こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

こしのり漫遊記 その40「小銭貯金に手数料を取るようになった地方銀行にオコ!」

 

    f:id:koshinori:20170607205753p:plain

 

 私のようにお金儲けをあまりしたがらない命でも、ニートでない以上、時が経てば懐にいくらかの儲けが貯まる。そうして稼いだ分を管理する場合、あまり銀行には頼らないようにしている。なんというか、金の管理の安全性を疑う訳ではないのだが、かといって大きく信用することも出来ない。

 というわけで普段からしょっちゅう銀行に寄るなんてこともなく、行くとしたら一年に数回あるかないかくらいなのだ。そんなたまにしか行かない銀行で大変不快なことがあった。

 それを行った向こうの言い分を知り、自分もちょっと乱暴なことを言っていると理解した上で、それら全てを棚上げにして銀行への文句書き殴ろうと想う。

 

 まず今回銀行に寄った理由は、大量に得た硬貨を一気に貯金することだった。とある案件でやばいくらいの硬貨をもらうことになった。中身はだいたい1、5、10、50、たまに100円硬貨が混じっているといったもの。ものすごく重いのでかなりの金額になると想う。

 

 以前にも、祖父が遥か古からパンパンになるまで貯めこんでいたけど開くのをすっかり忘れて久しい貯金箱をもらい、その中身の小銭を銀行に持ちこんで一括貯金したことがあった。だから今度も同じ要件で頼ろうとしたのだ。

 

 すると受付の女が「手数料がいる」と言ってきた。2年程前にも小銭貯金で同じ銀行を使ったことがあるが、その時にはそんなものは必要なかった。まだ若手に見えたので、「新人がバカ言ってる」と思い、いいから速くしろと話を進めた。

 女は手数料の説明を始めてそれが1000円以上になると言う。思わず「たっか!(高い)」と大きな声で返してしまった。送金するのではなく、自分の口座に金を入れて手数料を取られたことなんて今までなかった。前はそんなものなかっただろうと問うと、消費税が上がった時期くらいからこの改悪がなされたと返ってきた。

 

 これは驚いたし、次にムカついた。金を貯めようと思って貯金するのに、なんでマイナスされるんだ。1000枚あれば1100円だったか、そこからもまだ数百枚ごとに手数料を追加するという。意外と細かく設定していやがる。だったら1円を1000枚持ってくれば、1000円全部没収の上、事務所に100円払って帰らんといけなくなる。「バカなのか、この仕組は」と思って苛立ちが募った。

 

 受付の状況がよろしくない。そう感じ取ったのか、奥から責任者っぽいおばさんが出てきた。書類を持ってきて、今回の改悪が確かなものだと説明してきた。正式な制度ならここで私が喚いても状況は変わらない。だが、サービス変更に至るまでの経緯については、納得の行く説明をしろと求めた。

 

 ここは弱小の地方銀行で、私もこのみみっちい要件でもないとまず訪れない場所だった。

 そんな地方銀行は低金利でやっていて……そこへ来て消費税が上がって……どこかで社員に給料が周るような余計な金を取らないと……。

 そんな途切れ途切れの言葉で会社の情けない懐事情が語られた。

 

 ケチか!

 

 これが第一に思い浮かんだ。

 

 金が舞い飛ぶ現場にいる銀行員くらい羽振り良くやってのけてくれよ。我々は確かにケチだ。それでも他人にその心を見るのはどういうわけか不快である。

 絶対に手数料は払いたくない。昨日までタダで請け負った仕事なのに、今日からは4桁円払えっていうのはふっかけすぎだろうと想う。手数料が発生するにしてもこれは高い。

 

 会社経営がきついという事情の中で、硬貨の扱いが紙幣と違って面倒ということも語られていた。大量の硬貨を貯金する場合、機械に金を流し入れて額を計算する。それを確認のために二度行うという。これをやるのにはとにかく時間がかかり、人間も一人ではなく数人使うこともあるという。ここの人件費だとか時間の手間により、もっと金を取りたいという言い分なのだ。

 

 向こうは情けない事情を隠さず全て話したから手数料発生に至るまでの道程はしっかり分かった。でも理解と納得は違う。説明内容は理解したが気持ちよく納得は出来ない。 

 

 この仕事は楽だからやる。こっちは大変だから別途チップを貰わないとやらない。そう言ってるようにも聞こえる。

 どこの会社に入るかは個人の自由だ。だが、その中で銭勘定を専門にやるという会社に入ったなら、種類が複数あれど選り好みせずに銭を弾く業務をやれ、と強く思った。

 

 これらの給与になる余計な金は事務所に一円だった置いてやるつもりはない。大事なこちらの儲けをなんでそっちに分けてやらんといけんのだ。

 

 金を取るからと行っても、これまでとやることは全て同じだという。確かに大量の小銭貯金をする場合はかなり待たされる。それは以前に経験しているから知っている。でも私は大人しく読書して待つのでそこにはこれまで文句を言わなかった。仕事の高速化と引き換えに付加価値として料金が上がるならまだ分かるが、結局今まで通りのろまなことをして金はもっとよこせと言う。のろまな仕事なら亀でも出来る。こちらが黙ってのろい仕事の完了を待っているのに、向こうは黙って働かないから困る。

 

 結局今までと同じだけ長いこと待たされ、それまでは何も取らなかった料金を今回はたくさん取るというなら悔しいし腹が立つ。

 

 ここで志賀直哉の「和解」の一場面を思い出した。作中で主人公が銀行に寄るのだが、待ち時間が長すぎたために、彼は用を済まさず帰ってしまう。その時に銀行というのはたくさん人がいる割には働きがないといった内容の文句が言われている。だいたい100年前の話の中でも仕事がのろいと文句を言われていて、令和になった今日でもまだそれは一緒なんだからちゃんとしてよって思った。

 

 私は時間のことにはイライラしないが、料金をあげたケチな事情にはむかっ腹が立った。それがサービスの底上げは無しに上がったとなればこちらが損でしかない。

 

 銀行の苦しい事情はしっかり分かり、こちらも小さいことでケチケチしているという自覚は少なからずある。少々大人げないと思いつつも、素直に今回のことには腹が立つ。この私が一回寝て起きてまだ腹が立っているなんてとこは滅多とない。もうあの地方銀行には行かない。だから地方のままでメジャーになれないのだ。

 

 というわけで、たくさんの小銭貯金の依頼を文句無しに行う事務所はどこだと調べて周ると、ゆうちょ銀行は硬貨の枚数、金額問わず手数料はなしに黙って仕事を行うと分かった。

 

 後日ゆうちょ銀行に行き、たくさんあった小銭の始末はついた。30分くらい待ったけどね。その間は落ち着いて読書出来てストレスはなかった。

 

 結果、ゆうちょ銀行は優秀。

 

 銀行員よ、銭勘定を行う会社に入ったのなら、業務の選り好みをせず黙って銭を数えなさい。

 

 

 重ねて言うが、様々な会社事情、自分の乱暴でやや理性に欠ける言動などの全てを棚上げにして本能で言った文句がこれである。

 

スポンサードリンク