こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

コンピュータ世界で戦う戦士「電光超人グリッドマン」

電光超人グリッドマン」は 1993年4月から1994年1月にかけて放送された全39話の特撮テレビドラマである。

 

 今年で放送から25年、そのタイミングで現在これのアニメ版を放送している。今期新作アニメの中でもかなり良い線を行ってるアニメ版グリッドマンを見て、大元の実写版も見たいと思った。そんな訳でBD-BOXで一気見したのである。

 

 円谷プロ作品だし、グリッドマンは巨大化する時はウルトラマンと同じポーズだし、ちょっとウルトラマンパワードぽく見えないこともないので、グリッドマンウルトラマンの仲間的な扱いで良いと思う。

 

 それにしてもアニメも特撮も次々と過去作が綺麗なBDで出てくるのでチェックするのが大変。一回見て知っていてもBDで綺麗ならまた見たいと思うもの。ビデオ、LD、DVDで出して次にBDなら、これは言っても仕方ないが20年も30年も前からBDが一般化していればなと思う。記録メディアも時と共に進化していってる。このグリッドマンは情報技術を用いた物語運びとなっているので、そこのところを余計に感じる作品であった。

 

電光超人グリッドマン Blu-ray BOX

 

内容

 桜ヶ丘という場所を舞台に物語は展開する。

 コンピュータ世界で悪さをして世界征服を企む悪の帝王カーンデジファーを追うのはハイパーエージェント。

 桜ヶ丘に住む中学二年生の翔直人、馬場一平、井上ゆかの仲良し三人組はパーツを集めて自作コンピュータ「ジャンク」を製作する。一平がCGで描いた戦士グリッドマンにハイパーエージェントが乗り移って、三人にカーンデジファー討伐協力を依頼する。直人は「アクセスフラッシュ」の掛け声と共にグリッドマンと合体し、コンピュータ世界に入ってカーンデジファーと戦う。

 カーンデジファーの方でも協力者を探す。それが根暗なパソコンオタクの藤堂武史。武史がCGで描いた怪獣にカーンデジファーが魂を吹き込み、その怪獣がコンピュータ世界で暴れまくることで人々の生活に害が及ぶようになる。

 グリッドマンは怪獣を倒し、ボスのカーンデジファーを追い詰める。

 

感想

 我が家に家庭用パソコンが入ったのは、Windows 95の発売に合わせてのことだったと思う。あのWindows 95以前にコンピュータを題材にした物語というと、おそらく一般層にはいまいち実感が沸かなかったかもしれない。

 今こそパソコンなんて学校にもあるし、生徒一人につき一台とかになっているが、93年なんていったらPC-98MSXとかが現役の頃で、パソコンなどはアングラ、オタクのアイテムのイメージが高く、持っている家庭もたくさんはなかったと思う。この時代にこのテーマでドラマをやったのはかなり攻めている。

 

 コンピュータ世界を視覚化して子供にも理解しやすいようにと考えたのは良い。しかし当時のガキ共にどこまで理解できたかは謎。

 コンピュータが世間一般に定着していない時代だったゆえに巷では「早すぎ名作」なんて呼ばれたこともあるらしいが、放送から25年経てばパソコンやネットなんて生活の必需品となっているから時代の流れが分かる作品であった。

 

 武史が使っているパソコンなんて見る方に型が古く懐かしい。モニターの下に横置きのHDDという昔のタイプのやつ。

 直人達メインの三人が子供ながらにパソコンをいじれるのはそれぞれが良い家に住んでいるからだと思う。武史は親が金持ちなのでパソコン環境は最高なものになっている。

 

 グリッドマンが戦うのはコンピュータ世界でのこと。グリッドマンの移動方法が電線を通じてという演出はナイス。

 この時代にはCG技術も進み、テレビ番組の演出にも用いるようになってきていたらしい。作品にはCGが多用され、グリッドマンが戦うコンピュータ世界でもCG表現が見られる。OP映像はずっとコンピュータ世界内部の映像がCG動画で映り、最後にはジャンクの画面に繋がるというもので、東宝はこれだけCGが出来るぞと見せつけるような出来であった。やはり東宝はやり手。

 

 武史の作った怪獣がコンピュータ世界で暴れることで施設のセキュリティシステムがバグる、プリペイドカードをレジに通したら額がめちゃめちゃ増えている、環境汚染を行うなど、現実世界で色々なトラブルが起きる。

 パソコンが普及していなければその知識も広く知られていない当時に武史とカーンデジファーが行う作戦はハッキングやウイルス攻撃だった。この点は画期的。それまでのわかりやすく街の建物をぶっ壊す怪獣達とは違ったサイドから、確実に人々を困らせることをしてくるのは意外性があって興味深かった。

 

 基本的にろくでもない作戦を立てる武史だが、公道にガムを吐き捨てるチンピラを見て「公衆道徳がなっていない」とキレたことから、ポイ捨てする者を掃除機で吸い込んでしまうという作戦を実行したことがある。その回ではやり方は乱暴だが正しいことを言ってる。

 

 カーンデジファーの作戦を見れば、コンピュータで管理された状態が崩壊すると色々ヤバイ、だからこそコンピュータ世界をクリアに保つのは大事と分かる。それに加えてコンピュータと関係ある作品メッセージが、武史のようにパソコンをいじるばかりでダークサイドに落ちないようにと呼びかけていること。ネットには闇がある。

 

 武史がカーンデジファーに利用された理由は、ネジ曲がった根性を持っていたから。グリッドマン側の三人も良いが、この敵側の少年武史の存在がかなり面白い。学校にこんなのいたわと思わせる根暗でかなり可哀想なキャラ。武史役の人はちゃんとしてれば男前だと思う。

 武史の親は金だけ渡して基本的に仕事で家を留守にしている。ゆかのことが好きだがコミュ症だから話しかけられない。直人達と武史は同じ学校に通っている同級生だが、基本的に絡みがなく、武史の方は名前も知られていない。ゆかへの愛をこじらせて盗撮したり監禁した回もあった。最終回でやっと4人がまともに話すことになり武史は改心する。改心せずにあのままいったら「むしゃくしゃしたから」という理由で人を刺すような狂人になっていたかもしれない。武史を通してネット世界に依存するばかりの引き込もり体質になるのは危ないと感じた。

 欲を言えば、武史が合流した後の4人での仲良しエピソードを見てみたいと想った。

 

 グリッドマンに変身するのが14歳の少年という設定は珍しい。ガキでもなければ大人にはまだ遠い微妙は歳だ。グリッドマンと合体する直人はケイン・コスギに顔が似ていると思う。

 直人、一平、ゆかの仲良し三人組がかなり良い自転車に乗って学校に登校している。やっぱり良い家の子供なんだと思う。

 男二人、女一人の仲良し組で、男二人ともゆかが好きみたいなので、このまま進級すればそのうち恋の三角関係にでもなりそう。

 

 ヒロインのゆかが個人的に好きだった。

 最初見た時は別にそれほどって感じだったけど、回を追うごとに「何かいいなぁ」って感じるようになった。14歳という設定で役者さんも育ち盛だったのか、最初から最後まで見ていくと、段々と胸が大きくなってない?と想った。これは気のせいかもしれない。ヒロインゆかのお風呂シーンや着替えシーンもあり、ちょっぴりの肌の露出があった。今では未成年のセクシーシーンはダメなのかもしれない。あのしずかちゃんさえお風呂シーンはダメってPTAか何かが言ったらしいからな。この時代ならではの演出だったと思う。

 

 武史に負けず一平もデザインにおいてはかなりの腕を持ち、グリッドマンお助けメカを考案しては戦闘に導入している。その中にロボットのゴッドゼノンというのがいるのだが、見た目がほぼコンボイ。これは「トランスフォーマー」を見たことある奴なら思わずにはいられないことだと思う。

 登場メカも結構格好良く、グリッドマンとメカが合体して、サンダーグリッドマンやゴッドグリッドマンにパワーアップする。その際はメカ要素が強すぎてグリッドマンの原型はどこよ?ってなる。

 

 グリッドマン側の直人、一平、ゆかのそれぞれの家族も結構話に絡んでくる。三人の親や兄弟達とのやりとりがコミカルで面白い。キャベツをそのまま齧りながら受験勉強しているゆかの兄がかなりの変人で面白い。

 

 全話視聴して思うことは、表題になっているグリッドマンが主役なのはもちろんのことだが、ある意味では武史も主役と言えるかもしれないということ。個人的に作品で一番好きになったのは武史であった。 

 あとは戦闘シーンでグリッドマンがバク転などのアクロバティックアクションを見せるのが格好良い。

 OP曲の「夢のヒーロー」はかなり格好良い。

 

 アニメも方も勢いがあるのでこのタイミングで見直し出来てよかったぜ。

 

 

  


【電光超人グリッドマンMAD】夢のヒーロー

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