「踏切時間」は2018年4月から6月まで放送された全12話のテレビアニメ。
5分枠のショートアニメでさっくり見れる。
物語は全て踏切の待ち時間に起こるというシチューエーションに特化した作品である。踏切にかかって足止めを喰らった者たちの間でおきる日常のあれこれを面白おかしくお届けしていて、オムニバス形式で舞台はそのままに各話で登場キャラは入れ替わる。踏切にかかる人物達は学校の生徒や先生やその他おっさんとかである。
舞台を踏切に絞った上での日常モノを描くというこの発想はスゴイ面白い。物語を発展させるに不利な条件を自分で決めた上で描きにかかった作者はなかなかのチャレンジャーだと想う。毎話の短い物語でちゃんと落ちるようになっていて、落ちはクスリと笑えるものである場合が多い。
踏切なんて学校を出て以来通ることがなくなったのだが、思えばこんなところで待ちぼうけを食らう人々にもドラマがあって然るべきものなのだと気づく。
キャラデザが良く、女子キャラが可愛いし、登場人物の一人真島さんはエロい。
一話と最終話に登場した女子二人組みは、後輩の方は先輩に恋をしているというユリカップルになりそうな感じで青春していてよかったし、踏切×エロスという新感覚エロスを産んだ真島さんの物語も良かった。
「SNS兄妹」という回では、仲良しだけど人前ではそれを見せない兄妹が終始無言でSNSでしか会話をしない。妹がお兄ちゃん大好きで萌えだった。そして妹の使う渋いLINEスタンプが面白い。
二話連続する物語だった「都電こころ状」の回は文学的趣があってよかった。ヒロインが田村ゆかりだったことも良かった。
一番笑ったのは「私とはっさくおじさん」という回で、踏切にかかった女子高生が、酔っ払って目が覚めたらどういう訳かズボンを穿いてないために草むらに隠れたおじさんと会話をするというものだった。結果、おじさんがピンチを脱出することが叶わい落ちだった。おじさんの役を若本規夫が愉快に演じ、最後は女子高生になぜか八朔をくれる。
毎話のエピソードが面白かったので、原作がまだあるなら二期が見たい作品である。
踏切を渡る時は一時停止だぞ!
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