こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

良質なおっぱいアニメには終わらない「ペンギン・ハイウェイ」

ペンギン・ハイウェイ」は2018年8月に公開された劇場版アニメ。

 

 BDで見たけど、なんかすごく良かった。

 

ペンギン・ハイウェイ Blu-ray スタンダードエディション

 多忙な主人公少年アオヤマ君がお姉さんのおっぱいについてノートにあれこれまとめていること、街中に野良猫感覚でペンギンが出てくること、スタートから三分経たない内にこれらの情報が入ってくる。そんな訳で、取っ掛かりから謎とファンタジーとエロスが頭突きし合っている。これは引き込まれる導入だ。

 

 アオヤマ君が想いを寄せる作品不動のヒロインは、綺麗でおっぱいが大きな歯科衛生士のお姉さん。

 愉快な謎設定とおっぱいというワードが森見登美彦らしい。そう言えば、昔読んだ彼の作品「恋文の技術」の中にも年上のお姉さんのおっぱいが気になって仕方がない少年が出てきた。

 

 この作品、良い点は様々あったが、なんと言ってもアオヤマ君が憧れるおっぱいを持つお姉さんが良い。ステータスは高い。しかし気さくであり、がさつな感じが何だか取っ付きやすい。しかもチェスが強い。他の森見作品でも見られる、どこか不思議で、しっかり魅力的なヒロインとして描かれている。もう大好きだった。

 お姉さんを演じた蒼井優の声は、お姉さんの見た目にしてはやや低めかなと最初は想ったけど、シーンが進む程に「この声で合ってる」と想うようになった。

 

 失礼ながらおっぱいアニメとして観賞した。しかし、小学生少年から見る分のおっぱいなので、そこには退くようなエロスはない。お姉さんは綺麗で確かにエロいが、アオヤマ君目線で展開する物語において、このおっぱいという要素は決して下品なものには成り下がらない。一つの盛り上げ要素として、むしろ作品を高尚なものへと昇華させる役を担っている。ナイスおっぱいでした。

 

 ヒロインのお姉さんについてはもっと語りたい。お姉さんが空に向かって缶ジュースを投げるとそれがペンギンになっちゃうっていう、もう一体なんなのその発想!ていう設定が敷かれている。この段階でお姉さんは間違いなくキーパーソンと分かる。

 

 お姉さんは歯医者の制服姿から他にも色んな私服姿で登場するし髪型もいじってくる。いずれもごちそうなものでした。

 

 いつも快活なお姉さんだが、後半でアオヤマ君と電車に乗った時に体調を崩す。あそこでの弱った感じのお姉さんも萌えだった。語るほど変態性で出てくるのでここらで終わろう。

 

 アオヤマ君は、街中にペンギンがたくさん発生するという、アホでも分かる異常事態を解明するためにポンコツな助手ウチダ君を連れて謎の究明に打って出る。このウチダ君が良いポンコツぶりを発揮していて愛らしい。気の良さそうな顔をして、アオヤマ君がスズキ君に襲撃された時は普通に見捨てて逃げるし、他にもやばいことがあったら普通に逃げ出していた。判断が速い。

 ウチダ君みたいなポンコツなのに、しれっとベテラン声優の釘宮理恵が声を当てているのが憎い配役。

 

 ペンギンの謎を追いながらも、好きなお姉さんとの交流が描かれる。話の主軸はこれ。

 

 キーワードのペンギンなんだけど、やっぱり私はペンギンが好きなんだな。普通に可愛いし、それだけで見ちゃう。小さい頃に「ピングー」とか「ながいながいペンギンの話」などのペンギン作品を楽しんでいたので、今でもペンギンが好きな訳だ。あとはマリオ64の雪のステージで出てくる親子ペンギンね。あれ、マジで可愛かった。

 

 アオヤマ君の理性的にして知性的なところは非常に子供らしくなく、最初は何だこいつ?と想ったのだが、見ているとユーモアも備えた面白くて良い奴だと分かる。後半に進むほどアオヤマ君がイケメンに見える。

 ペンギンの研究をノートにしっかりまとめている研究力がまずすごいし、分からないを説くために行動を起こすという、学校教科で言うところの総合的学習のモットーを心得いるのも素晴らしい。

 アオヤマ君の信念を持つ生き方は現代若者にも見習ってほしい。お姉さんも良いが主人公の彼も相当良いキャラをしていた。

 

 個人的にツボったのは、後半シーンで写るアオヤマ君のノートの内容。大人になったら彼女に「ぐんない(Good Night)」を言って寝かしつけると書いてるのが面白かった。だから主題歌も「Good Night」なのかな。

 

 アオヤマ君は大人になるまであと3千何日と計算してノートに書いている。大人の真似のつもりか苦いコーヒーに挑んだりもする。ガキの頃って早く大人になりたいとか想うものだよなと共感できる。そんで、なったらなったでやっぱり子供の方が良かったとかも言いがち。

 

 子供ならではの心理でもう一つ共感したのは、久野美咲ちゃん演じるアオヤマ君の妹が、どうして生命はいつかは死んでしまうのかとアオヤマ君に泣きながら問いかけたこと。そもそも産まれてくることが謎なので、こればかりは22世紀になってもまだ謎だと想う。実は私も「死」という概念を初めて知った幼い時、心底怖くて悲しくて涙したものだ。おっぱいおっぱい言ってるアニメかと想いきや、ここで宗教や哲学にも絡む「死」というワードを放りこんでくるとは意外にも観念めいたアニメだった。あとアオヤマ君の妹、可愛い。

 

 アオヤマ君と絡む他のキャラも良い。

 お姉さんにやや届かないが、学校のマドンナ的ポジの女子生徒ハマモトさんもかなり強いヒロイン性を持っていた。

 まず見た目は完璧に可愛い。絶対的マドンナキャラと想いきや、喜怒哀楽がはっきりあるキャラだと分かる。ガキ大将のスズキ君にガチビンタを喰らわせるし、普段は強気でもお父さんが失踪したことを受けると弱ってシュンとなっているのは萌えだった。

 アオヤマくんを真ん中に置いて、ハマモトさんとお姉さんでバチバチ状態になるのも楽しかった。

 

 後半の見せ所は大量のペンギンの大行進。お姉さんがペンギンを集め、ペンギンの大軍に乗っかってアオヤマ君とお姉さんが目的地を目指す。あれは少年の夢が詰まったシーンだったな。水の中をまるで「マクロス」のミサイルみたいに泳ぐペンギンの姿は印象的だった。

 

 何この変の話? と言っちゃえばそうな作品だが、夏の綺麗な風景をバックに展開する青春物語には何か胸がキュンとするものがあった。こういう不思議な一夏の奇跡的なことを描いた作品って心に響くんだな。

 とにかく好きな作品だった。

 

 

 最後に、おっぱいのことを考えると穏やかな気持ちになれるというアオヤマ君の精神コントロール術はためになったので、今後実践して行こうと想う。

 

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