こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

サイレントでもしっかり日常生活をお届けする「女子かう生」

「女子かう生」は、 2019年4月から6月まで放送した全12話のテレビアニメ。

 1話が3、4分で終わるショートアニメ。

 

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 最近よくある女子高生の日常ものだが、他と違う仕掛けがそこをサイレントでお届けするというもの。

 この作品は声優達がタイトルコールを行って始まるが、肝心な本編ではセリフというセリフがない。それぞれのキャラにはしっかり声優がついているが、五十音を組み合わせての意味ある言葉を喋るシーンは基本的になく、声優達が行う仕事は主にリアクションである。吐息、笑い、呻き、叫びなど「ああ~」「うう~」くらいしか声が入っていない。

 そんな状態でもしっかり話は進行し、緻密に練られた描写によって何が行っているかはしっかり分かる。モノローグ、字幕、セリフ、それらに頼らずとも女子高生の日常ものとして成立していることが興味を引く点であり、評価出来る点でもある。

  

 多くいる表現者の内、声を使ってそれを行う声優が喋りを封じられた状態で芝居をする。喋りという武器を封じられた状態でも芝居をお届けしないといけない今作では、一周回って演技力がものが言うのでは?とか思った。喋らない分逆に演技力が問われることで、出演した役者陣は己を鍛える良き場となったのではなかろうか(全部勝手な感想)。

 

 ショート枠なのに加えてセリフがああなっているから、おそらく台本はペラペラではあるまいかと想像できる。まぁ真実は知らんけど……。

 

 メインで登場する女子高生キャラは三人。ギャル系、委員長系、ロリと三つに分類された各ヒロインのどれか一つは、世の男性諸君の好みに入るであろう。そんな訳で各種お取り揃えのヒロイン配置は良い。ヒロインは皆可愛かった。

 三人は同じ学校の同級生のようだが、皆制服が違う。三種類の制服が楽しめてそこもまた楽しめる要素だった。

 

 ここ三人の学校生活と他は放課後にダベったりのシーンが描かれる。たまにお色気な回もあり、それも良かった。

 

 混雑した電車の中でサラリーマンが板ガムを食べようとしたら落としてしまい、それが椅子に座っているギャル系ヒロインのお膝の間にすっぽり入ってしまうシチュが展開する回がある。あのシチュが好きだった。なかなかなさそうで、あっても不思議ないマニアックなシチュを考えおると想い、私としては評価の高いアイディアだった。

 

 ギャル系ヒロインのお姉ちゃんが出てくる回がある。お姉ちゃんも可愛かった。

 

 ずっとセリフ無しで成立する物語が最終回まで続き、最終回ラストシーンでのみギャル系ヒロインが「ただいま」と発する。最後だけ喋るこの感じ、なんかいいなと思って印象的だった。

 

 最終回で女子高生達が橋の欄干の外に出て菓子を食ってるシーンは、川に落ちそうで危ないと思った。そこだけはちょっと気になった。

 

 喋ってなんぼの世界でセリフを封じてくるという斬新な試みの面白い作品だった。

 

 

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