「ぱにぽにだっしゅ!」は2005年7月から12月まで放送した全26話のテレビアニメ。加えてOVAが1話ある。
この作品は巷でそこそこ話題だったので、作品名と斎藤千和が出ているということだけは知っていた。
内容を知らないままに本作のBDを視聴したらなんと言うか、ぶっ飛んだ愉快な作品だった。
内容
11歳にして飛び級でマサチューセッツ工科大学を卒業した天才少女レベッカ 宮本(通称ベッキー)は、私立高校桃月学園で教師生活をスタートさせる。
ベッキーの教師生活と共に、個性爆発な愉快な生徒達(加えて人外のあれこれ)の物語が展開する。
そして、そんなベッキーの生活を人知れず宇宙から観測する異星人達の物語でもある。
感想
中身はベッキーを筆頭にして可愛いキャラがギャグをばらまく内容だった。前後の脈絡なく予想外のギャグ展開になるので毎回飽きずに見ることが出来た。
作風としては「絶望先生」とか「あずまんが大王」のもっとイカれたバージョンと言った感じだった。
「あずまんが大王」では小学校→高校へ飛び級した天才少女がいたけど、ベッキーは11歳で大学を出て先生になっているからもっとすごい。
ベッキーが11歳で教師をやってる時点で色々おかしいけど、桃月学園が番長連合とか変な化物に襲撃されたり、巨大ロボが出てきたりとカオスすぎた。アニメにはこれといった筋がなく、ひたすらぶっ飛んだ意味の分からない内容となっていた。楽しかったけど。
ベッキーの担当したクラスの生徒達は個性的。他クラスの生徒や先生もたくさん登場する。キャラはとても多い。そして声優が豪華。もうこのメンバーは揃わないと想う。
個人的には中盤で魔法少女を廃業してタダの人に戻った魔法少女ベホイミが好きだった。演じた門脇舞は「プリズマ☆イリヤ」の前からこの手の役をやってたんだな。
メディアを演じた松来未祐の声を久しぶりに聴いた。最近、旧作のBD-BOXを見て亡くなった方が出演していたら、懐かしい声で泣きそうになるんだよな。私も歳を取ったものだ。
学校の自販機に住み着く猫の神様、課外学習回で出会って以降学園にも住み着いているオオサンショウウオ、ベッキーの使い魔だけど使えないメソウサなど、人外キャラも個性を出しすぎていた。そして、ベッキー達の学園生活をかなり引いた視点から見ている謎の異星人達も面白かった。
異星人達は結果暇すぎだし、メソウサは何だかずっと可哀想。
今ではスーパー声優になってしまった神谷浩史があんなふざけた猫の神様の役をすることはもうないだいろうと想う。
ギャグばかりで内容が一つもないようで、その実情報量が多い。カット数が多いので見応えはある。
オタク的に楽しめる仕掛けは、カットが切り替わる度に教室の黒板や張り紙に表記される文字が変わること。これらのメッセージはいずれもアニメ、特撮、ゲーム、その他流行りネタ関係のもので、分かる人には分かる濃い内容になっていた。
個人的にウケたのは黒板に「コンバット越前(伝説のクソゲー デスクリムゾン登場キャラ)」の名前が書かれていたこと、「アクマイザー3」のネタがあったこと、「AIR」のもうゴールしてもいいよねのセリフが書かれていたことなどなど。
こういった小ネタが随所にばら撒かれているので、目を離さずに集中して探した。スタッフがかなり遊んでいるし、そっち側の知識量もなかなかのものだった。
制作があのシャフトということで、中毒になるクセカットが連発されている。おかしな角度や実写を混ぜたカットもやはりあった。
画面を少し引くと、学校のセットの上にベッキー達がいて、それをカメラマンが撮影しているという、まるでベッキー達の物語が劇中作のようにも思える凝った演出がなされていた。これはアイデアものだと想う。
視点がころころ変わるので絵コンテがどんなことになっているのだろうと思った。
多くの生徒はモブだが、モブデザも様々でモブのくせに主張が強い。
OPアニメが3曲、3パターンもあったし、EDアニメも毎回映像が違っていて楽しかった。
画面の端々に遊び心が見られ、アニメーションならでは生み出せるエンターテイメントを追求していると想う。ふざけているようでなかかなの職人芸を見せていた。
これは「ひだまりスケッチ」とか「化物語」でも同じ事が言える。
かなりクセが強くて、見る人によっては1話で切るようなぶっ飛んだアニメだったけどたいへん面白かった。なんと言ってもベッキーが可愛い。オーコメで斉藤千和は幼い姪っ子からロリ演技を勉強したと言ってた。その姪っ子は今ではすっかり大きくなっているという。こうしてBDとなって過去作が綺麗になって蘇るのってとっても素敵。そう思いました。
ベッキーがよく言う「先生だぞぉ」が好きだった。
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