入りしなかったことで今作ではほぼハブられることになったのが黒沢君、それからまこと君もね。

 

 そんな黒沢君、少ししか登場しなくなったがきっちりおいしい役も頂いていたのだ。

 

 そんな訳で黒沢君の活躍を紹介するぜ!

 

 日本代表チーム「ビクトリーズ」のメンバーは、それまで単体でレースに望んでいたことからミニ四駆のチームレースはズブの素人。そんなワケで最初の内は足並みが揃わず、喧嘩状態にもなりチームワークがバラバラであった。

 

 それを見た黒沢くんは、自分たち国内レーサー全ての代表がそんな情けないレースをするとはどう言うこっちゃ、ちゃんとせい!と代表の5人に喝を入れる。ついでにまこと君からもチームワークに関してはご指摘を受けた。

 

 黒沢くんの鶴の一声で目が覚めたビクトリーズの皆は、国を背負って戦う責任の重さを実感するんですねぇ。

 

 かつては悪さをしていた黒沢君だが、仲間想いで周囲の状況を見極める観察眼を持っていることから、企業をまとめる社長タイプ人間なのでは、と上から多くの人間を見渡しがちな私は想ったのである。

 

 黒沢くんの役目はビクトリーズ結成したての放送初期のみで、あとはほとんど出てこない。

 

・熱いドラマ展開 

 今作でも盛り上がり所が多々あり、アニメ一作目よりも手に汗握る展開が成された。

 

 アメリカ代表の「アストロレンジャーズ」、ドイツの「アイゼンヴォルフ」、イタリアの「ロッソストラーダ」などなどの強敵との戦いはいずれも燃えるものがあったぜ。

 

 序盤から強さを示し、全篇通しての強敵だったアストロレンジャーズの5人は皆宇宙飛行士の卵。宇宙に上げた衛生を通してメンバー全員が着用しているゴーグルにデータが送られるというハイテクノロジーを利用した戦いを見せた。メンバーの内4人は試合後になると、クワトロ・バジーナのそれのようなゴーグルを取っているのだが、リーダーのブレットのみは飯の時でも何をする時もゴーグルをはめていて真の顔が拝めなかった。

 アストロレンジャーズの紅一点にして、本作からの追加ヒロインである金髪ポニテのジョーが可愛いからお気に入りだった。

 大会イベントで水上バイクレースを行った際、ジョーがマシンから落ちたのをリョウが助けたことから、二人のラブフラッグが立つ展開になった。

 最終回でアメリカチームの監督と土屋博士が会話するシーンが何だかリアルで印象的なものであった。アメリカの監督がジョーがリョウのことを気にしているからどうのこうのと土屋博士に相談しているところが微笑ましい。アメリカの監督も土屋博士も子供の成長を見て色々と気遣っている良い親父をしていると想った。

 

 中盤からの強敵はイタリア代表の「ロッソストラーダ」。ロッソストラーダは長らく連勝を決めていたが、実は選手にも大会運営側にも分からないように上手いこと反則を行っていた。

 リーダーのカルロが劇中で数回口にした「勝負は勝つか負けるか、それだけ」の理念は強く印象に残っている。スラム出のメンバーにとって、レースでの勝利は生きるために必要な報酬を得ることに繋がる。そんな苦しい事情もあって、反則してまで勝利に執着するようになった。

 カルロは最初こそ、紳士ぶったクソ野郎なのだが、なんだかんだで最後には好きになってしまう。

 決勝戦2日目で、一旦は報酬がどうこうということを忘れて、純粋にミニ四駆の速さで勝負する楽しさに目覚めたカルロの姿には胸熱くなるものがあった。ディオスパーダにありったけの想いを乗せて走らせることで、烈とミハエルをぶっちぎってゴールしたカルロが勝利の雄叫びあげるあのシーンではちょっと泣けた。

 

 普段はおバカな豪が、カルロの反則プレイに対しては、野生の鼻が利いて見抜いてしまうのも印象的な展開だった。しかしその後長らく、豪が気に食わない相手に文句をつけているだけの嘘つき野郎扱いを受けていたのは可哀想と想った。

 

 ワールドグランプリ決勝戦は三日間も行われる耐久レースとなり、会場を飛び出して公道を走り、箱根を越えるというなかなかに規模が広いものであった。もうこれ「弱虫ペダル」じゃんと想った。

 決勝戦が熱くて面白かった。

 怪我を押してまで走ることでレーサー魂を見せた藤吉の活躍や、遂にミハエルの無敗伝説が崩れたり、カルロが反則無しでも強者だと見せつけたこととか色々見どころがあった。

 ちなみにミハエル達ドイツ代表のマシン「ベルクカイザー」を私のお兄ちゃんが持っていた。

 

 

 最後は豪のビートマグナムがゴールを決めて見事日本が優勝した。

 一年かけてのレースを描くことでキャラクターの成長も見れてすごい面白かった。

 

 

 

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