こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

フェチの境地「嫌な顔されながらおパンツ見せてもらいたい2」

「嫌な顔されながらおパンツ見せてもらいたい2」は、2019年12月31日に発売されたOVA作品。好評につきシリーズ化された第二作目である。

 人前でフルタイトルを言うのは色々と憚れるのと、単に長いからということで縮めて「嫌パン」で通っている。

 

 くしくも2010年代最後の日に発売されたことで、輝かしき2010年代最後の名作(と迷作も兼ねる)となった。輝かしき2010年代10年の歴史にピリオドを打ち込んだ想い出の一作である。

 

嫌パン OVA 2 予告 特典 クリアファイル アニマルマシーン 嫌な顔されながらおパンツ見せてもらいたい

  

 もはや説明不要の本作だが、改めて内容を振り返ろう。

 本作は男性主人公の一人称視点で女の子との関係が展開していくものである。主人公にセリフはなく、かわいいヒロインの一人喋りとなるので、ヒロインの美しい顔面と女性声優の美声がずっと楽しめる。

 

 そんなわけで本来ならなかなかの没入感があるはずなのだが、内容は主人公が女子に「パンツを見せて」と交渉を持ちかけては、侮蔑の目を向けられながら面罵されるという振り切った変態展開なので話が変わってくる。

 

 いずれのヒロインも最初は好感を持ってこちらに接してくれるので、主人公のコイツが出方を間違わなければ絶対に良い方向に持っていけるはずなのだが、「パンツを見せて」の交渉を持ちかけると一気に虫けらを見る目になってキモがられる。でも、結局見せてくれるからまぁいいかって感じ。

 

 思うのだが、例え好きな相手であっても、パンツを見せろと迫られると一気に虫けら同然の扱いになるものだろうか。そこのところの乙女心はラビリンスである。

 

 パンツが見れるという点では大方の男子がハッピーになると考えられる。ただ、このアニメはそれだけではなく、もうひとつのキーワードとして「嫌な顔されながら」が追加される。

 それまではニコニコして可愛いかっただけのヒロインが、一気にゴミを見るような目になって言葉も荒くなるのが見どころ。合わせて女性声優のお声も様子が違ってくるところもポイント。

 パンツが好きなのとややマゾっ気があるという愉快な変態性を持つのが主人公の特性である。主人公の性癖に共感できればきっと楽しめるシチュエーション特化型フェチズムアニメだった。

 

 約30分間の内にとっかえひっかえ6パターンのパンチラと嫌な顔が楽しめる。

 前回から固定のメイドとシスターのヒロインに加え、今回は新たに双子、本屋さん、歯科助手、女子中学生のヒロインが登場する。いずれかが変態紳士共にきっと引っかかるであろう充実のラインナップだった。

 ヒロインはいずれも可愛く、十人十色のパンチラも当然美しい。前半後半で声色を変えてくる声優の演技も素晴らしい。

 

 竹達彩奈演じる双子ヒロイン回を見れば、巽悠衣子氏と双子ヒロイン役で共演した竹達彩奈魂のデビュー作「kiss×sis」を思い出す。ドSの芝居に定評がある竹達彩奈ボイスで面罵されるのは、まぁ悪くないといった感じだった。

 

 地味な子の地味なパンチラを拝むのがやや罪悪感だが、結局そこがツボるという本屋の店員回も印象的だった。

 個人的にここ最近赤丸急上昇中声優の上田麗奈が演じているのが良かった。高い声でキャピキャピ言ったり、ぼそぼそ言って病んでる感を出したり、低い声で罵声を浴びせるのも行けるということで、上田麗奈がオールラウンダーだということが分かる。

 最初は本好き仲間として気さくに主人公に接してくる可愛い同級生感を出しているが、パンツ交渉が始まると罵倒してくる。どちらの感じも良いと思えた。

 

 すみぺこと上坂すみれ演じる歯科助手が、施術中にわざと胸を当てて主人公にアピールしてくる。ここでは完全にこちらに恋愛感情を持ってもらえているのに、やはりパンツ交渉に入ると千年の恋も冷めるらしく、定番のゴミ虫扱いを受ける。

 やはり可愛い歯医者さんに見てもらって胸があたるというのが遥か昔から続く男子の産んだファンタジーなのだろう。そこを見事映像化していた。すみぺの罵倒も決して悪いものではなかった。

 

 新キャラには、主人公を兄のように慕う女子中学生キャラも登場する。デートで喫茶店に入ったところでパンツ交渉が始まる。それまでは憧れのお兄さんだったのに、次の瞬間にはゴミ虫扱いに変わる。高森奈津美のいかにもチビヒロインて感じの声が可愛かった。

 JCにパンツ交渉は犯罪チック過ぎていかんだろうと思ったが、考えると主人公のお願いはあくまでも合意の下、そっちからスカートめくってということなので、まぁセーフなお付き合いなのかもしれない。

 よくよく考えると、自分に向く好意がゼロになった状態で嫌な顔とパンツを求めるコイツも変態で愉快な上になかなか図太い。このお願いが出来る状況まで持っていけるのはある意味才能なのかもしれない。

 

 そんなわけでなかなか楽しい変態アニメだった。突き詰めた変態性はもはや美学とも言えるので、結果この作品は良いものだと感想を言って終わろう。

 

 

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